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Trend Clarity(トレンドの明確さ) 振り返り 2024/7

市場のトレンドをTrend Clarityの観点から振り返ります。


Trend clarityとは

Trend Clarityは線形のため傾き情報がありません。
(仮に安定した下落トレンドでも数値は高くなります)
そのため実際の分析にはTrend momentumを利用します。
Trend momentumとはTrend Clarity(トレンドの明確さ)を計算し、傾きの正負の情報を加えたものです。

Trend momentum 数値

個別銘柄分析

1. XLY (Consumer Discretionary Select Sector SPDR Fund)

  • 分析: XLYは、6月末から7月中旬にかけて非常に強い上昇トレンドを示しました。しかし、7月20日以降、急激に下降トレンドに転じ、8月3日にはさらに大きくネガティブな Trend Momentum となっています。これは、消費関連株が夏の間に大きな変動を経験したことを示唆しています。

2. JEPQ (JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF)

  • 分析: JEPQもXLYに類似した動きをしており、6月末から7月中旬にかけて強い上昇トレンドを示しましたが、7月後半にかけて急激にトレンドが逆転し、8月にはかなりのネガティブトレンドに転じています。

3. SPY (SPDR S&P 500 ETF Trust)

  • 分析: SPYはS&P 500全体を追跡するETFです。6月末から7月中旬にかけての上昇トレンドは顕著ですが、7月後半から8月にかけて下降トレンドに転じています。市場全体のボラティリティが高まっていることが示唆されます。

4. QQQ (Invesco QQQ Trust)

  • 分析: QQQは、6月末から7月中旬まで堅調な上昇を見せましたが、その後急激に下落トレンドに転じています。特に、8月に入ってからの下降は著しく、ハイテク株に対する投資家のセンチメントが急変したことを示唆しています。

5. TQQQ (ProShares UltraPro QQQ)

  • 分析: TQQQはレバレッジをかけたハイテクETFであり、QQQと同様に、初期には強い上昇を示しましたが、急速に下降トレンドに転じています。レバレッジがかかっているため、トレンドの変動がより大きくなっているのが特徴です。

6. SHY (iShares 1-3 Year Treasury Bond ETF)

  • 分析: SHYは一貫してポジティブな Trend Momentum を維持しており、特に7月下旬から8月にかけても安定した上昇トレンドを示しています。債券市場への安全資産の逃避が見られる可能性があります。

7. XLK (Technology Select Sector SPDR Fund)

  • 分析: XLKは6月末から7月中旬にかけて上昇トレンドを示しましたが、その後、他のハイテク関連と同様に急激に下降トレンドに転じています。ハイテクセクター全体が厳しい状況にあることが示唆されます。

8. TECL (Direxion Daily Technology Bull 3X Shares)

  • 分析: TECLはXLKと同様の動きをしていますが、レバレッジがかかっているため、トレンドの変動幅がさらに大きくなっています。7月中旬以降の下降トレンドは非常に急です。

9. XLC (Communication Services Select Sector SPDR Fund)

  • 分析: XLCは、7月初旬に上昇トレンドを示した後、他のセクターと同様に7月後半から下降トレンドに転じています。ただし、他のハイテク関連ほど急激ではなく、比較的穏やかな下降となっています。

10. XLRE (Real Estate Select Sector SPDR Fund)

  • 分析: XLREは、7月中旬以降もポジティブなトレンドを維持しています。他のセクターが下降する中で、不動産セクターが相対的に強いパフォーマンスを示していることが伺えます。

11. XLV (Health Care Select Sector SPDR Fund)

  • 分析: XLVは7月20日以降、ポジティブな Trend Momentum を維持しています。ヘルスケアセクターも他のセクターが下落する中で、比較的安定していることが見て取れます。

12. JEPI (JPMorgan Equity Premium Income ETF)

  • 分析: JEPIは7月中旬に一時的にトレンドが低迷しましたが、その後再びポジティブなトレンドを取り戻しています。比較的安定した運用を行っていることが示唆されます。

