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メディアを疑え!高齢者の交通事故は本当に増えているのか?

最近、毎日のように高齢者の運転事故が報道されています。これだけ放送されていると、知らず知らずのうちに「高齢者の事故増えているんだ!」「高齢者の運転怖いな。」といった感情になりがちです。

話は少し変わりますが、僕は“令和”が発表された時も違和感がありました。
元号が令和が決まってからというものの、メディアでは「令和の働き方」「令和はどんな時代になるか」といったように“令和”の話題がたくさん出ていました。僕が違和感に感じたのは、“令和”が社会へ浸透するスピードでした。
元号が変わるということは日本にとっても大きいことだとは思います。
しかし、メディアの放送にありあっという間に浸透してしまいました。
そして、“令和”になったことで、「平成の〇〇」という番組が数多く組まれていました。
それにより、一時代が終わるという印象を多く持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回のゴールデンウィークは年末年始のような雰囲気に思えました。

僕は本当にメディアの力を凄いな!と改めて感じました。そして、いつ間にか、自分の考えや心がコントロールされているのではと怖くもなりました。

話を戻すと、高齢者運転事故は本当に増えているのでしょうか?メディアにコントロールされてはないでしょうか?

交通事故での死亡件数は減っているという現実

※高齢者は65歳以上で計算されています。

皆さんの印象はどうでしたか?
統計上では、高齢者も高齢者以外も件数は下がってきているのです。
驚くことに約10年程前までは高齢者以外の死者数の方が多いです。

もしかすると、高齢者の免許保有者自体が少なくなっているのでは?とも考えられます。
しかし、このデータからでは免許の保有者は右肩上がりです。

人口10万人辺りにおける割合でも減少傾向です。

先ずはこの事実を知ることが大切だと思います。
交通事故に関する取り組みは全体的に良い方向へ動いているんです。

高齢者の年齢層別では明らかな違い

先ほどのデータは高齢者を65歳以上で計算されていました。
65歳以上はかなり幅が広いです。
それでは、年齢層を細分化したデータではどうでしょうか。

上記のデータは単年ではありますが80歳以上で一気に数値が上がっています。
“高齢者”と一括りにするのではなく、どこからがリスクの高い高齢者なのかを判断しないといけません。
75-79歳では他の世代とはあまり誤差がありません。
この世代を“リスクの高い高齢者層”と判断するのは少し違うように思います。

このデータでは75歳未満でまとめられて平均が出されています。
ここで注目しないといけないのは16-19歳の層です。
実は85歳以上に次いで、2番目に死亡事故割合の多い世代です。
高齢者ばかりに注目が集まりがちですが、若年層への関わりも重要であることがわかります。

本当に高齢者での死亡事故は増えているのか?

このデータを見る限り、全ての世代で死亡事故は減少傾向です。とりわけ、高齢者層で右肩下がりで減少しています。

まとめ

高齢者の免許保有者は急激に増加しているが、死亡事故件数は減っています。
今回は死亡事故に限ってまとめてみましたが、これだけで言えば、メディアが煽るほど交通事故に関する取り組みは悪くないということです。
毎年、改善されていっています。

メディアが取り上げてくれるから、気をつける行為につながっているのも一理あるかもしれません。

しかし、それにしては取り上げ過ぎのような気もします。もしかすると何か大きな取り組みに向けて、知らず知らずのうちにマインドコントロールされているのかもしれません。

メディアは様々な表面的な情報を与えてくれます。そして、全体の極一部分を切り取ります。
与えられる情報が増えている分、自分自信で批判的に考えるクセをつけることが大事かもしれません。

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