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専門家ボードのメンバーはどんな人?⑱(人材育成チーム 加來 浩器先生)

こんにちは。東京iCDCの事務局です。
東京iCDCの専門家ボードに参画いただいている先生方を順番に紹介していきます。
18回目は、人材育成チームの加來 浩器(かく こうき)先生です。

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―Q 最初に自己紹介をお願いします。

私は、埼玉県所沢市にある防衛医学研究センターで、感染症疫学と感染制御に関する研究を行っています。具体的には、感染症のアウトブレイクが起こると、なぜ、どのように広がっていったのかを現地で調査します。またそこから得られたエビデンスを感染対策につなげていく、そのための方策を考えるといった仕事をしています。さらに海外で発生した感染症の輸入の問題、大規模自然災害後の感染症の発生、食品の安心・安全などについても研究しています。これらの研究は、陸海空の自衛隊の隊員のさまざまな活動を支援するために行っているのですが、新型コロナウイルス感染症対策においては、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症クラスター対策班のメンバーとして、また時には自治体などからの直接の依頼を受けての活動を行っております。今回、東京iCDC専門家ボードに新しく設置された人材育成チームにおいては、これまでのノウハウを存分に生かして活動していきたいと思っております。

―Q 次に先生の経歴を教えてください。

1988年 防衛医科大学校卒業 陸上自衛隊に入隊し医官として勤務((熊本県、埼玉県、広島県)
1996年 陸上自衛隊衛生学校(三宿)で教官として勤務
1997年 米国とタイでの熱帯医学専門医官研修、自衛隊中央病院で旅行外来開設
1998年 陸上幕僚監部衛生部(六本木、市ヶ谷)で環境衛生、感染症対策の担当として勤務、ホンジュラス国際緊急援助隊に参加
2000年 国立感染症研究所実地疫学専門家養成コース(FETP-J)で研修
2002年 陸上自衛隊衛生学校で教官として勤務
2004年 インドネシア国際緊急医療航空援助隊(スマトラ島)に参加
2006年 東北大学大学院医学系研究科 感染制御・検査診断学分野 准教授として感染症クライシスマネジメント人材育成プログラムを担当
2008年 防衛医科大学校 国際感染症学講座 准教授
2011年 東日本大震災時に岩手県でのいわて感染制御支援チーム(ICAT)を支援
2012年 防衛医学研究センター 感染症疫学対策研究官 教授、青森県での感染症リスクマネジメント作戦講座を担当(2年間)
2016年 同センター 広域感染症疫学・制御研究部門 教授 現在に至る

―Q 最後に都民の方へのメッセージをお願いします。

感染症は、その病原体が目に見えずに、突如として発症し、しかもヒトからヒトにうつっていきます。うつしてしまったら申し訳ないという気持ちが出てくる一方で、うつされたらとても迷惑といった感情が沸き起こってきます。効果的な治療法がないと、重症化、時には死に至ることがあるために、過去にもそして現在でも偏見や差別が問題となる疾患です。この感染症と戦うためには、この偏見・差別を払拭することが必要で、そのためには感染症の成り立ちを正しく知ることがカギとなります。すなわち①感染源(病原体)の特徴をよく把握して、②感染経路をよく理解する。そして③宿主である私たち自身の免疫力を高めていくことです。まさに「敵を知りて、己を知る」という戦法です。どうぞよろしくお願いします。

―お忙しい中、ご協力いただきました加來先生ありがとうございました。

東京iCDCでは、今後も専門家ボードに参画いただいている先生方の紹介記事をnoteにて発信していきます。引き続き、東京iCDCの活動にご注目ください!

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