定点観測
ぶらりとどこかに出かけていって、さまざまな風景を眺め歩くのは楽しいものです。
そんな自由が日常から失われてしまった今日この頃ですが、「東京の空」ライブカメラはずっとどこにも出かけずにひたすら同じ風景を映しています。
そこに映されるものといえば、
少しずつ位置を変えながら毎日巡ってくる太陽と月。
ゆっくり、ときに激しく様子を変える雲。
それらが作る光に照らされて表情を変えてゆくビルの連なり。
風向きを教えてくれるように航路を変えて現れる飛行機やもっと気ままに画面を横切る鳥たち。
決まった時間に灯るネオンサイン。深夜に赤く点滅する航空障害灯。
定点観測で見えてくる時間の中には様々なものが散りばめられていて、様々な粒度で流れを作っていることがわかります。そして、東京タワーはいつもいつもそこに立っていて、今ここにいることの目印になってくれているようです。
それともう一つ、この風景に寄り添うように設けられたYouTubeのライブチャットにも定点観測ならではの人の流れがあります。
毎日欠かさず朝の挨拶に訪れる人。
お天気の展望を教えてくれる人。
ご近所の人、時差のある遠い国の人。
何かの報告、何かの注意、何かのアイデアを持ち寄ってくれる人。
そして、この時間と視点を共有してくれる人。
いまは自由が少し制限された状況ですが、じっと一点を見つめる時間というのも悪くはないと思います。
この映像について
● ある日の午後から夜までの様子です。● 8分を過ぎたあたりで東京タワーのライトアップがLED照明に切り替わります。● 「東京の空」では昼も夜も空の明るさを基準にカメラの露出を決めて撮影しています。●昼間の街が暗かったり、夜空が妙に明るかったりするのはそのためです。● カメラは素晴らしい機械ですが、旅先での大切な思い出を写真に収めたら、肉眼で見ておくこともお忘れなく!
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