コロナ感染対策を担う専門家チームの実態に迫ります
こんにちは。東京iCDCの事務局です。
新型コロナウイルスに関するニュースで、「集団感染」という言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか。人から人へ広がるウイルスは、時として一度に多くの人が感染することがあります。今回は、集団感染が発生した際に活躍する専門家チーム「東京都実地疫学調査チーム(略称TEIT(テイト))」をご紹介したいと思います。
TEITって?
TEITは、医師や保健師などで構成されていて、保健所での感染症疫学調査などで経験を積んだスペシャリストのチームです。新型コロナウイルス感染症などの感染症患者が集団で発生した際には、保健所がまず、疫学調査として発生時の原因究明と今後の対策を行います。TEITは、集団感染が大規模であったり、専門的な視点からの調査分析が必要な場合などに、保健所からの要請に基づいて、実際に現場に向かい調査を支援します。
では、実際に現場でどんなことをするの?
TEITは、患者への聞き取り調査を基に感染経路の追跡を行い、感染原因を推定し、感染拡大防止のための助言を行います。それに加えて、
現場で保健所の方々と一緒に、
・感染区域と非感染区域を区別するゾーニング
・感染者を同じ区域に集めて非感染者と空間を分けるコホーティング
・感染拡大防止策に関する助言
・施設機能維持に関する評価とその対策に関する助言
といった支援を行っています。
また、調査の過程で、他の自治体や関係機関とも連絡調整を行うことも重要な役割です。TEITは、2020年2月から12月までで、医療機関や高齢者施設などに、計51回派遣されています。
調査を重ねて分かってきたこと
TEITのこれまでの調査により、新型コロナ感染症は、施設によって感染拡大の原因や課題が異なることが分かってきました。
以下の表は、TEITがまとめた施設ごとのポイントです。
例えば、リハビリを目的とする病院では、病棟内で患者の活動が活発であることや、病室を超えて患者同士が会う機会が多く、感染が急激に拡大する傾向がありました。そこで、対策として、陽性者の発生後は、リハビリや食堂に集まって食べる食事の中止を検討し、人と人との接触を減らすことなどをアドバイスしています。
今後の集団感染防止に向けて
感染拡大を防ぐためには、現場での学びから、いかに見えない、見えにくいところにアプローチして実践につなげていくかが重要です。調査で分かったことを踏まえ、事前の予防策や、万が一集団感染が発生した際に速やかに鎮静化させるための対応方法を、都内の保健所や施設の管理者などにも広く周知していき、集団感染防止につなげていきます。
今後も保健所を始め関係機関と連携して、感染対策を行っていきます。引き続きTEITの活動にご注目ください!
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