野球好きの皆さんの生活の中に四国アイランドリーグ、および徳島インディゴソックスが仲間入りをし、今年でなんと20年目を迎えました。
我々を知ってくださったきっかけは、地元のつながりやドラフト会議、選手の移籍など様々だと思いますが、今回はこの20年をひとつの区切りとして皆さんと一緒に球団の歩みについて簡単に、でも深いところまで振り返っていこうと思います!
これを読めばあなたも徳島インディゴソックス博士!
戦績で振り返る徳島
2005年
2005年に四国アイランドリーグが誕生し、徳島インディゴソックスも加盟した。
『インディゴソックス』の由来は、徳島の特産物である藍染の『藍』を英語にした『インディゴ』と、メジャーリーグからインスピレーションを受けた『ソックス』が組み合わさったもの。
「挑戦と変化を楽しみ、圧倒的情熱を持って明るい未来を創造する」、そんな思いから誕生した球団の歩みは、ここから始まった。
この年は、序盤はなかなか勝利を掴むことが出来ず苦しんだが7月に11連勝を記録すると好調の波に乗り、9月には首位に躍り出た。その後は高知ファイティングドックスとの首位争いを繰り広げるが惜しくも敗れ、シーズンを2位で終えた。
初年度も現在と同じく機動力を生かした攻撃がチームの特徴であり、盗塁数は146個でリーグトップであった。
2006年
チームは前年の惜敗を受け、捕手全員を入れ替えるなど大幅な選手の入れ替えを行った。
しかしこれが裏目に出る結果となり、新入団選手の経験不足、さらに既存選手は打撃面で大きく伸び悩むなど様々な要因が重なりチームは前期後期ともに最下位となった。
約3週間、元メジャーリーガーの多田野数人を加入させたり、アメリカの独立リーグ(セントポール・セインツ)との交流戦を行うなど新たな試みを行う場面も見られ、チームとしての在り方を模索するような一年となった。
2007年
前年のシーズン終了後、秋と春にキャンプを行い投手陣は投げ込みを行うなど練習を強化させ開幕を迎えた。
開幕時にはオフシーズンの練習が若干の成果を挙げたが、先発ローテーションが不確立であったことや打線の主軸であった西村悟の怪我などもあり、他球団の新戦力に力負け。
結果として投打ともに安定しないまま19連敗を経験するなどし、4期連続の最下位となった。
チームの強みであった機動力も、中心選手が愛媛に移籍したこともあり初年度の146盗塁から78盗塁へと大きく数字を落とした。
しかし、2006年に最多セーブポイントを獲得し安定した活躍を見せていた小林憲幸が千葉ロッテマリーンズから育成3巡目で指名を受け、チーム発足以来初のNPB指名という快挙を達成した。
2008年
この年、NPB経験者の梅原伸亮などの新加入した戦力に期待が高まったが、前年に続き故障者が続出。チーム打率と本塁打数はリーグワーストの成績となり、防御率もリーグ5位。
盗塁数は128個と3年ぶりに3桁台に到達したが、前期は5位、後期は最下位とチームの低迷を止めることは出来なかった。
前年と同様、個人タイトルの獲得者はおらず個々の実力不足が課題となった。
2009年
チーム発足当初から在籍していた渡邊隆洋が福岡に移籍するなど、この年も約半分の選手が入れ替えとなる状態でスタートした。
前期は開幕から6連敗を喫し、その後も連敗を幾度と繰り返し早々に優勝争いから離脱。2期連続の最下位となった。
後期は、のちに北海道日本ハムファイターズより6位指名を受ける荒張裕司らの打撃が向上し、優勝候補の香川に勝ち越すなどチーム状態が上向きとなり、5位争いを続けたが最終的には最下位となった。
ただ、年間25勝は前期後期制になって以降最多の勝利数であり、さらに2年ぶりにNPB選手を輩出するなどチーム状態に好調の兆しが見えた。
2010年
