波佐見焼ができるまで〜陶土屋〜
こんにちは。村山です。
先日波佐見に出張に伺い、波佐見焼の製造工程を見学してきました。
見学させていただく度にまだまだ知らないことが多く、職人の技にいつも驚きを感じています。現場を見ると波佐見焼がどのように作られるのか、もっと伝えていきたい!という思いを感じることも増え、すこしづつnoteにまとめてみようと思います。
波佐見焼の特徴の一つが街全体で「分業制」をとっていること。
陶石から陶土を作る「陶土屋」、陶磁器を作るための石膏の型を作る「型屋」、型から生地を整形する「生地屋」、最後に釉がけや絵付などをして焼成する「窯元」があります。
「陶土屋」では簡単に言うと、陶石から陶土を作り出しています。
陶土屋は塩田川という川沿いに集中しています。石を洗うのに水が必要という事もありますが、昔は天草から陶石を運ぶのに川の満ち引きに合わせて船で運搬していたんだとか。
陶石には等級があり、特級から4級など石の色・密度などによって等級が分かれています。石は人の手で周りの茶色い鉄分を削り落とし、さらにより分けられています。
鉄分を落とした陶石をクラッシャーという機械で細かくしたら、そこから石を石臼と杵のような粉砕機で細かく砕きます。13時間も粉砕して粉になるんだそうです。
粉になった石を水に溶かして沈澱するスピードによって粗い石や砂などをとりわけます。さらにこの後細かい網に通して鉄分を取り除く「脱鉄」という作業を繰り返します。
水を含んだ陶土を脱水して、板状の生地を空気を抜きながら円筒状に加工すれば陶土の完成です。
まさか手で石を削っているとは思わず、生地を作る段階からこんなにも人の手がかかって作られていることに驚きました。こうして石から出来上がる食器たちがとても貴重なものだと感じました。
次回は型屋の様子をお伝えしたいと思います◎
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