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年末年始に買いたいガチホ銘柄5選 No.2

年明けの株価

年末年始は日本の機関投資家が休みとなる一方で、場が開いている日に休暇となっている個人投資家の資金が流れ込んできます。また、海外投資家は日本市場の薄い商いに乗じて、流動性の低い銘柄などで場を荒らすような仕掛けをぶち込んでくることもあるようです。


新型コロナが世界的に第3波といわれているものの、ワクチンの普及というプラスのイメージが先行して、21年も株高は続くものと思います。いずれにしても比較的コロナの被害が限定的な日本市場には、コロナ対策の金融緩和であふれた海外の豊富な資金がしばらく流れてくると読んでいます。
一応その前提で、ポテンシャルが高く長期的に上昇が見込めそうな銘柄5選をご紹介している続きです。

4.ストライク

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〔特徴〕
中小中堅企業をターゲットとしたM&A仲介業。中堅をターゲットとはいえ、売上高数百億円規模の地方企業であれば1件数千万から数億円の手数料も見込めるでしょう。大手証券会社やメガバンクの目が届かない地方企業、地銀には荷が重い案件をうまくカバーしているように見えます。

〔四季報コメント〕

【特色】中小企業の事業承継案件主体のM&A仲介会社。譲渡先、買収先双方からの仲介報酬が収益源
【投資負担】13カ月変則決算。建設業など成約件数拡大続く。大型案件受注も堅調。下期の本社移転費、採用増や広告費投入など投資負担あるが、営業益高水準。株売却特益剥落。配当性向25%メドに引き上げ増配。
【案件開拓】病院、IT、運送など注力業種ごとに営業チーム作り案件開拓に本腰、直近約4割の直接受託比率の上昇狙う。21年5月に本社移転し、人員や来客増に対応。

〔財務内容〕
案件獲得のための営業費と人的リソースが原価となる事業であることから、営業利益率は37%と非常に厚いビジネスモデルです。コンスタントにM&A案件を獲得的できるかがポイントとなりますが、中堅企業をターゲットとしたM&A仲介はまだまだライバルが少なく、後継者不足を背景とした企業の吸収合併はしばらく続くことが予想されることから伸びしろのある市場と考えます。

〔目標株価〕
四半期の決算によって株価の反応が大きい銘柄ですが、買い時を誤らなければ鞘取りは堅いと思います。4500~5000円で買えればラッキー、四半期決算次第で7000~8000円をうろうろすると予想しています。時価総額は2000億円程度なので、将来的には5000億円規模の企業(現在の株価からすると15000円)になるのは間違いない銘柄です。問題はそれが2年後か5年後か10年後かというだけで、我慢して持ち続けられる方はガチホでOKです。


5.ラクス

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〔特徴〕
最近CMでもお馴染みの「楽楽精算」を展開。経理のテレワーク化、企業の生産性向上の機運を追い風に契約数を伸ばしている様子。SaaSを商材としたストックビジネスのため、契約数が伸びれば利益へのインパクトが大きいビジネスモデル。

〔四季報コメント〕
【特色】クラウドとIT人材派遣の2本柱。『メールディーラー』と『楽楽精算』が利益成長を牽引
【上振れ】IT人材派遣低調でも『楽楽精算』堅調。『楽楽明細』やメール配信も想定超。広告宣伝費急減で営業益急反発。株売却特益。22年3月期はクラウド続伸。IT人材復調だが人件費増。広告宣伝費も再投下。
【楽楽明細】倍増ペースの『楽楽明細』を軸に新年度は営業人員を増やすなど積極投資、次の柱を育成へ。直販に加え代理店活用も積極化。拡大の中で人材育成も再強化。

〔財務内容〕
20年度は営業利益率10%程度なのに対し、21年度予想では営業利益率24%との会社予想。営業費や広告費に対して契約伸び数がそれをカバーしていくステージと読めます。今は創成期なので驚異的な売上と利益の伸びを記録していますが、それをどこまで維持できるかが今後の課題になると思います。
ラクスのIRで評価できるのは、毎月の契約数をHPで公表している点です。それだけ自らにプレッシャーを課している証拠だと思います。

〔目標株価〕
21年度内に8000円が目標かなと思いますが、すでに時価総額は4200億円に達しており現在の1.5倍の6000~7000億円が妥当な水準かと思います。そうだとしてもこのようなBPOをメインにする企業でこれだけ急速に時価総額を伸ばしたということは、業界のリーダーとなる器に十分だと言えると思います。

番外編:フリー

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〔特徴〕
小規模事業者向けクラウド会計ソフトの先駆け。経理や会計知識のない人でも直感的かつ自動的に仕訳をしてくれて決算書へつなげてくれる利便性が支持されている。
上場前から画期的なサービスとして注目していましたが、赤字企業には投資しない私なりのポリシーで購入には至っていないものの、すでに上場から時価総額を3.5倍近く増やしている状況をみると無視できない存在として、番外編で取り上げました。

〔四季報コメント〕
【特色】クラウド型会計・人事労務ソフトを開発。主要顧客は個人事業主や中小企業。自動化機能に特徴
【連結事業】プラットフォーム100 <20・6>
【赤字縮小】会計・人事ソフトは客数・単価増ともに好調。新商品複数投入も寄与。既存サービスの機能拡充に伴う開発費や人件費、広告宣伝の積極展開あるが、柱の個人・中小向けの貢献大で営業赤字縮小。
【拡大施策】20年6月開始資金調達サービスは金融機関との連携強化、中小事業者向けに深耕。主力の会計・人事ソフトはオンラインイベント通じ中堅企業開拓に注力。

〔財務内容〕
21年度まで毎年20億円ずつの赤字を出しながら、22年度で営業利益トントン、それ以降で黒字化という見通しです。VCからの旺盛な投資資金で現預金は150億円もあり、当分は赤字垂れ流しでも問題なさそうです。未だパッケージの会計ソフトを使い続けている老舗の中小、個人事業主を取り込めるかが課題でしょうか。商品力は素晴らしいと思いますので、それをどのように営業展開していくかに注目です。

〔目標株価〕
黒字化が実現した暁には15000円も高すぎない水準だと思います。問題は予定通り22年度で黒字化を実現できるかであって、期待を込めてしばらく上昇基調が続くと思われますが、もし計画が狂うようであれば暴落もあり得るでしょう。高い期待値を反映した株価は、実体を伴わないという点で決算の結果をダイレクトに受けやすいというのが難点です。


以上、5銘柄+1銘柄をご紹介しました。どれも3~5年スパンでの成長が著しいと私が判断した銘柄です。最近はマザーズ市場にも海外の機関投資家が資金を入れてきており、外部環境に影響されやすいことにはご留意されながらも、ご自身の投資判断を踏まえて参考にしていただければと思います。

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