この年は福岡から復帰した角野雅俊や大川学史らを中心とした投手陣によって守り勝つ試合が増えた。前年のような大きな連敗はなく、勝率5割を達成し前期を3位で終えた。
後期は香川と愛媛に大きく負け越して首位争いからは遠ざかったが勝率は引き続き5割をキープ。初年度以来5年ぶりに年間の勝率が5割を上回るという大きな成長を見せた。
さらに、ドラフト会議では弦本悠希が広島東洋カープより7位指名を受け、2年連続で支配下枠でのNPB選手を輩出した。
2011年
この年、チームは5月上旬に首位に立つとその後一度も譲ることなく創設7年目にして初めての前期優勝を達成。
後期優勝は直接対決で勝ちきれず香川オリーブガイナーズに譲ったものの、リーグチャンピオンシップでは1連勝し年間総合優勝を掴んだ。
この年はチーム打率が.291で本塁打数が31本と、現在までを含めて歴代最高の成績を記録。個人タイトルでは岩根成海がリーグ史上初となる防御率0点台で最優秀防御率を、大川学史が最多勝を獲得。そのほか富永一が最多セーブを獲得し、ドラフト指名を受けた。
悲願の初優勝を達成し、チームとしての大きな進化が見えた年となった。
2012年
前年敗退したグランドチャンピオンシップの制覇を目指して始まった2012シーズンであったが、前期は高知ファイティングドックス以外の2球団に負け越し、3位という結果に。
後期は夏場に4連勝するなどして首位をうかがう勢いを見せたが、首位の愛媛マンダリンパイレーツに負け越していたことが響いて前期と同様3位に終わり、グランドチャンピオンシップ出場は叶わなかった。
この年は個人タイトルの獲得者もおらず、チームの再建が急がれた。
2013年
この年は開幕してから5月中旬まで連敗を記録することなく、福岡ソフトバンクホークス3軍との交流戦に4戦全勝するなど好調なスタートを切った。しかしその後6連敗を喫するなどして最終的に前期を2位で終えた。
後期は7月下旬から8月にかけて10連勝を記録し、首位に立つ。途中愛媛マンダリンパイレーツの追い上げを受け優勝マジックが消滅することもあったが、確実に勝ちを重ね初の後期優勝を達成した。
その後リーグチャンピオンシップでは敗戦を喫することなく2年ぶり2度目の年間総合優勝を達成した。グランドチャンピオンシップでは球団初の1勝を挙げるも、その後連敗し、悔しい敗退となった。
徳島で4年間プレーしていた東弘明がオフのドラフト会議で指名され、悲願のNPB入りを果たした。
2014年
チーム創立10周年を迎えた2014年シーズン。
前期は香川オリーブガイナーズが首位を走りその後を追う展開が続いたが、前期終了時点で勝率は並び、直接の対戦成績で勝っていたため前期優勝を達成した。
後期は愛媛マンダリンパイレーツと首位争いを繰り広げたが、首位攻防の直接対決を制し、3期連続となる後期優勝を達成。初の前後期優勝を果たした。
リーグ内で見ると、防御率(2.91)・打率(.267)・得点数(419)がいずれもトップの成績であり、投打のバランスの良さが強さの秘訣であったといえる。
リーグチャンピオンシップでもその強さを発揮し、愛媛マンダリンパイレーツを下し2年連続の年間総合優勝を達成すると、勢いそのままにグランドチャンピオンシップでも3勝1敗1分の成績で群馬ダイヤモンドペガサスを破り初優勝。悲願の独立リーグ日本一を果たした。
ドラフト会議では入野貴大と山本雅士がそれぞれ支配下枠で指名を受けた。一度に複数の支配下枠指名者が出たのはリーグ史上初めてのこと。
さらに、前後期優勝、年間総合優勝、ソフトバンク杯優勝、グランドチャンピオンシップの制覇を同年に達成したのもリーグ初の快挙であった。
2015年
