清宮親子からの学び

日ハムにドラフト一位で入団した清宮幸太郎選手。一時期ほどは話題にはなっていないがそれでも9月末時点で本塁打数7本で1959年の王貞治選手と並ぶ高卒新人の歴代9位を記録しておりプロ野球選手として上々の滑り出しをしたと言っていいだろう。

清宮選手は高校通算111本塁打で史上最多記録を持っており2017年のドラフト会議で高校生最多の7球団が競合し、結果的に日ハムにドラフト一位で入団している。有名なことではあるが清宮選手の父親は有名なラグビー監督であり清宮選手自身も小学生の時はラグビーをやっており同世代では突出した実力を持っていたようである。しかし清宮選手は結果的にラグビーを辞め野球の道を選んでいる。インタビュー記事などでを読む限り父親は「持久力よりも瞬発力に優れた身体的特徴を持っていたので、その特性により適した野球を勧めた」といった旨の記事が見つかるが、恐らく金銭的なことも父親は考慮したのではないかと考えられる。

理由は単純にラグビー選手と野球選手では稼げる額が全く違うからである。日本人で最も報酬を得たのはワールドカップからしばらくしてフランスのチームに1億9000万円の年俸で移籍した五郎丸選手。これはこれまでの日本人選手の中では突出していた模様であり「ワールドカッププレミアム」が乗っていたと言えるだろう。一方でプロ野球選手で2億円越えの選手はザラであり、日本のプロ野球での最高年俸は佐々木選手の6.5億円、メジャーリーグだと複数年契約の単年換算で26億円の田中選手であり、文字通り桁違いである。実際に清宮選手は日ハム入団時の年俸は1,500万円+契約金1.5億円であり、18歳のルーキーにしてラグビー界で最も稼ぐ日本人選手とほぼ同額の報酬を手にしている。

つまり戦う場所の選択は圧倒的に重要なのである。ラグビーを選んでいたらいくら必死に練習して世界最高精度のパスやタックルが出来るようになってもこれだけの報酬は手に入らなかったはずであり、結局はどこで頑張るかの選択でかなりが決定されるのである。同様にキャリアにおいても大手商社や大手デベロッパーで働くのと、平均的な大手メーカーで働くのでは(例え人事や総務といった似たような業務をやっていても)給与水準が著しく異なり、会社員でも全く同じ話が成り立つ。年収アップをしたいと思った時も所謂ビジネススキル獲得のために本を読んだりスクールに行ったりしても同じ業界・会社に居る限りほぼ効果はない。年収アップをしたいなら業界か会社を変えるか起業するべきなのである。

個人的には年収には一定のこだわりを持つべきだと思っており、またそのために相応の努力もした方がいいと思っている。しかし限られた時間・エネルギーを投入するなら成果の期待できるものに充てるべきだろう。

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