『相棒』シーズン22-9「男の花道」/世文見聞録118
下手な予想も数撃ちゃ当たる──川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」であるドラマ『相棒』シリーズについて語ります。
○『相棒22』第9話(ネタバレ注意!)
川口世文:シーズン19の第10話「超・新生」で“内村刑事部長”が臨死体験によって人格が変わって、突然正義に目覚めるんだけど、これは「相棒の七不思議」といっていいほど意図がよくわからなかった。
木暮林太郎:刑事部長にまで登りつめた男が今更正義に目覚めるという“渾身のギャグ”だったんじゃないか?
川口:察するに、演じている片桐竜次を引き留めるためだったんじゃないかな? あまりに変化のない役に飽きちゃって、とうとう辞めたいっていい出したんだろう。
木暮:まあ、素人の予想として勘弁してください。それが本当だとして、どうして今ごろまた元に戻したわけ?
川口:そりゃもう『相棒』シリーズの“終活”のためとしかいいようがない。『扶桑武蔵桜』を“解散”させた一方で、“かつての刑事部長”に戻してやりたい親心。
木暮:そのくせ角田課長の上司の新しい部長とか、やる気のない検事とか、新しい顔も出てきているけどなぁ。
川口:警視庁内の“非合法組織”と認定された特命係に対する“包囲網”が徐々に敷かれつつあるんだよ。
木暮:素人がヤクザの若頭を絞め殺した正当防衛事件にももうちょっと裏があるのかと思ったら、結局どうやってバックを取ったのか?──その一点だけの謎だった。
川口:手打ちと称して葬式に呼び寄せ、死体に銃を隠して報復する手口もひねりがなかったし、刑事部長が唐突に階段から転がり落ちた展開もよくわからなかった。
木暮:あれはきっと参事官の陰謀だ(笑)。彼の野望も最終段階に入っている──それも“終活”の一つだよ。
川口:若頭の遺体を簡単に引き取れなかったり、特命係の二人をボディガードにするアイディアなんかは悪くなかったけど、暴対法批判は中途半端だし、結局「昔の刑事ドラマはもっとやりたい放題で活気があった」というメッセージしか感じとれなかった気がするよなぁ。
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