新説昔ばなし「浦島太郎」

むかし、むかし浦島は助けた亀に連れられて竜宮城に来て見れば♬♬・・・家が恋しくなり帰ってきた太郎は、世の中がすっかり変わったことにショックを受け、禁断の玉手箱を開けてしまい、あっという間におじいさんになってしまいました。太郎は絶望し死のうと決心し乙姫様に別れを告げようと海岸に行きました。そして、海岸に着くと乙姫様との楽しい日々を思い出そうとしていました。思い出の品は手元にある玉手箱しかありません。玉手箱を見て懐かしむようにそっと開けて見ると中に手紙が入っていました。今まで何で気がつかなかったのだろうと思いつつ読み始めると、
「太郎さん、とうとう開けてしまったのですね。決して開けてはならないとあれほど言ったのに!私との約束を破ってしまいましたね。あなたは、竜宮界で遊び過ぎました。人間界で100年近くです。苦あれば楽あり、楽あれば苦ありが人間界の掟です。冷たいかもしれませんが、これに逆らうことは許されないのです。でも、これを悲観して自ら命を絶ってはなりません!苦しくて苦しくてどうしようも無くなった時、私があなたにしてあげられることが一つだけあります。今は明かせませんが、海に向かって私の名前を呼んでください、大声でちゃんと呼んでください。ちゃんとですよ」太郎は少しだけ元気になったような気がしました。そして書かれていた通り海に向かって「乙姫様」と叫びました。ところが、何回呼んでも何も起こりませんでした。乙姫様はもう竜宮界にはいないかもしれないなと、絶望感が再び襲ってきました。太郎は決心し、海の中へゆっくりと入って行きました。海は今まさに夕日が水平線に沈みかけ、光の道が太郎の体を照らし始めようとしていました。続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?