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環七通りを直進

家から5分ほど歩くと環七通りに出る。よくこの通りを歩いて、駅に向かったり映画館に向かったりする。

環七通りで出来ることは無限にあって、回転寿司、ドンキホーテで買い物、ラーメンや牛丼屋と上げ出したらキリがない。その中でも、一番重宝しているのは業務スーパーだ。業務スーパーで買いたいものはたくさんあったが、今まで住んでいた場所では車がないと行きづらかったため、歩いて気軽に行けるこの業務スーパーにはとてもお世話になっている。

そんなわけで、基本的に環七通りを歩けば大抵のことは済ませられる。が、この通りの魅力はそれだけではない。

置き去りのカゴ

去年からずっと楽しみにしていた映画を見た帰りに、環七通りを歩いて家まで帰っていた。
平日の仕事終わりに見に行ったので、帰る頃にはもう夜も遅く、その日は風も強くてとても寒かった。
いつもだったら、こんな寒くて風の強い日に1時間も歩いて帰るなんて馬鹿げてる、電車に乗ればよかった。と後悔しそうなところだが、映画を見て気分が良かったおかげか、はたまたこの通りを歩くのが好きだからか、私はいつもよりも上機嫌に歩いていた。
そんな風に歩いていると、いつもの通りも少しだけ顔を変える。

まず目に入ってきたのは、ドンキホーテの目の前の歩道。ど真ん中にぽつりと取り残された買い物カゴ。

哀愁が漂っている気がしないでもない…

ありそうでなかなか出会わない奇妙な光景に、これは友人に写真を送らないと、と思い慌ててカメラを向けた。どうしたらこんな状態になるのか、と思いながらお店の中に戻してあげる。

そして次に目に入ったのは、光るアスファルトだった。なんてことのない、ただ看板の光がアスファルトに色をつけているだけだ。それでも私は、その時のアスファルトをとても綺麗だと思ったし、アスファルトにも色が映ることを意識したことがなかったので、小さな発見に胸が躍った。とてもいい映画を見た後だったので、自分も映画のセットの中にいるような、そんな雰囲気を感じられた。

環七ダンジョン

私の環七通りの行動範囲は徒歩1時間なので、距離にすると約4キロの範囲だ。結構広いので、行く頻度と範囲によってダンジョンのように分かれている気分になる。映画館側は一番遠く、あまり歩き慣れていないので1-4。回転寿司までの道は近く、歩くことも多いので1-2。といったように、同じ一本の道でもかなり感覚が変わってくる。気力があれば奥の方まで歩いて冒険してみるし、途中で疲れて引き返すこともある。
西側は結構開拓したので、いつか東側もさらに4キロ開拓してみよう。

都会と田舎を同時に感じる

環七はとても大きな通りなので、車通りもとても多い。どの時間帯に歩いても、賑やかだ。だが歩道の人通りは少なく、見かけるのは私と同じように歩いている人が何人か、それから自転車に乗った学生たちばかりだ。車道を見れば都会の騒がしさだが、歩道は田舎のような落ち着きも感じる。こんな風に、独特の雰囲気を持っている(大きな通りはどこもそうなのかもしれないが)この道がとても好きだ。

歩道橋からはスカイツリーが見える

とにかく、出かける際の選択肢はまず環七通りになる。なんでも揃っているし、何も考えず直進するだけで目的地に辿りつけるので、私にとってはとてもいい散歩にもなる。日常も非日常も感じることのできる環七通り、これからもきっとたくさんお世話になるだろう。

Written by HINA


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