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Tokyo Zebras Uniteを始めた理由 〜僕たちの持っていた問題意識とゼブラ企業〜


今回は共同創設者/Co-Leadの陶山と私がTokyo Zebras Uniteを始めることになった経緯をご紹介したいと思います。

Zebras Unite共同創始者との出会い


2018年4月 、私はイギリスのオックスフォード大学で行われたスコールワールドフォーラムに参加していました。ちょうど前職を退職し、次なる道を探し始めていた時で、イギリス人で卒業後私と同じようにインパクト投資の道を歩んできたビジネススクール時代の友人に相談していた時に参加を勧められ渡英しました。

Zebras Unite のコンセプト


フォーラムで参加したセッションの一つが「Zebras Fix What Unicorns Break」。Zebras Uniteの共同創始者の1人であるAstridから、昨今のアメリカにおけるユニコーンを取り巻く環境への問題意識、彼女や他の共同創始者自身が起業家として資金調達に苦労をした経験からZebras Uniteをはじめたことなどが語られました。彼女たちが提唱したゼブラ企業とは、社会的な使命や、在るべき社会像の追求が目的であり、それに必要な範囲で(目的ではなく手段として)利益の創出と成長を目指すもの。そしてゼブラ企業は結果的にユニコーンのような成長曲線を描けない場合もあるといったものでした。シリコンバレー型スタートアップへ投資するベンチャーキャピタルが主流だった当時、ゼブラ企業へ投資してくれる投資家はそうおらず、また営利活動であったことや活動分野からフィランソロピー的な資金提供も受けにくかったようです。

自分の持っていた問題意識


一方で、私は、社会起業家へ投資を行うインパクト投資と呼ばれる事業を東南アジア、日本で行ってきていましたが一つの問題意識を持っていました。起業家や組織が求める資金の性質と資金提供される投資資金の性質があっていないのではないかということでした。私が見てきた起業家には自由度が高く長期的な視点を持つ資金が必要でした。社会へのインパクトや起業家の持つ組織のあり方を考えると最大化することが解ではなく最適な成長の姿が必要な場合もあります。私が一緒に仕事をさせていただいた起業家には、5年後に20人の組織にしたいという起業家がいました。彼女の描く事業のあり方や事業が与える社会へのインパクトを考えるとそこが目指したかった点でありそれ以上大きくすることが良いと思えなかったのです。

一方で、世の中にはこういった企業の成長のあり方をサポートする資金や支援者は少なく、多くの資金は、短期間で「最大化」を目指す投資資金、事業が安定し返済確度が高く無いと受けれない融資、先行投資には使えない助成金。特にスタートアップの世界ではシリコンバレーの影響が大きく上記のような企業は、短期的な利益を目指す投資家からは成長スピードが遅いと取られてしまいます。

ユニコーンやそれに投資する投資家の存在は重要ですが、それ以外の世界、つまり資金調達が目的がではなく事業をつくることやその事業が長期的に社会においてどういう存在になるかということにフォーカスをする企業や資金提供者がいても良いのではないか。Astridたちから話を聞くと、私が見てきた起業家は社会起業家だがゼブラ企業と捉えることもでき、業界や経緯は違えど同様の問題意識を持っていた彼女たちに共感しました。

Tokyo Zebras Unite立ち上げまでの経緯


フォーラムでのセッション後すぐに意気投合し、帰国してからもZebras Uniteの2人とは連絡をとりあい彼女たちが整理しようとしていたスタートアップへのファイナンスのあり方などを議論したりしていました。

一方でTokyo Zebras Unite共同創設者の陶山とは上記のような問題意識も含めてお互いが見てきたスタートアップ企業や社会企業への資金や経営の支援がどうあるべきか、また自分たちがどういった企業を支援の対象としたいかと言った会話をよくしていました。こういった企業には非常にゼブラ企業とも重なる点を見出しており、また一方で日本ではアメリカほどスタートアップへの資金提供が行き過ぎていないことや老舗企業や街角のタバコ屋さんとゼブラ企業の違いは何なのかといったような議論をしていました。

日本のゼブラ企業や投資家を繋げ、また世界のノウハウや知恵を伝え、必要な支援が得られる環境をつくっていくことには意義があるのではないかと2人で考えZebras Uniteの東京チャプターであるTokyo Zebras Uniteを立ち上げることとしました。Astridや他の共同創始者からの賛同も得ることができ、2019年11月30日にZebras Uniteのウェブサイトにチャプターとしてページを作ってもらいTokyo Zebras Uniteが始まりました。

Zebras Uniteは、他の地域ではイギリスなどでも活発に活動されていますが、いずれもその国の文化やコンテクストを非常に大事にし、いわゆる「支部」のようなものではなくパートナーとして見てくれています。日本の動きも重要視してくれており、現在世界中に4,000人近くいるメンバーをどのように「Unite」していくかといったことを私たちとも協議しています。そういったZebras Uniteの文化が肌にあったこともTokyo Zebras Uniteを立ち上げようと思った理由の一つです。Tokyo Zebras Uniteでは、1月に第一回目のGatheringを行いました。今後は、日本でゼブラ企業の認知度を高めるとともに、世界の流れを発信していくことも行いたいと思っています。

(見出画像:Zebras Unite共同創始者 Astrid Scholzと)
(文責:田淵 良敬(共同創設者/Co-Lead, Tokyo Zebras Unite)
https://zebrasunite.mn.co/members/1109640
https://twitter.com/Yoshitaka72

Tokyo Zebras Unite Webページ・連絡先
https://www.zebrasunite.com/tokyo
hello.tokyo@zebrasunite.com


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