13. IEF (iShares 7-10 Year Treasury Bond ETF)

  • 分析: IEFは、7月20日以降安定したポジティブなトレンドを維持しています。特に、他の多くのセクターが下降する中で、債券関連のティッカーが安定していることが確認できます。

14. SOXX (iShares PHLX Semiconductor ETF)

  • 分析: SOXXは、6月末から7月中旬にかけて一時的にポジティブなトレンドを示しましたが、その後急激にネガティブなトレンドに転じています。半導体セクター全体が大きな変動にさらされていることが示唆されます。

15. TLT (iShares 20+ Year Treasury Bond ETF)

  • 分析: TLTは、ポジティブなトレンドが安定していませんが、7月20日以降、徐々にポジティブなトレンドを取り戻しています。長期債券に対する需要が増加している可能性があります。

16. SOXL (Direxion Daily Semiconductor Bull 3X Shares)

  • 分析: SOXLは、レバレッジがかかっているため、SOXXと同様に急激なトレンドの変動を示しています。7月後半以降、非常に強いネガティブトレンドに転じています。

17. XLE (Energy Select Sector SPDR Fund)

  • 分析: XLEは、7月中旬以降も比較的安定しており、エネルギーセクターが他のセクターに比べて安定したパフォーマンスを維持していることが示唆されています。

18. LQD (iShares iBoxx $ Investment Grade Corporate Bond ETF)

  • 分析: LQDは、7月下旬にかけて安定したポジティブなトレンドを示しています。投資適格社債への需要が増加している可能性があります。

19. XLI (Industrial Select Sector SPDR Fund)

  • 分析: XLIは、7月20日以降、ポジティブなトレンドを維持しています。インフラや工業セクターが他のセクターと比べて強いパフォーマンスを示している可能性があります。

20. XLF (Financial Select Sector SPDR Fund)

  • 分析: XLFは、7月20日以降もポジティブなトレンドを示しています。金融セクターは市場全体が不安定な中でも、比較的強いパフォーマンスを維持しています。

21. XLP (Consumer Staples Select Sector SPDR Fund)

  • 分析: XLPは、7月27日以降、ポジティブなトレンドを示しています。生活必需品セクターが他のセクターに比べて安定していることが確認できます。

22. GLD (SPDR Gold Trust)

  • 分析: GLDは、7月中旬に非常に強いポジティブトレンドを示しましたが、その後、7月27日以降はややトレンドが弱まっています。金がリスクオフの資産として一時的に買われたが、その後の需要は減少している可能性があります。

23. BIZD (VanEck Vectors BDC Income ETF)

  • 分析: BIZDは、7月中旬に非常に強いポジティブトレンドを示しましたが、その後、急激にネガティブなトレンドに転じています。BDC(ビジネス開発会社)に対する投資家の関心が急激に変化していることが伺えます。

24. XME (SPDR S&P Metals & Mining ETF)

  • 分析: XMEは、7月初旬に強いポジティブトレンドを示しましたが、その後トレンドが弱まり、8月に入って再びネガティブなトレンドに転じています。資源・鉱業セクターが不安定な状況にあることが示唆されます。

25. XLB (Materials Select Sector SPDR Fund)

  • 分析: XLBは、6月末から7月中旬にかけてネガティブなトレンドを示していましたが、7月20日以降、ポジティブトレンドに転じています。資材セクターが他のセクターと比べて強いパフォーマンスを示し始めている可能性があります。

26. XLU (Utilities Select Sector SPDR Fund)

  • 分析: XLUは、6月末から7月初旬にかけてネガティブなトレンドを示していましたが、7月後半にかけてポジティブなトレンドに転じています。公益事業セクターが安定していることが示唆されています。

総合分析

  • 市場全体の動向: 7月中旬から7月下旬にかけて、市場全体が上昇トレンドから下降トレンドに転じており、多くのティッカーが急激な変動を経験しています。特にハイテク株やハイリスクのセクターにおいて変動が顕著でした。

  • 安定セクター: 債券関連や生活必需品、不動産セクターは、他のセクターが下落する中でも比較的安定したパフォーマンスを維持しています。

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