新説昔ばなし「浦島太郎」後編

一瞬、夕日の光の道の先に、まばゆいばかりに輝く乙姫様の姿が見えたような気がしました。太郎は、思わず大きな声で「乙姫ちゃん」と叫んでしまいました。すると、何ということでしょう!水平線のかなたから、水しぶきを上げてものすごい速さで近づいて来るものがいるではありませんか!何とそれは昔助けた亀でした。ふと空を見上げると乙姫様が優しく微笑みながら「ちゃん」とよく言ってくれましたね、ありがとう。と言われたような気がしました。我にかえり亀を見ると背中に新しい玉手箱がくくりつけられていたので、太郎は躊躇せずにその玉手箱を開けると、中から白い煙がもくもくと立ち上ったのでした。 翌朝、次郎という若い猟師が海岸を散歩していました。すると何か白い動く物が見えたので、急いで近づいて見ると、そこには白くてかわいい小犬がいたのでした。次郎が小犬を抱き上げると、砂の上には「タロウ」と書かれてありました。次郎は小犬をタロウと名付けました。そして、タロウは大事に育てられ幸せな人生いや犬生を送ったということです。犬に名前をつけるようになったのはこの頃からだとか。完

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