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【アークナイツ】オムニバスイベント『ウルサスの子供たち』の感想

アークナイツのオムニバスイベント『ウルサスの子供たち』を読んだので今回はその感想を書いていこうと思う。

このイベントはSNSで話題にのぼることも多いので評判は知っていた。なんとなくカニバリズム的な話なのかなと数々のポストから推察していたが、実際にカニバリズムがほのめかされる描写が少しだけあった。

評判からするともっと直接的な描写が多いのかなと思っていたけど、どちらかというと凄惨な状況だったと想像させる感じの描写が多く良い意味で期待を裏切られた感じがする。このテイストは非常に自分好み。アークナイツのシナリオの中でも個人的には上位に入るほど好みな話だった。

ここからは各話ごとに分けて書いていきたいと思う(その方が書きやすいので)。

『習慣』(グムの話)

この話はグム視点でロドスの生活が描かれ、その中で過去にウルサスの学校であった出来事がほのめかされるという内容になっている。

最終的にグムが何をしたかというのは明確にはならないけどおそらく人を食べたんだろうなというのが間接的にわかる話で、レユニオンに閉じ込められた時の凄惨な様子が伝わってくる。

「グムには習慣がある。」という淡々とした文章が繰り返されるところが印象深い。元は中国語だろうけど翻訳した段階でも記憶に残る文章になっているのはすごいと思う。

『選ばされた答え』(イースチナの話)と『夢の中で』(ズィマーの話)について

『選ばされた答え』はイースチナが自らをビデオ撮影してウルサスの学校にいた当時のことを語るという内容になっている。レユニオンに連れてこられた学校でイースチナたちはウルサス学生自治団を結成し、間接的にその出来事が語られていた。

ハイビスカスのメシマズクッキー描写も少なからずあったが、やっぱりこの話の中心はヴィカだろう。イースチナがヴィカを落として殺してしまったんじゃないかという描写があった。それに対しての罪悪感で苦しんでいるように読み取った。

『夢の中で』ではズィマーが食糧庫を燃やしてしまったという罪悪感で苦しんでいる様子が描かれる。こちらも過去のことを直接描くという感じというよりは、夢というフィルター越しに当時の出来事を再現しているので一応間接的な描き方となっている。あえて終わってしまった後に罪悪感を描くという描き方が生々しくて非常に刺さった。

後述するが、この2人に限らずロサも罪悪感に苦しんでいるので今回の話のテーマは罪悪感なのかもしれない。ロシアモチーフの国で罪悪感というと『罪と罰』を連想するが、関連としてはなさそうである。ただ知らないだけでドストエフスキーモチーフの何かが出てきていてもおかしくないなとは思う。

この2つの話は当時の凄惨な様子を間接的に匂わせてくる感じがとても好みだった(直接的な描写よりも刺さる)。

『ジレンマ』(ロサの話)

『ジレンマ』はロサとズィマーがロドスでウルサスにいた当時のことを語り合う話になっている。ナターリアは貴族で、ズィマーは平民、その2つの立場の違いも描かれている。

レユニオンによってウルサスの学校に集められた後、ロサは貴族をまとめるため平民から物資を略奪する選択をしていた。この話では主にそれを先導してしまったことを後悔するロサの姿が描かれる。この話も生々しいと思う。罪悪感を主題とするのであればこの回想として語る手法が適していて個人的には非常に刺さった。

余談だが、この話が刺さりすぎたので交換するつもりがなかったのにロサをなんとなく上級資格証で交換してしまった。

攻撃範囲が特殊なので尖った性能かと思っていたが、Twitterで教えてもらった感じによると使い勝手が非常に良いらしいので優先的に育てようかと思っている(パゼオンカとどっちを優先するか迷うけど)。

『デタラメ冒険譚』(リェータの話) 

『デタラメ冒険譚』はウルサスの子供たちの中では明るめの話だった。一応過去の描写も出てくるけどリェータが明るいキャラクターなので描写を見落としてない限りはそこまで悩んでなさそうに見受けられた。

「*ウルサス式ツッコミ*」「*ウルサスの礼儀正しい形容詞*」など「*ウルサススラング*」の派生形みたいなやつが出てきて面白かった。ウルサスだけやたらバリエーションが多いのはなぜなんだろうか?もしかするとまだ読んでないだけでこういったものがあるのかもしれない。たぶん「*ウルサスの雄叫び*」は映画のロシア描写でよくある「ウラー!(Ураааааааа!)」だと思う。

『いつも通り』

『いつも通り』は今まで出てきたメンバーが出てくる。そしてアーミヤとドクターがウルサスのメンバーについて話すというのが主な内容となっている。

ここについては特筆して何かを語るところはない。ただアーミヤの「秘密を暴くべきではない」という話がしっかりしすぎててすごいと思った。いつも思うがアーミヤはとても14歳だと思えない精神をしている(初見の時は20くらいだと思っていた)。

『春になったら』(アブサントの話)

ラストの話はアブサントというまた違った視点からウルサスの話が描かれる。主に描かれるのはウルサスの学校の外に出たとしてもそこでもまた凄惨な状況になっているという話だ。特筆して印象に残ったシーンなどはないけど、学校以外にも酷い状況になっているというのは絶望感を加速させる。

まとめ

『ウルサスの子供たち』は普段のサイドストーリーにあるような考察できる面白さというより、単純に心に刺さる話が多かった印象がある。上述したが、ズィマーやロサの罪悪感の話が特に刺さった。

ウルサスの話についてはメインシナリオで出てくることもあり、たびたび描かれるけど、いまだに全貌がわかっていない。これは自分がまだメインシナリオ6章すら読み終わっていないからというのもあると思う。とにかく気になる描写が多すぎるので続きが楽しみである。ちょっとずつ読み進めている『遺塵の道を』でもウルサスの研究所の話が出てきたし、石棺があったのもウルサスなので非常に気になっている。

次は今度来る『理想都市』の復刻に備えて『密林』を読もうと思っているが、実装までに間に合わないのであればそのまま理想都市を読むかもしれない。とにかくまだアークナイツ世界の全貌が把握できてない感じがあるので他のシナリオを読むのが楽しみである。


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