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撮影後記

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ストリートスナップさながらに本を読んでいる人に声をかけ、読書姿を撮影し、読んでいる本のタイトルを教えてもらう「東京の本よみ」です。撮影を振り返って、毎月最終日に撮影後記を書いてい…
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#日記

【6月の本よみ】されど井の深さを知る

朝はいい。街がまだ動き出す前の静けさが、少しひんやりとした空気と相まって清々しい。特に初…

【3月の本よみ】 子リスみたいな、野うさぎみたいな

わたしはその日、とある読みものを買いに、普段いかない街に出かけた。 駅に着いたもののあま…

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【11月の本よみ】 仲睦まじく

「仲睦まじく」 そんな言葉がぴったりのふたりだった。 2人で一冊の本を覗きこむように読ん…

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【11月の本よみ】 外は暮れなずんで

散歩かジョギングの帰り?と思うような、そのくらいラフでカジュアルな格好の人だった。 生活…

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【10月の本よみ】 公園の一角でタイムスリップ

真夏が終わり、べたつく湿度はなくなって、でも半袖で過ごせるとても気候のいい時期だった。 …

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【10月の本よみ】 朝のコーヒー、ウィーンの作曲家

朝8時台に散歩に出たら、外で本よみを見つけてしまった。 テラス席のこかげで朝の読書。 と…

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【10月の本よみ】 消えゆきはしない

とある町の路地、玄関先で本を読んでいる女性がいたので撮影を申し出ると、快く承諾してくださった。2台の大型バイクに守られるような位置で本を読んでいる。聞けば自身も運転されるという。かっこいい女性である。 撮影した写真を見てもらうと、バイクが写りこんでいたこともあり、家の中にいたバイクのオーナーの男性を呼んでくださったので、HPなどに掲載する承諾を得てお礼を言い、その場を後にした。大きな台風が去った後で、バイクのメンテナンスをしていたのだろう、足元にはキャブレターやエンジンオイ

【9月の本よみ】 平日夜のひとり時間

平日の夜、どこで何をするか? これは結構、その人が何を大事にしているかが垣間見えるのでは…

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【9月の本よみ】 池のほとりで

なんとなく、混雑する駅に足が向かない時や、電車に乗る気分じゃない時ってある。 この日、用…

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【9月の本よみ】 東京画

「東京の本よみ」の写真は常に偶然の産物である。たまたま出かけた先に、たまたま本を読んでい…

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【8月の本よみ】 撮りたい姿

声をかける時はいつだって緊張がつきものなのだけど、その人が男性か女性かによってもその緊張…

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【7月の本よみ】 あじさいを背中に

そこは日常的に通る道だった。 まだ真夏のような日差しになる前の時期で、夕暮れ時のこと。 …

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【7月の本よみ】 パンを片手に

その人は、片手でパンを食べながら文庫本を読んでいた。 都内にあるフリースペースで、近くに…

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【7月の本よみ】 そこに在るひと

都内にある美術館のラウンジで、本を読んでいる女性がいたので撮影させていただいた。 読んでいた本について聞いてみると、禅を含む東洋哲学の本らしい。内容難しそうですね、と言うと、そうね、まだ理解できない部分もあるけど、こういう内容にしてはわかりやすく書いてあるほうだと思う、と言ってその本のページをぱらぱらと見せてくれた。随所に黄色とピンクのマーカーで塗り分けられた文章がある。お茶やお花を嗜む上で、その裏付けとなる考え方がこの本にはたくさん書かれているとのことだった。自己研鑽の人