四色ボールペンを使う

私の商売道具の一つにLamy 2000の4色ボールペンがある。これは私が新卒の時から使い続けており、仕事をしている最中は常に胸ポケットに入っているか手に持っているので文字通り肌身離さず持っているといっても過言ではないだろう。以前にも書いたが紙とペンは記憶装置であるだけでなく、思考装置であり、またコミュニケーション装置であるので、この商売の人間であればペンにこだわってもバチは当たらないだろう。私自身はLamy 2000をこれまでに無くしたり、人に取られたり、壊したり、壊れたりしており、多分今までで合計で7~8回くらいは買っていると思う。(念のためLamyの名誉を守るために付け加えると、壊れたのは一度だけである。)このペンはさまざまな面で素晴らしいと思っている。

一つ目は単純な実用性である。仕事では黒はノートなどに、赤はいわゆる赤入れに、青はサインに使うために3色手元にあると便利であり百円のペンを除くと案外、3~4色ペンで実用的なものは少ない印象である。(余談ではあるが、サインで青色を使うのは欧米ではサインがコピーでないことを示すために青インクを使っていた、という伝統の名残である。実際問題、日本でそれにこだわる人はほぼ皆無だが、青インクでサインをすると少しだけ「高級感」が出るため気に入っている。)なお私は緑色は使わないため色は3色としている。

二つ目はその無駄のないシンプルで美しいデザインである。私自身は愛着のあるモノが身近にあるとそれだけでやる気が増す単純な人間であり、このペンは何年も使っているが未だに使うときはテンションがアガる。なおこのペンはバウハウスの流れをくむデザイナーが西暦2000年でも色あせない、というコンセプトでデザインし1966年に発売されたものであるが、当初の狙い通りかむしろそこから20年近く経っても未だに通用するデザインである。またクリップ、色を変えるための機構、本体のネジのつなぎ目の作り込みと完成度の高さは素晴らしい。これはこの感動はなかなか文字では伝えにくいのでぜひ、実物を手に取ってもらいたい。

これだけの完成度ではあるが価格も比較的リーズナブルである。モンブランなどの高級筆記用具だと安くても数万円するが、Lamy 2000の場合は定価で12,000円、アマゾンなどであれば6,500円程度で買える。自分も最初は丸善の店頭で購入したが、その時の値段は10,000円を超えていたが、その後、アマゾンでは半額近くで変えることが分かり、店頭で買うのが馬鹿らしくなり以降は常にアマゾンで買っている。

頭脳労働者としてはやはりペンにはこだわりを持つのは悪くないと思っている。気が向いたらお気に入りのペンを探してみてはいかがだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?