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『スター・トレック:ピカード』シーズン1-10「理想郷(後編)」/世文見聞録103

「世文見聞録」シーズン2。シーズン3の興奮冷めやらぬ川口世文と木暮林太郎が彼らの大好物の「ビッグストーリー」であるドラマ『スター・トレック:ピカード』をシーズン1から観直していきます。


○『スター・トレック:ピカード』シーズン1最終話(ネタバレ注意!)

いよいよすごいことになってきた

川口世文:ロミュラン人のナレクが加わって「信号塔」を破壊しようとする動き、久しぶりに宇宙船を操縦してロミュラン艦隊に挑むピカード、それにセブン対ナリッサの対決まで縒り合わさって、話はかなり忙しくなる。

木暮林太郎:いきなり出てきたけど“想像力”で物を直したり作ったりできる、あの謎の装置はリアリティラインを根底からひっくり返す“発明”じゃなかったのか?

川口:おかげで「ピカード戦法」を実現させて時間稼ぎすることができたな。リアリティラインをひっくり返すといえば、ピカードが“シンス”として甦ったことだってそうだ。シーズン1時点で94歳だったんだな、彼は。

木暮:オウ准将率いるロミュラン艦隊と、一時的に復帰して〈USSジェインウェイ〉に乗ってきたライカーの連邦艦隊との三つ巴の膠着こうちゃく状態のなか、彼は自分の「生命」を賭してソージを説得する──ここで終わっても決して悪くはなかったと思う。

川口:でも、3シーズンやると明言しちゃっていたからな。結局ピカードをオーバーホールする結果になった。

木暮:人類を含めた有機体と人工生命との“懸け橋”にもなっちゃったわけだ──これじゃあ、もう殺せない。

川口:意外だったのはむしろその“死”が描かれたのはデータのほうだったことだ。この時点では本当にこれがデータの“最期”になる予定だったのかもしれないな。

木暮:正確には“二度死ぬ”だけど。

川口:「信号塔」が“ポータル”を開いて、そこから顔を覗かせたデカい“ハサミ虫”みたいなスーパーシンス──あれを“第二のボーグ”として再登場させたかったんじゃないかな? もう一度どこかでお目にかかりたい。

木暮:ちょっと『アベンジャーズ』っぽかったぞ。

川口:まあ、何はともあれ7人の乗組員が揃ったシレーナ号で無事に“発進”──シーズン2に乞うご期待!

ライカ―颯爽登場

〇シーズン1の総括

川口世文:極論をいえば『新スター・トレック』の後日談としては及第点──というか豪華すぎたくらい。映画版の第10作『ネメシス』を観たときのモヤモヤ感を17年ぶりに払拭ふっしょくしてくれた。

木暮林太郎:最初にシーズン1から観ていればそういう感想にもなっただろうな。でも、シーズン3を先に観た人間にいわせれば、やっぱり3からでよかった。同じ3シーズンなら、あの先がもっと観たかった。

川口:少々形を変えて、データも再登場しちゃうしね。だけど、17年ぶりのシリーズ再開となれば、いろいろアップデートしたいだろうし、視聴者の反応も気になる。パトリック・スチュアートからも同じことの繰り返しはイヤだといわれれば、最初はこんなものだろ?

木暮:確かに──いきなりシーズン3には行けなかったことはわかる。まずまず頑張ったことも認めはするよ。

川口:その前にシーズン2があるしね。これまた試行錯誤のあとがいろいろあって面白い。

木暮:だけど、所詮はシレーナ号の話だろ? 『新スター・トレック』の正統な流れというより、完全に新しい物語だ。そういう目で観ても面白いのか? ぶっちゃけピカードがいなくても彼らの話って面白いのか? そこがいちばん不安だ。

川口:それもそうだけど、ピカード自身の話がすべて語り尽されたのか、という視点で考えるのも面白いよ。

木暮:1シーズン使うほどまだ残っていたのか?

川口:それはシーズン2のお楽しみ。

木暮:いっそのこと、シンスになるとき思いっきり若い姿にしてもらったら面白かったのに。インディ・ジョーンズみたいに“昔の姿”で登場してくれたら期待大だ。

川口:まあ、そういわず……シーズン2も楽しもうよ。

木暮:やっぱり観なきゃダメかぁ……(笑)

「宇宙の7人」──とりあえずシーズン2へ


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