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新型コロナのワクチン。接種する?知ってる?-都民アンケート結果から(2)

こんにちは。東京iCDCリスコミチームです。

3回にわたり、都民アンケート調査の結果をお届けしています。第1回では、都民の感染予防策の取組状況、対策をしていない場合の理由等について述べました。

2021年4月12日から高齢者向けのワクチン接種が始まりました。そこで今回は、都民の新型コロナのワクチンに対する意識と知識について、調査結果を見ていきたいと思います。

アンケートでは、まず、「あなたは、新型コロナワクチンの接種を受けようと思いますか」と質問しました。その結果が下の図です。

8_本_都民アンケート調査

左側のグラフは都民全体の回答で、右側は65歳以上の回答です。都民全体では、ワクチン接種を「必ず接種する」「おそらく接種する」は7割以上となっています。この接種意欲は、年代が上昇するほど高まっています。65歳以上の高齢者では、86.5 %が接種する意向を示しています。

では、接種する/しない、とする理由はそれぞれどういったものでしょうか。この点については下の図をご覧ください。65歳以上のひとの回答を取り出して示しています。

9_本_都民アンケート調査

左側のグラフは、接種する理由です。「ワクチンに効果があるから」といった自分自身への利益だけでなく、「社会全体の感染症対策につながるから」といった社会全体への公益も評価している回答者が多くなっています。 
いっぽう、接種しない理由としては、「副反応が心配だから」が最も多く、「重篤な健康被害が心配だから」との回答も見られます。副反応については、ていねいなコミュニケーションの継続が必要であるといえましょう。

次に、ワクチンについての知識や理解はどのようであるかをたずねました。
アンケート調査では、新型コロナのワクチンの効果、副反応、制度等に関して、正しい内容と、誤っている(あるいは現時点では情報が限られており不明である)内容とを複数提示し、「正しいと思うもの」をすべて選んでもらいました。結果は下の図のとおりとなりました。

10_本_都民アンケート調査

上のグラフは全世代の回答結果、下のグラフは高齢者の回答結果です。比較すると、高齢者では、全世代の平均よりも、理解している回答者の割合が高くなっています。ただし、ワクチンを「治療」だと考える誤答は、全世代の平均よりもわずかに多く見られます。
「接種した人が感染しない」「接種した人が他の人に感染させない」については、現在、承認されているワクチンの効果として公的に認められたものではありませんが、高齢者から期待の高さがうかがえます。
また、高齢者のなかで詳しく見てみると、高齢女性は高齢男性よりも、「ワクチンの効果(発症リスク低下以外)」、「副反応や健康被害と対応」、「任意の接種である」、の項目で理解度が高くなっていました。

ワクチン接種では、その効果、副反応を含め、ワクチンに関する知識を得ながら、本人が納得して判断をすることが大切です。
今後、高齢者へのワクチン接種が本格化し、さらには他の世代の人も接種をすることとなります。今のタイミングをとらえて、ワクチンの効果と副反応等について、対象者の属性に応じたきめ細やかな情報発信を行うことが必要でしょう。また、ワクチン接種後も引き続き基本的な感染予防策が重要である、と伝えることが不可欠です。

ここまで、今回の都民アンケート調査の結果からは、

○ 都民の7割以上、高齢者では8割以上の回答者が新型コロナワクチンを接種する意向であること
○ 高齢者について、接種する理由に個人と社会にとっての利益が、接種しない理由には副反応への心配が、それぞれ上位にあがっていること
○ 新型コロナワクチンについての知識について、高齢者は他世代よりは有しているが、さらに理解を高めるためのきめ細やかなコミュニケーションが求められること

が分かりました。

結果報告の第3回では、コロナ感染流行下での受診控えや受診困難の経験等を記載しています。ぜひご覧下さい。


※当初の「新型コロナと都民のくらし」のタイトルを、より内容を分かりやすく伝えるタイトルに変更しました。

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