フォトグラファー猪俣慎吾が語る“キャンプ“の魅力 Feelings by TOKYO CRAFTS
キャンプが好きになったのはどうしてだろう。
どうして愛着のあるアウトドア道具を眺めて嬉しくなるんだろう。
「Feelings」はTOKYO CRAFTSが届けたいイメージ、「言語化できない満足感」をテーマに、キャンプの「面白さ」、アウトドア道具を眺める「心地よさ」など、キャンパーのさまざまな”気持ち”にフォーカスしたドキュメンタリー企画です。
第一回はキャンプ業界でフォトグラファーとして活躍される猪俣慎吾さん。キャンプを始めたきっかけや、現在の息子さんと楽しむキャンプスタイルについて話を聞いてきました。
25~26歳くらいのときにカメラマンのアシスタントをやっていたんですけど、師匠がキャンプをやっていて。
じつは当時キャンプをやっているのはまだ珍しかったんです。 都会育ちだったのもあって興味があり、「ぜひ連れてってください」と。そう言って連れてってもらったのが、キャンプを始めた最初のきっかけでした。
初めて行ったのが長野県の戸隠にあるキャンプ場だったんですが、自然豊かで癒されて、すごく良かったんです。
たぶん、疲れていたんでしょうね。 そこから一気にキャンプにハマりました。
生まれも育ちも東京だったから、東京に何でもあると思っていたんですよ。 なので、それ以外の贅沢というか、「自然に触れるのが贅沢なんだ」というのを、このとき初めて知りました。
「自然の中に身を置いてみたい」
それが僕にとってはキャンプだったんです。 キャンプを始めた当時は、いろいろなブランドがあったわけではなくて。主要のキャンプメーカーなんて10個くらいしかありませんでした。
だいたいカタログを10~13冊も集めたら網羅できるくらいの製品数でしたね。笑 もともとはグランピングっぽい重量級のキャンプをよくやっていました。仲間を5~6人集めて、ご飯を食べるという感じで。 森の中で料理をして、皆で食べるというスタイルが多かったです。
スタイルが変わったのが、結婚して子供が生まれてから。息子とキャンプに行ってからですね。
2人きりなので、育児をしながら、キャンプをして、写真を撮って、みたいな感じでやることがたくさん。 そういったこともあって、なるべく軽量、コンパクトな道具の方がいいかもと思い始めました。
子供と一緒にキャンプに行くようになってから軽量級にハマりだしていますね。
使っているキャンプ道具はキッチンツール系が多いです。鍋やフライパンも大量に持っているし。
家でできることは、ほとんどキャンプ場でもできるようにしています。そうしないと気が済まないというか。笑
テレビ番組のロケの裏方なんかをやったりするときに、キッチンツールがたくさんあると、料理家さんには喜ばれたり。料理系には特にこだわりを持っています。
ダッチオーブンで7個くらい。フライパンも10個くらいあるし、普通の鍋にしても、7~8個くらい持ってます。
もう業者かなと思うくらい持っていますね。笑 やっぱり、いいなと思ったら買ってしまいます。今日カレーを作った鍋はフランスのパリに行ったときに、蚤の市(のみのいち)で買ったものです。
コロナ禍前は海外に行ったら蚤の市に行って、その国のキッチンツールを見つけてました。鍋とかフライパンとか、まな板とか。買っていますね。
趣味が仕事になっているので、皆からよく羨ましいと言われますけど、他の方よりもキャンプに対して真剣に向き合っているところはあると思います。
プライベートのときは息子とキャンプに行きますが、全国いろんな所にあるキャンプ場を周ります。
いつもの仕事とは違って、半分くらいの力で気軽に。 そのとき自分のカメラでキャンプ写真を撮っているんですけど、もうかなりの数が撮り溜まっています。
雪中や紅葉だったり海キャンプとか、様々なシチュエーションがあるので、ストックフォトみたいに雑誌やテレビ局に求められることが多いですね。 なので、完全にプライベートでキャンプに行くことって、もうないんじゃないかなと思います。
皆にすごくいいパパだねとか、息子の将来が楽しみだね。とか言われますが、やっていることは簡単に言うと、息子との思い出作りなんですよね。 いいパパになろうとかはまったく思ってはいなくて。笑
僕は実の父親とあまり折り合いが良くなくて、折り合いが悪いまま父は亡くなってしまったということがあったんです。
そして息子が僕の誕生日に生まれてくれて、それが、運命なのかなと。父親のこともあって僕自身、親子コンプレックスだったんですよ。
実の父親とはあまりいい思い出がなかったから、それを取り戻す感じで一緒に息子とキャンプに行っています。できるだけ、息子とはいい思い出を作ろうと。
▼ドキュメンタリー動画はこちら
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?