見出し画像

『相棒』シーズン22-6「名探偵と眠り姫」/世文見聞録115

下手な予想も数撃ちゃ当たる──川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」であるドラマ『相棒』シリーズについて語ります。

ほとんどメン・イン・ブラック

○『相棒22』第6話(ネタバレ注意!)

実は本当に名探偵

<あらすじ>
『特命係の杉下右京(水谷豊)』を名指しで、匿名の情報提供がある。それは、「17年前に起きた当時5歳の少女の誘拐事件の犯人は殺された」という投書だった。問題の事件は、老舗デパート蔵本屋の令嬢・里紗(潤花)が睡眠薬で眠らされて連れ去られた経緯から、週刊誌が“眠り姫誘拐事件”と煽り、世間の耳目を集めた事件だった。結局、被害者の少女はすぐに救出され、犯人は投身自殺を遂げるという幕切れだったが、今回の情報提供は、その顛末に一石を投じるものだった。挑戦状とも取れる投稿を受け、捜査に乗り出した右京は、薫(寺脇康文)と共に蔵本屋の関係者のもとを訪れる。と、一族は丁度、里紗の婚約発表を大々的に行うために顔を揃えていた。しかし、会場のホテルでは、肝心の里紗が、何者かの手引きで会場を抜け出し、姿を消すという騒動が起きていた。防犯カメラの映像から、里紗の脱出を手助けしたのが、特命係と浅からぬ因縁がある私立探偵の矢木(高橋克実)だと気づいた右京と薫は、早速、彼の事務所を訪れるが…!?

公式サイトより

川口世文:「チャンドラー探偵社」の“マーロウ矢木”の初登場はシーズン5、その次がシーズン10──ずいぶん久しぶりの再々登場になった。

木暮林太郎:“特命係第3の男”とはちょっと違うけど、もっと何回も出てきてもおかしくないキャラだったな。

川口:今回は、前の二話とは脚本家が変わって、かなり苦労したあとが見受けられる。

木暮:レギュラーメンバーよりも参考にできる話数が少ない分、やりにくいんだろうな。

川口:「眠り姫事件」が起きたのが17年前だから、彼の“初登場”の事件との関連性まで期待してしまったし。

木暮:それを期待させるのが『相棒』の凄さだけど、さすがにそれは無理だろ──視聴者が話に追いつけない。

川口:だけど、“マーロウ”が右京たちとの最初の事件をバーで話したことが、回りまわって冒頭の“挑戦状”につながったわけだろ?

木暮:いやまあ、そういうことなんだけど、残念ながらあれは少々わかりにくかったかもしれない。それより聴覚、聴覚と来て、今回は“嗅覚”が決め手になったな。

川口:あの“姫”はこれまでずっと引きこもっていて、草餅を食べたことがなかったんだろうか? “マーロウ”の事務所の隠し部屋にいるときもずっと婚約披露宴のドレスのままで平気だし、かなり変わったキャラだった。

木暮:確かに周囲が“醜い争い”をしているなかで、彼女だけが妙に何事にも動じずに堂々としていたな。

川口:チャンドラーの原作からの引用文が、清水俊二訳から村上春樹訳に変わったのも時代の流れなのかなぁ。

木暮:微妙にテイストが違うんだよね。テイスト違いといえば薫ちゃんの“サラリーマンスタイル”は驚いた。右京さんと“捜一トリオ”と並んだら、画面にまったく色味が無くなっちゃってさ、あれにはビックリしたよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?