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第2回 今後も定着してほしいことは? ー都民1万人アンケート結果から

こんにちは。東京iCDCリスコミチームです。

全3回にわたり、都民1万人アンケートの結果をお届けしています。第1回では陽性経験やコロナの流行を振り返って困ったこと、よかったことについて述べました。第2回では、現在の感染対策や今後も定着してほしいことについて見てみましょう。

まず、新型コロナは収束したと思うかについて尋ねた結果が以下の図です。これについては、「収束していない」が約45%です。「収束した」は10%です。下のグラフは、「収束していない」とする理由ですが、「まだ通常の薬で治せないから」、「自分の周りで感染している人がいるから」を理由としてあげる人が多くなっています。

次の図は、新型コロナに対する考えを、さらに詳しく尋ねた結果です。こちらのグラフには、同じ質問に対する回答結果を、2021年から2024年の4つの時点、並べて示しています。経年変化を見てみると、都民の意識が著しく低下していくといった傾向は見られません。
むしろ、「自分はコロナに感染しないと思う」とする人は、年を追うにつれて減っている、つまり、「自分もコロナに感染するかも」と思う人が増えていることが分かります。また、感染した場合の重症化や死亡、後遺症についても、2021年から回答傾向に大きな変化はありません。
そして、「コロナはこわいと思う」、「感染が再び拡大する不安がある」との回答が約70%となっていて、都民の多くが、2024年2月の時点で新型コロナを身近なものとしてとらえていることが分かります。
では、感染対策についてはどのような考えを持っているかというと、「自分の行う感染対策は、周囲の人には影響されずに決める」とする人が65%と最も多くなっています。

マスク着用や手指衛生、換気、体調不良時には外出を控える、といった感染対策をどれくらい行っているかについて、2021年から2024年の経年変化を見てみると、実施割合は年々低下しています。それでも、2024年2月時点で6割から8割の方が実施しています。テレワークも同様に、「実践している」と回答された方の割合は、昨年2月の調査と同程度で、約3割が実践しています。

次のグラフは、今後も定着してほしい項目についてです。新型コロナの流行にかかわらず、「手洗いや手指消毒」は約8割、「体調不良のときの出勤や外出をひかえること」も約8割など、基本的感染対策の定着を望む割合が高くなっていることが分かります。それよりは回答割合は小さくなりますが、オンラインを用いた働き方の定着も希望されています。

今後も定着してほしいことには、年代による差があります。グラフの上3つは、基本的感染対策についての年代別の希望です。年代が高くなるほど、定着希望割合も大きくなっています。
そして、下3つは、時差通勤・通学やオンライン関連の項目です。これらについては、30代・40代で希望割合が高くなっています。

また、新型コロナの流行を経験した今、ほかの感染症に対する意識はどうかを尋ねました。その結果、とくにインフルエンザへの関心が約6割と高くなっています。インフルエンザ以外の感染症についても、25%~40%のひとが関心を示しています。

次の図は、感染症に関しての情報源を聞いた結果です。グラフにあるとおり、テレビや新聞といった既存のマスメディアが上位となっています。とくにテレビ(ニュース)は、7割近くのひとが情報源としています。行政や専門家のインターネットサイトやSNS、区市町村の広報誌なども10%から25%程度、選択されています。

感染症の情報源の利用には、年代による違いがあります。テレビや新聞は、年代が高くなるほど利用割合が高くなっています。一方、行政・専門機関・専門家のSNS、個人ユーザのSNS、そして学校や職場を情報源とするのは、20代、30代に多くなっています。情報発信の際には、こうした年代差を考慮に入れる必要があります。

結果報告の第3回では今後のパンデミックについて記載しています。ぜひご覧下さい。


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