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ライティングコンテスト(東京報道新聞主催)

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東京報道新聞が開催しているライティングコンテストの募集要項や結果発表、過去の受賞記事をまとめています。 過去の受賞記事は、ライティングコンテストで「優秀賞」「特別賞」「東京報道新… もっと読む
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#東京報道新聞賞

AIが脇役の世界 ~建設産業界の若手不足とAIがもたらすもの~

AI技術の進歩とともに、AIに取って代わられない職業とは何かということが考えられるようになった。そのような問いは、実際に職業選択の際にも大きな影響を及ぼしている。そんな中で、私は建設技術者という職業はAIに取って代わられず、今後注目に値する職業だと考えている。そこにはマニュアル化しにくいという建設業界ならではの特性が作用している。建設産業界で重要なことは、AIに取って代わることができない技術者の直観なのである。 残念なことにAIが取って代わることができない職にもかかわらず、

戻れる居場所

5年前、大学近くの居酒屋で飲んでいた。自分の故郷の話になった際、私の地元の話をしてみた。すると、 「近くのバス停の名前が『佐藤家の前』なの!そんなことある?!」 と友達から爆笑されてしまった。都会で暮らしている人からしたら、信じられない場所。それが私の地元である。 地図帳で見ると、長野県のずっと下。愛知県の近くにある人口1万人の町が私の地元だ。秋になると、リンゴの赤色やナシの黄色で、街中が色鮮やかになる。そんな街の中心部に、思い出の場所がある。正式名称ではないが、『城山

役場の仕事なんてつまんねえんだ。でも、

初対面の人から受ける影響というのは、意外と大きい。10年以上経った今でも、あの言葉を鮮明に思い出すことができる。 初めて就職したのは、地方の町役場だった。卒業後地元に戻るつもりがなかった僕は、大学所在地の近辺で就職活動をしていた。 「かたっぱしから応募して、最初に内定をくれたところに就職しよう」と意気込んだ結果、奇跡的に1件目で内定をもらう。そこは、行ったことも聞いたこともない、ちいさなちいさな町だった。 見知らぬ土地というだけで、不安になるには十分過ぎる。ましてや人見

都会で電車に乗る 三カ条

私は「都会で電車に乗る」ということを甘くみていた。 自宅から2分で通学できた高校時代、バスにさえ乗らなかったにもかかわらず、大学に上京して、自宅から2時間かけて大学のキャンパスに通うことになった。東京といえども共通言語は日本語。わからないことがあれば聞けばいいし、もう18才という成人間近なんだからそれほど難しいはずがないと鷹をくくっていたが、「都会で電車に乗る」ことには特殊な能力が備えられていなければ、易々とできることではないという現実に私はまだ気が付いていなかった。 ま