『相棒』シーズン22-4「天使の前髪」/世文見聞録112
下手な予想も数撃ちゃ当たる──川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」であるドラマ『相棒』シリーズについて語ります。
○『相棒22』第4話(ネタバレ注意!)
川口世文:わりと直球のミステリー。“倒叙モノ”にしてもよかったぐらい、犯人に関してはストレートだった。
木暮林太郎:確かに“電卓”に隠された録音型盗聴器の音声を繰り返し聞き直すところなんか、ちょっと『刑事コロンボ』を思い出させたな。
川口:もうちょっと視聴者にじっくり聞かせて、ヒントをくれても良かった気がするけど。さすがに“リバーブ”が違っていたといわれてもわからない。
木暮:“犬のお巡りさん”と呼ばれた右京さん以外にはね(笑)。そこがコロンボと違うところだ。でも、話の流れから考えて、録音内容が何らかの“芝居”でありそうなことぐらいはわかっただろ?
川口:まあそうだな……“芝居”といえば、冒頭のオーディションシーンの演技をおまえがどんな風に見たか、専門家の意見を聞きたいね。
木暮:難しいこと聞くなあ……“オーディションを受けている女優の演技”を再現して、なおかつ審査員の一人に「独りよがり」だと指摘されても視聴者がそれを納得する程度の演技力じゃなきゃならない──そういう意味では合格なんじゃないか?
川口:あそこで圧倒的な名演技をされても困るわけだ。
木暮:とはいえ、残念ながら、あの「日米合作映画」のオーディションには落ちたんじゃないかな……。
川口:『劇団W』は劇団員が一人になって休止状態らしいけど、“全盛期”がどんな風だったのか知りたかった。
木暮:ちゃんと稽古場を借りて、ポスターを見るかぎり、結構な公演数をこなしてきたようにも見えるけど、右京さんがいった“呪縛”に囚われすぎていたのかもなぁ。
川口:それにしてもさ、死体はどうやって運んだんだ?
木暮:おれも不思議に思った。彼女が必死に死体を運ぶ姿まで描いていたら、もっと感情移入できた気がする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?