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第3回 今後のパンデミックについて ー都民1万人アンケート結果から

こんにちは。東京iCDCリスコミチームです。

全3回にわたり、都民1万人アンケート調査の結果をお届けしています。結果報告の第1回では陽性経験やコロナの流行を振り返って、困ったこと・よかったことなどについて、第2回では現在の感染対策や今後も定着してほしいことについて述べました。
第3回では、今後のパンデミックへの考え・備えについて見てみましょう。

私たちは新型コロナのパンデミックを経験したわけですが、「今後もこのような大流行が発生すると思うかどうか」を尋ねました。下の図はその結果です。5割が「わからない」と回答し、そして4割が「発生すると思う」と回答しました。「起こらない」は1割弱です。
そして、「発生する」と答えたかたの多くが、次なる流行に対して具体的に備えようとしています。下のグラフをご覧下さい。例えば、「普段から手洗い、換気などを行う」は約7割。「マスクや解熱剤等を備蓄しておく」は55%です。

さらに、新たなパンデミックが発生した際の対応についての考えを聞きました。その結果、「ひとりひとりが感染予防対策をとることは、決して無駄ではない」とする割合が75%など、都民のみなさんが、自分たちが感染対策を行うことの意義や有効性を感じていることが分かりました。
自粛や各種制限の受け入れについては、感染拡大を防ぐためなら、「海外渡航や入国の制限はしかたがない」、「外出自粛はしかたがない」との回答が7割前後となっているなど、移動の制限については受忍の割合が高くなっています。これに比べて、「経済活動をおさえるのはしかたがない」とする回答は約47%です。「子どもや若者の活動が制限されるのはしかたがない」や「家族や親族に会えなくてもしかたがない」とする回答は約55%です。感染拡大防止と、経済、教育、家族・親族とのふれあいなどの社会・生活上の活動とのバランスについては様々な考え方があります。
また、感染者や医療従事者への差別や偏見については、これを「しかたがない」とする割合は約2割にとどまっています。ほとんどのかたが、差別・偏見はあってはならないと考えていることが分かりました。

次の図は、パンデミック発生時に、個人情報の行政への提供を行うかどうかを尋ねたものです。「いかなる条件でも協力しない」は4.4%に止まり、多くの回答者が、一定の条件のもとで情報提供に協力する意向を示しています。その条件としてもっとも多いのが「匿名・個人情報を特定しない」です。また、「感染拡大の要因を把握するため」、「診療に役立てるため」など、活用目的が明確で感染対策に資するものであることも条件として多く選ばれています。

また、今後のパンデミックについての意見を自由記述で尋ねました。「怖い/不安」との声がある一方、「今のうちに備えておく/冷静に対処する」といった声や、「コロナ禍での経験を今後に活かしてほしい」といった意見などがありました。回答に協力いただいた全ての方の声を紹介することはできませんが、下の図にまとめましたので、ご覧ください。

ここまで3回をまとめると、今回の都民1万人アンケート調査の結果からは、

○ 新型コロナの流行が始まって以来、都民は健康面や生活面での様々な
影響を受けながら過ごしてきた。

○ 発生から4年が経過した時点において、新型コロナは身近なものとの
都民の意識は大きくは変わっていない。基本的感染対策も6割以上の方が実施している。


○ 将来のパンデミックに対して、都民の多くは、ひとりひとりの感染対策
の意義や有効性を認めている。具体的な備えを心がけており、パンデミック発生時にも冷静に対応する姿勢がある。


○ 都は、新型コロナに関して、年代を含めた属性に応じた情報発信に努めてきた。次の感染症の流行に向けても同様に、都民の属性等も踏まえながら、情報発信や感染症対策をきめ細かに行っていくことが必要。

ということが分かりました。

以上、全3回にわたり、都民1万人アンケートの結果をお示ししました。

ご協力くださった都民のみなさまに感謝いたします。

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