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定額減税の効果は薄い?:燕三条の町工場の一例

今年6月から定額減税が行われ、上限を設けての、6月の住民税、6月以降の所得税減税が免除となっています。

正社員として会社から給料をもらう町工場で働く人々にとって効果はいかほどあるのでしょうか?

6月の住民税免除について
住民税が0円と給与明細に記載されるのは確かにうれしいでしょう。
但し、課税される社員や住んでいる市町村によりバラバラですが、一概に減額されるわけではないようです。
全国的にどの市町村も財政の逼迫化から、住民税が上がっているようです。
森林環境税(一人年額1,000円)もその一助を担っているようです。
5月に配布される住民税の通知書をみると、年間を通して昨年より増えている人が何人もいました。

所得税減税について
そもそも所得税を毎月どのくらい払っているのでしょうか?
月収20万円の人の場合
賞与等も加算されますので、年収約300万円。
所得税の目安は年間約55,000円、一か月約4,583円となります。
年収の1.8%といったところでしょうか。
月収30万円の人の場合
賞与等も加算されますので、年収約450万円。
所得税の目安は年間約110,000円、一か月約9,167円となります。
年収の2.4%といったところでしょうか。
様々な生活用品が値上がりしている今日、ないよりは良いのでしょうが、2%前後の所得税減税は魅力的には映りません。
還付しきれなかった分については、年度末に個別に残金の還付をするそうですが、作業コストを増やしているとしか思えません。

社会保険・厚生年金
所得税とともに給与から毎月しっかり控除されるのが、健康保険料・厚生年金保険料です。保険料は事業主と被保険者の折半となります。
月収20万円の場合
社会保険料(9.35%)    9,350円
厚生年金保険料(18.3%) 18,300円
一年間で(9,350円+18,300円)×12か月+賞与3ヶ月分 414,750円 
年収300万円とすると、保険料の占める割合は約13.8%となります。
月収30万円の場合
社会保険料(9.35%)    14,025円
厚生年金保険料(18.3%) 27,450円
一年間で(14,025円+27,450円)×12か月+賞与3ヶ月分 62,2125円
年収450万円とすると、保険料の占める割合は約13.8%となります。
地域によって若干の差はあるようですが、
おおよそ給与所得の14%が、社会保険・厚生年金として控除されているのです。40歳以上になると介護保険料(1.6%の半分)が加わります。

社会保険・厚生年金が例年通り控除されている中での定額減税は、給与所得の手取り金額においてはさして影響を及ぼしているとは言えないのではないでしょうか。
社会保険・厚生年金をカットしろというわけではありませんが、給与の7分の1以上を控除される福祉国家の現状なのです。1か月の労働日数が21日だった場合、3日分が福祉のための労働ということになります。

現役労働者世代で、自分が納めた年金が満額支給されると思っている人は皆無でしょう。科目が異なるだけで税金と変わりありません。 
また、体調不良で町医者に行って何万円も請求されることもありません。高額の医療費を理由に、医療機関の受信をためらう事も今のところありません。

景気刺激策として減税を打ち出すのであれば、税制をよりシンプルにして納税者に分かりやすい効果と実感を与えてほしいものです。様々なしがらみや権力争いがあり実現薄とは思いますが。

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