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「忍びの家」を見て個人的に参考になった、海外の人に楽しんでもらえる日本の描き方

昨日、Yahooに寄稿した「忍びの家」の記事が、ヤフトピにもピックアップしていただいた関係で、いろんな反応をいただきました。

記事の中で作品自体には、ほぼ言及しなかったので、作品自体はどうなんだというフィードバックも頂いてしまったので、個人的に「忍びの家」を見て印象的だったポイントを並べておきたいと思います。

特に、海外の人から見た「忍者」というのを、こうやって日本的要素と組み合わせると面白がってもらえるんだと興味深かったのが下記の6点です。


■アクションシーンがガチ

日本の忍者ものというと必殺技の方に焦点があたることが多い気がしますが、「忍びの家」の忍者は体術の高さに焦点が当たっているのが興味深かったです。
1話中盤の回想シーンのバトルのスピード感が凄いですよね。
あと、個人的にさらに感動したのがクラブでの隠密バトルアクション。

ジョン・ウィックの日本版というか何というか、海外の人から忍者はこういうイメージなのかなと言うのが興味深かったです。


■音楽のチョイスが素晴らしい

忍者ものの日本人が出てくるドラマなんですけど、音楽は洋楽なんですよね。
でもこれが良い味出してます。

監督がデイブ・ボイルさんという方なんですが、この方のセンスみたいですね。

日本人だとついつい、忍者のドラマというと音楽も昔の和風なものにしがちな印象が勝手にありますが、海外の人に見てもらうためのアプローチとしてとても興味深いです。


■俳優陣が日本版Netflixアベンジャーズ

今回の「忍びの家」では、周辺をかためる役者さんがこれでもかというぐらい、過去にNetflixの話題作に出ていた役者さん達なんですよね。

これなら海外のNetflixユーザーの人が、いきなり「忍びの家」を見ても、「あ、この人知ってる!」となるはず。

実際問題、私も誰も知ってる人がいない韓国ドラマとかフランスのドラマとか見るの少し辛かったのを思い出して、なるほどなーと思いました。


■文化庁がまるでMI6

これ、一番驚きましたよね。
このドラマでは「BNM(Bureau of Ninja Management)」という組織が重要な役割を果たしてるんですけど、この組織があるのが文化庁なんですよ。

あの文化庁ですよ?
めっちゃ面白くないですか?
警視庁とか、防衛省とか、内閣官房とかじゃなくて、文化庁。

しかもめっちゃ怖い組織になってます。

これまで海外のスパイドラマを見ていて、いつも日本にはなんでCIAとかMI6とかないんだろうと悲しい思いをしてましたが。
実は日本にもあったんですよ、文化庁に「BNM」が。

というスパイもの的な組織構造が目からウロコでした。
日本人からするとかなり違和感ある組織構造ですが、海外の人たちは、これから文化庁の人と名刺交換すると「ひょっとして忍者なのかな?」と身構えることになるはずです。


■重要な出会いのシーンが牛丼屋

日本と言えば牛丼ですよね。っていうぐらい大事なシーンが牛丼屋を軸に展開されていて、これはインバウンドで牛丼屋人気出るんじゃ無いかなと言う気がする感じなのが面白かったです。

ちなみに、ドラマに出てくる「なりこま屋」は本当に神奈川新町に実在するお店なんですが、残念ながらドラマに出てくる牛丼はない模様。

でも、まぁ聖地化は必至ですよね。

なぜ普通に吉野家なりすき家なり松屋なりをコンペしなかったのかは謎ですが、牛丼チェーンの方々からすると今からでも撮影場所差し換えてもらいたいやつですよね。


■主人公の職業が自動販売機の補充員

主人公の職業が自動販売機の補充というのも、良い視点だなと思いました。
こんなにそこら中に自動販売機がある国ないですからね。

海外だとあんなお金のかたまり、すぐ強盗されちゃうらしいですから。

そういう一つ一つの要素が、海外の人が日本らしいと思っている要素を使っているのが本当に上手いですよね。

他にも、家業が酒蔵なのに酒を飲まないとか、肉を食べると体臭でかくれられなくなるから禁止とか、細かい設定が本当にいろいろと海外の人に「やっぱり忍者ってそうなんだ」と刺さるように考えられているなぁと、見ながらシミジミするドラマでした。

まだご覧になってない方は、是非楽しんで見て下さい。


なお、水曜日の雑談部屋「ミライカフェ」では、この辺の話題も皆さんと雑談できればと思ってます。
タイミングが合う方は是非ご参加ください。

ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます。 このブログはブレストのための公開メモみたいなものですが、何かの参考になりましたら、是非ツイッター等でシェアしていただければ幸いです。