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「ちえ」⑫「遊園地」

ほんとんど寝ないうちに朝になりました。

「なんだか今んなって眠くなっちゃったよ」

「私は全然大丈夫だよ」

「タマゴサンド作ってる間に寝てても良いよ」

「とりあえずスーパー行こう」

「ちえ」と一緒に近所のスーパーにタマゴと食パン、それに朝食用のパンを買いに行きました。

「ちえ」がタマゴサンドを作っている間にウトウトしてしまいました。

「トクちゃん、眠いなら無理してドライブ行かなくても良いよ」

「あ、ゴメン。寝ちゃった」

「タマゴサンドできた?」

「うん、いっぱい作ったよ」

「じゃあ、出かけるぞ」

富士山を目指して車を走らせました。

富士山の近くまで来ると「ちえ」が「トクちゃん、せっかくここまで来たなら遊園地行きたいな」と言いました。

「遊園地か···」

「嫌なの?」

「嫌じゃないけどさあ···。俺、絶叫系だけは絶対無理だから」

「え~、つまんないなあ···」

「「ちえ」って絶叫系好きなの?」

「うん、私は大好きだよ」

「そっかあ···。じゃあ遊園地行くかあ···。ただし、絶叫系だけは乗らないからな」

「うん、分かった」

遊園地につくと、ちょうどお昼の時間になりました。

「腹減ったからタマゴサンド食べたいな」

「じゃあ、ベンチに座って食べようか」

「いっぱい食べて良いからね」

「うん、頂きまあす」

「うん!美味い。やっぱ「ちえ」の作るタマゴサンドは最高だな」

「ちえ」がニコニコしながらこっちら見ていました。

タマゴサンドを食べ終えて、遊園地の中をブラブラしていると絶叫マシーンが目の前にありました。

「ちえ」が、つまらなそうな顔をして絶叫マシーンを見ていました。

「あれ、乗りたいか?」

「うん···」

「じゃあ、しょうがない一緒に乗ろう」

「良いの?」

「せっかく来たんだからな」

「トクちゃん!ありがとう!」

無理して絶叫マシーンに乗ったのですが···。

「ちえ」は大喜びではしゃいでいました。

絶叫マシーンが少しずつ上に上がって行きます。

もう心臓がバクバクです。

そこからは、ずっと下を向いていました。

「トクちゃん、楽しかったね」

「俺、もうダメだ···。気持ち悪い···」

「大丈夫?」

「大丈夫じゃない···」

「ちょっとベンチで休む···」

「トクちゃん、顔色悪いよ···。ゴメンね。私がワガママ言ったから···」

「ハア···。タマゴサンド吐きそう···」

「ちょっとトイレ行ってくるわ」

「トクちゃん···」

「ああ、せっかく食べたタマゴサンド吐いちゃったよ。ゴメンな」

「ううん。私こそゴメンね」

「もう絶対、絶叫マシーン乗りたいなんて言わないからね」

「吐いたらだいぶ楽んなったよ。今度は、お化け屋敷入ろうか」

「私、お化け屋敷は苦手なんだあ···」

「俺だって無理して絶叫マシーン乗ったんだから「ちえ」もお化け屋敷付き合えよな」

「うん···。そうだね、分かった···」

「ハハハ。冗談だよ。お化け屋敷なんか入んないから安心しろ」

「トクちゃん、やっぱり優しいね。だから、トクちゃん大好きだよ」

「「ちえ」は、ワガママだけど大好きだよ(笑)」

「よし、次はなに乗ろうか?」

「う~ん。じゃあコーヒカップ乗りたいな」

「そんなら俺も大丈夫だな(笑)」

閉園時間まで遊園地で遊んでから、帰りました。

遊園地からの帰り道にラブホが立ち並んでいる所がありました。

「「ちえ」ってラブホ入ったことある?」

「ううん、一度もないよ。だから興味はあるんだあ」

「入ってみたいか?」

「うん」

「じゃあ、別の日にラブホ探検してみるか?」

「うん!」

                                                                     つづく




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