この年、リーグは新たな試みとして選抜チームを編成し、6月に北米遠征を行った。選手は日米プロ野球のスカウトにアピールすることが出来る選抜入りを目指しつつ、ペナントレースにも照準を合わせる新たな戦い方を模索した。
前年までの主力選手が抜けた穴は大きく、前期は3連敗を3度記録し最下位転落を何度も経験。後期は一時的に愛媛マンダリンパイレーツと首位を争うも、最終的には5.5ゲーム差をつけられ独走を許した。本塁打数と打率が大幅に落ち、残塁数が増加するなど得点力不足が課題となる一年だった。
オフのNPBドラフト会議では2名の選手の名前が呼ばれ、3年連続のドラフト指名となった。
2016年
前年の敗戦を基に、台湾球界唯一の2000本安打を記録した「台湾球界の至宝」張泰山や、アメリカマイナーリーグに所属歴のあるハ・ジェフン、ガブリエル・ガルシアなど外国人選手を補強した。
前期は愛媛マンダリンパイレーツと並んで首位に立ったが最後の直接対決でサヨナラ負けを喫し、0.5ゲーム差で優勝を逃した。後期も最下位に終わりチーム全体としては不本意なシーズンとなったが、橋本球史(現・守備走塁コーチ)が盗塁王、福永春吾が最多奪三振などの成績を残した。
また、新設された読売ジャイアンツ3軍との交流戦では増田大輝が徳島に凱旋するなどし、盛り上がりをみせた。
オフのNPBドラフト会議では、2年ぶりの支配下枠での指名を記録した。
2017年
この年、前期は全チームに勝ち越す圧巻の成績を誇った。チーム打率は.280で1試合の平均得点5.6点はリーグトップ。本塁打数、防御率、盗塁数もリーグトップであり、特に盗塁数は2位の愛媛マンダリンパイレーツを20も上回る53盗塁を記録。積極的な攻撃がハマり、勝率は7割、4ゲーム差をつけ前期優勝を果たした。
一方で後期は開幕から5連敗を喫するなど苦しい展開が続き、前期はリーグトップだった選手指標も年間通算では順位を下げ、最終戦の高知戦に敗れ年間勝率は1位ながらも後期シーズンは最下位となった。
リーグチャンピオンシップでは第4戦を完封するなど投手力で香川打線を封じ、3年ぶり4度目の年間総合優勝を達成。その後のグランドチャンピオンシップでも3勝2敗で信濃グランセローズを破り、2度目の独立リーグ日本一の称号を手にした。
最終戦は雨天コールドゲームであったため、雨の降る中グラウンドで喜びを分かち合う選手の姿が印象的であった。
当時の様子はこちら
2018年
この年から、前年限りで引退した橋本球史が野手コーチとして就任。
前期のホーム初勝利はなんと開幕から1か月ほど経った5月であり、チーム防御率・打率はリーグトップながら全体の成績は上がらず、勝率.281で2期連続の最下位となった。
後期は途中8連勝を記録するなど優位に進め、8月中盤に優勝マジックが点灯。しかし終盤に猛烈な追い上げを見せた愛媛マンダリンパイレーツに逆転され、優勝を逃した。
失策数は前年の53から大幅に減らし29となりチーム打率も.270とトップながら、投打が噛み合わないことが多く、逆転負けを喫する試合も多かった。
NPBドラフト会議では後期リーグ戦でアピールを続けた鎌田光津希が千葉ロッテマリーンズより指名を受け、5年連続のドラフト指名を記録した。
2019年
チームは前年の逆転負けの多さを糧に粘り強く戦い続け、八度の逆転勝ちを収めるなどし前期優勝を果たした。打線は得点数(134)と盗塁数(65)でリーグトップ。中でも平間隼人の22盗塁には他チームの指揮官も舌を巻いた。打線の頑張りに投手陣も応え、前年の防御率から1以上改善し、与四球数はリーグ最少であった。
後期は『若い選手を積極的に起用する』方針を取った結果、3位に終わり優勝を逃した。しかし当時の牧野監督は「チーム力は上がった」と振り返り手応えを伺わせた。
