感染の再拡大やワクチン3回目…この先のこと、どう思う?-都民アンケート結果から(3)
こんにちは。東京iCDCリスコミチームです。
3回にわたり、都民アンケート調査の結果をお届けしています。第1回では、都民の感染防止対策の取組状況について、第2回では都民の新型コロナのワクチンに対する接種意向、接種しない理由について述べました。
この第3回では、新型コロナの感染状況や今後の対策についての意識(再拡大への不安、ワクチン3回目接種への意向等)について見てみたいと思います。
このグラフは、新型コロナに対する現在の考え方をお聞きした結果を示しています。
「あてはまる」「ややあてはまる」をあわせると、71.4 %の回答者が再び感染が拡大する不安を感じていました。また、これをやや上回る人たちが通常医療の制限に対する心配(76.4 %)を抱いていました。
こうした思いを反映するかのように、マスクの着用継続(88.7 %)、大人数での飲食の回避(83.8 %)、換気の悪い環境の回避(83.7 %)など感染拡大防止のための取り組みを継続したいとする意見が多数を占めました。しかし、自宅での隔離や療養のために食料などを準備することへの賛同は、半数程度に留まっていました。心配な気持ちと実際の備えとのギャップがあるようです。
他方、回答者の26.7 %が「感染しないと思う」との考えを、31.8 %が「感染しても重症化しないと思う」との考えを持っていました。今年2月に実施した調査では、それぞれ27.1 %、26 %でしたので、「感染しない」と考える人の割合は変わっていませんが、重症化の心配を持つ人の割合は少し増えたのかもしれません。
ワクチン接種については、「できるだけ多くの人々が打つべきだ」という考えを持つ人は72 %でしたが、「機会があれば3回目のワクチン接種を受けるつもりだ」と回答したのは、64.3 %でした。自分のことについては「わからない」と思う人が少し増えています。
このうち、3回目のワクチン接種への意向について、年代別に見た結果が下の図です。
3回目の接種を受ける意向は、70代では8割を超えますが、20代では5割程度となっていました。高齢者層は早期に接種が開始されたため、獲得免疫の低減への心配が具体的に考えられる反面、若年層ではまだ2回目の接種を完了していない人もいるという状況を反映した結果ともいえるでしょう。
政府は2回目接種を完了したすべての人を対象に、接種日から8か月以降の順次接種という方針を打ち出しています。具体的な計画が決まったら、早めにわかりやすくお知らせし、都民に考えて頂く必要があります。
ここまで、今回の都民アンケート調査の結果からは、
○ 感染の再拡大や通常医療の制限を心配する声が7割に及んだこと
○ 基本的な感染防止策を継続する意向を示す人が8割を超えていたこと
○ 高齢者層で3回目のワクチン接種の意向が高かったこと
が分かりました。
以上、3回にわたり、都民アンケートの結果をお示ししました。
都民のみなさんの現在の感染対策の実際、またワクチンや感染状況への意識についての理解を深めることができました。この結果は、今後の情報発信や体制整備に生かしていきたいと思います。
ご協力くださった回答者のみなさまに感謝いたします。