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続、高いギターVS安いギターのお話

ハロー、こちら東京メタルシティ。7月、曇り空のお昼頃です。
そちらの天気はどうだろう?暑いのは嫌だけど、それでも晴れた空が良い。
そんなワガママを言いたい気分ですが、麦茶でも飲みながら少しお話をしましょう。

Twitterを見ていると周期的に同じような話題が何回も流れてきますね。
大体1年半周期くらいかもしれない。
モラルやマナーの話もそうだけど、わかりやすい二項対立系の話題が比較的よく
グルグル同じような形で登場しますね。

比喩抜きで本当に100回はこの話題を見た気がしますが、

•高いギターと安いギター

の話、よく周りますね。
結局のところ、ギター自体がどうのこうのっていうより、
大体それを買えるかどうかの自身のおサイフの話か、それにお金を出せるかどうかっていう消費に対する価値観の話に帰結してる感じがするので、あまり建設的なトピックではないなと思います。
まぁ、とはいえ実際にどうなの?って部分で個人的な感想を書いてみようかなと。
これが正しい!って話じゃないですよ。
結構沢山買っていじってて、実際に思うところっていう話ですね。

最初にあらかじめ書いておきたいのは、

•エレキギターは量産を前提とした工業製品としての楽器である

というちょっとした宿命のようなものがある、ということですね。
レオ・フェンダーさんがネックとボディをネジ止めした設計の時にはもうその宿命があり、そのおかげでポピュラーな楽器として爆発的に普及したわけです。
そして、その普及の結果、より量産が可能な形が構築されて、多くの人、学生さんでも自分のお金で買えるほどの価格で沢山のメーカーが作っているんですね。

なので、(比較的)安価なエレキギターっているのはどちらかといえば工業製品としては正当な進化、のような部分も実際にあります。

製作機械の自動化とかもそうですけど、「この作業は人じゃなくても良い、むしろ人じゃない方が精度が出る」ってパターンも物凄くあるわけで。

Twitterやインターネッツ上の安ギターがどこを指しているのかは分からない時が結構ありますが、20年か30年前の安ギター(本当に安いし質もかなり???な感じ)はとにかく人件費が安いところに工場作って人が人力で頑張ってパターンが多かったので、割とシャレにならん作りのものがありましたが、
最近のインドネシア製にしても中国製にしても、値段の割に(ボクくらいの世代の思うイメージより)かなりしっかりしているなと思います。

今って昔みたいにフレット音痴って感じのギターほぼないと思うし、ギターとしての要件はちゃんと満たしてますよね。ブリッジ取り付け位置が若干ズレてるみたいなのはあるけど笑
パーツも安価なギターに乗ってるものも比較的しっかりしてきた感じですね。
その代わり、元々高級だったパーツは更に高級になっているのでバランス難しいですけど。

そんなこんなで、こういう話題の時に「プロ/有名アーティストだって安いギター使ってる人がいる」って意見もよく見るんですが、それはその通りで、上に書いたように安いギターって工業製品として量産できるから安いのであって、それらも当然ちゃんとしたエレキギターではあるので、そういうことはあります。
その音が必要/その音に合ってる音楽や演奏ってあるので、そのチョイスの結果が
「比較的リーズナブルなギターだった」ってのは至極普通のことだと思います。
もちろん何らかの調整やカスタマイズがされていることだってあるでしょうし。

じゃあ、安いギターでも良いんじゃん!

って思うかもしれません。繰り返しになりますが、それでOKです。
楽器の性能って本人が弾いて楽しくて、好きな音出ればそれで良いんで。

なら、高いギターの意義って何?

って話ですが、物を作るときに生産規模や市場をどう考えるかで当然コストも何もかも変わるので、高いギターはそういう選択をしてコストが掛かってる訳だし、小規模のメーカーが大規模で日に数百本もギター作るところとボリューム勝負をしても死んじゃうんで、品質もそうですが、何らかの付加価値をつける工程や造作をしているので高いんです。

あ、ここでは現行のものに関して言っていますからね。ヴィンテージとかそういうのは別の付加価値や市場の話なので省いてください。

まぁ、価格って言っても「これで5万はたけぇなぁ」ってものもあるし、「これで30万は安くない??」ってのもあるので、あんまり絶対的なものではないというか、どういう価値を感じるかって部分だから、ここまで書いといてなんだけどそりゃ意見割れるよねっていう。

そんなこんなでいわゆる安ギターと高いギター、それぞれ沢山買って弾いてきて
思う傾向について書こうと思いますが、そういえば昨日こういうギター買ったんです。


donnerってメーカーの多分新品25000円くらいのギターかな。
見た目カッコいいですよね。某有名海外ハイエンドギターみたいな笑

音はこんな感じ。多分聞いた感じだけでは違いは特に分からないとは思いますが、結局弾く方としては自分の思ってるところにできる限り音を寄せるのであまり客観的な違いを提示できないのがこの手の「安いギターVS高いギター」にありがちな落とし穴かなと思います。

上のDonnerもそうですけど、安いギターと高いギターの違い、それをはっきり感じる部分はどういうところかというと、

•安いギターはネック含めてちょっと柔らかい感じがする傾向が多い
(音の良し悪しの話ではないですがが、低音が出にくい/もしくは膨らむ傾向)
•生鳴りは大きいもの結構あるけどサスティンは弱め
•見た目は何かしらの「ジャンル」を体現/適合しているけど案外パーツが適当
(まぁ仕方ないですね)
•ピックアップはパワーあるもの多いけど割と上がパツパツ、下はボーボーしやすい

っていう部分は割とそういう傾向あるなと思います。
総じて耐久性と繋がってるところだとも感じますが。

セッティングに関しても、高い(と言われる)ギターとは調整幅が結構違うのを感じます。
高い方のギターは「弾きやすい」と思える範囲がセッティングをしてても広いと感じます。ネックリリーフとか弦高とか。なので出音の好みに合わせてセッティングしても全体が破綻しない、弾きやすい状態に持って行きやすいと感じます。

安いギターの方は「弾きやすい」と思えるセッティングの幅が狭いと感じます。
弦高と出音のバランスするところが結構難しい。
どこかのポジションを思い切って捨てる(ほぼ弾かない)とある程度割り切ってやる感じっていうか。

工程上仕方ないのかなと思いますが、フレット上で最後に帳尻を合わせているのでポジションによってフレットの削り幅が結構差があって、その影響もあってポジションで若干鳴り方のムラみたいなものを感じるパターンもあります。

そういうのを割り切って/理解していればかなり楽しめるかなと。

あとは値段なりのちょっとした仕上げの粗さとか、ナットの溝が高い、とかそういう点ですね。
そういう細かい所にガッツリ手を入れていくと結局そこそこの値段のギターの金額と変わらなくなるとか手間という時間が掛かる訳ですが、「コスト」ってそういうもんですね。

結論として、値段でギターは実際かなり変わるんだけど、安いエレキギターってのもちゃんとしたエレキギターではあるよ。色々弾いてみれば自分に合ったものが見つかるし、あとはお財布や自分の消費の価値観の話なので好きなものをチョイスすれば良い、という所でしょうか。

割と「そのまんま」のお話でした。何の参考にもならないかもしれない。

東京メタルシティより愛を込めて








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