2年ぶりの出場となったリーグチャンピオンシップでは順調に勝利を重ね年間総合優勝を達成。グランドチャンピオンシップでは第5戦までもつれるも粘り強さを欠かず、3勝2敗で3度目の独立リーグ日本一を掴んだ。
オフのNPBドラフト会議では支配下指名も含めて3名が名前を呼ばれた。
2020年
この年は新型コロナウイルスの影響により開幕日が2度も延期。さらには公式戦開幕日が未定と発表されるなど、先の見えない状況に不安が生じた。
その後、初年度以来初となる1シーズン制(前期・後期の区分無し)での実施が決まり、6月20日に待望のシーズンが幕を開けた。
シーズン序盤から香川との首位争いを展開し、8月に6連敗を喫するなど苦しい時期もあったが9月末からは首位を独走。終盤に高知ファイティングドッグスの猛追を受けるも直接対決に勝利し2年連続のリーグ優勝を果たした。
この年、ドラフト指名を受けた戸田懐生が最多勝と最多奪三振の二冠を獲得したことも含め投手陣が踏ん張り、チーム防御率は2.15と歴代最高の成績を残した。
2021年
コロナウイルスの陽性反応が球団内で確認され、4月29日から5月21日までチームは活動を休止することとなった。復帰後初戦は勝利したものの、その後5連敗を喫するなどチーム状態は上がらず、前期後期共に勝率は5割を下回り3位に終わり、リーグ3連覇を逃した。
個人タイトルとしては村川凪が40盗塁で盗塁王を獲得。さらに佐藤靖剛が打点王、宇佐美真太がベストナインを獲得するなど、明るい材料は見られた。
2022年
この年から、監督に岡本哲司が就任。
前期は5月上旬に首位の高知ファイティングドッグスと0.5ゲーム差まで縮め、新入団の井上絢登が7本のホームランを打つなどどうにか持ち堪える試合を続けたが、終盤に勝ちを重ねることが出来ず、3位という結果に終わった。
後期は7月終了時点で9勝4敗と順調に進み、首位をキープする。さらに野手転向した日隈モンテルが頭角を表し、茶野篤政が首位打者、井上絢登が最多打点、最多本塁打を獲得するなどした打撃陣の活躍が目立ち優勝を果たした。
その後のリーグチャンピオンシップでは高知投手陣に主力が抑えられ、1勝も挙げることが出来ず2年ぶりのリーグ年間優勝とはならなかった。
NPBドラフト会議ではついに10年連続の指名を達成。3名の選手をNPBへと送り出した。
2023年
前期は序盤に先行した愛媛マンダリンパイレーツを追う形となったものの、5月に首位に立つとそのまま首位を譲らず、6月3日に前期優勝を果たした。後期も勢いそのままに勝ちを重ね、8年ぶりに前後期優勝を達成した。
リーグチャンピオンシップでは初戦に勝利し、前後期制覇によるアドバンテージ(1勝)を含めた2勝の成績で3年ぶりとなる年間総合優勝を達成した。
4年ぶりの出場となったグランドチャンピオンシップでは準決勝で敗れ敗退となったが、前期・後期・ソフトバンク杯・年間総合優勝の四冠を9年ぶりに達成した。
オフに行われたドラフト会議では、独立リーグ史上最高順位タイの2位指名を受けた椎葉剛を皮切りに総勢6名が指名を受け、球団史上最多人数をNPBへと送り出した。
ドラフト年表
おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございました!
長きにわたり徳島インディゴソックスを応援してくださっている方、懐かしい選手名はありましたか?
最近徳島インディゴソックスを知ってくださった方、新たな発見はありましたか?
徳島インディゴソックスは、上手くいくときもいかないときも、どんな時もファンの皆様に支えられてここまで歩みを続けることが出来、今年めでたく20周年を迎えました。
これからも進化を止めず、更なる高みを目指して精進していきますのでぜひ温かく見守っていただければと思います。
きっと今年も独立リーグは、徳島インディゴソックスは、面白いです!!