『相棒』シーズン22-6「名探偵と眠り姫」/世文見聞録115
下手な予想も数撃ちゃ当たる──川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」であるドラマ『相棒』シリーズについて語ります。
○『相棒22』第6話(ネタバレ注意!)
川口世文:「チャンドラー探偵社」の“マーロウ矢木”の初登場はシーズン5、その次がシーズン10──ずいぶん久しぶりの再々登場になった。
木暮林太郎:“特命係第3の男”とはちょっと違うけど、もっと何回も出てきてもおかしくないキャラだったな。
川口:今回は、前の二話とは脚本家が変わって、かなり苦労したあとが見受けられる。
木暮:レギュラーメンバーよりも参考にできる話数が少ない分、やりにくいんだろうな。
川口:「眠り姫事件」が起きたのが17年前だから、彼の“初登場”の事件との関連性まで期待してしまったし。
木暮:それを期待させるのが『相棒』の凄さだけど、さすがにそれは無理だろ──視聴者が話に追いつけない。
川口:だけど、“マーロウ”が右京たちとの最初の事件をバーで話したことが、回りまわって冒頭の“挑戦状”につながったわけだろ?
木暮:いやまあ、そういうことなんだけど、残念ながらあれは少々わかりにくかったかもしれない。それより聴覚、聴覚と来て、今回は“嗅覚”が決め手になったな。
川口:あの“姫”はこれまでずっと引きこもっていて、草餅を食べたことがなかったんだろうか? “マーロウ”の事務所の隠し部屋にいるときもずっと婚約披露宴のドレスのままで平気だし、かなり変わったキャラだった。
木暮:確かに周囲が“醜い争い”をしているなかで、彼女だけが妙に何事にも動じずに堂々としていたな。
川口:チャンドラーの原作からの引用文が、清水俊二訳から村上春樹訳に変わったのも時代の流れなのかなぁ。
木暮:微妙にテイストが違うんだよね。テイスト違いといえば薫ちゃんの“サラリーマンスタイル”は驚いた。右京さんと“捜一トリオ”と並んだら、画面にまったく色味が無くなっちゃってさ、あれにはビックリしたよ。
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