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漫画『ちいかわ』1巻の感想

ちいかわ1巻が期間限定無料で読めるようになっていたので読んでみた。今回はちいかわを読んだ感想を書いていこうと思う。

元々ゆるい系列のアニメなどはあまり見たことがなかったので興味はなかったのだが、ちいかわに関しては以前からヤバいと情報を聞いていた。それを聞いたときはアニメを数話見てあまりそのヤバさが実感できていなかったが、原作を読んでみるとそれが十全に伝わってきたという感じがする。

ちいかわの面白さは主に2つあると思う。

1つ目の面白さは世界観が残酷という点だ。かわいいキャラクターなんだけどどこか猟奇的でえぐいと思う描写がある。他の人も言っているが『メイドインアビス』に近い質感がある。生命に対する扱いが妙に生々しい点が似ていると思う。

そういった観点で自分が好きなシーンは、ちいかわがお菓子の「たべっ子どうぶつ」を食べている話だ。このシーンではちいかわが「たべっ子どうぶつ」に本当の動物っぽさを感じてしまい、感情移入してしまう様子が描かれる。そのあとでうさぎがその「たべっ子どうぶつ」を食べてちいかわにも無理やり食べさせるというシーンが描かれる。自分はこのシーンが好きだ。別のキャラに食べられてしまうというところまではよくある展開だが、あえてちいかわにも食べさせるというのがあまりなくて癖を感じる。妙に嫌さが残るモヤっとした感じがとても良い。

2つ目の面白さとしては意味深なシーンが多いという点だ。本作の途中でちいかわたちが買い物に行ったときに黒い路地裏のような隙間からモモンガが出てくるのだが、あまり説明されずどこかから逃げてきたというようなことだけを示唆する形で物語が進んでいく。その後もモモンガが大きな怪物に追いかけられたりラーメン屋から追い出されたりと、何やら訳ありな立場であることをうかがわせる描写が続く。かわいらしい絵柄に反し世界観には闇があるという雰囲気でこのギャップが非常に面白い。

他にも欲しい物を出す杖を使ったときにハチワレとうさぎの身体がなぜか変形してしまったりと意味深な描写が多い。かわいくとぼけた感じのノリだが考察させる要素も多々あり単純に世界観がどうなっているのか気になる作りとなっている。

正直読む前は舐めていた。読む前から残酷という情報は聞いていたが、そうは言ってもせいぜい「可愛いキャラクター系の作品にしては残酷くらいのレベルなのだろう」と思っていた。確かに直接的にグロい描写はそんなにないが本質的なえぐさは相当強めだと思う。なので非常に刺さった感じがする。こういうのが流行るというのはすごい時代だなと思いつつも自分も好きな部類の作品ではあるので今後も少しずつ追っていこうかなと思っている(すべて読み終わったら考察したい)。

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