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信じたいものを信じる人は想像以上に多いのかもしれないという話

最近、以下のようなツイートがバズっていた。

元記事をそのまま載せるとnoteの仕様上本人に通知が行くのでツイートだけを載せるが、この記事は現時点で6000以上のいいね数となっておりnoteにしては相当伸びている。

元記事の中身としては以下のはてな匿名ダイアリーに対してものを申すという内容である。

この「はてな匿名ダイアリー」では『僕の心のヤバいやつ』という作品を例に出して胸の大きいキャラクターを出す風潮や漫画グラビアの胸強調に対しての嫌悪が綴ってある。このダイアリー自体がそれなりにバズったらしく、それを受けて上記のnote記事が書かれたらしい。

note記事の方の内容としてはこのはてなダイアリーの文体が女性っぽいと思う点が並べ立てられており、主に「男性と偽って作品を攻撃するな!」といった趣旨のことや筆者が考える女性オタクの性質について、ダイアリーの筆者が女性であるとnoteの筆者が思う理由などが述べられている。

記事の内容自体は長いので詳しく触れないが少しだけ触れると、それっぽい理屈が断定的に何個も並べられているという印象だ。個々の話についてはそれっぽい感じもするけど結局は匿名ダイアリーなので性別は断定できないと思う。なのでなぜここまで断定しているのだろうと疑問には感じた。ただTwitter(X)の反応を見ているとこの記事の推論を妥当なものだと考えている人が結構多いように見受けられる。

このTwitter(X)の反応を見て自分が思うこととしては「不確定な情報を信じている人多すぎでは?」ということだ。確かに今回のnote記事はやたらと質感の高い分析ではあると思うけど結局は文体や内容からの推察に過ぎない。なのでこの記事に同調するようにはてな筆者が女性だと断定している人が結構な割合でいたのは驚きだった。

女性っぽい文体や内容というのは確かにわからなくもないが、匿名ダイアリーなので結局はそれを書いた人の性別はわからないはずである。性別を判断するにしても根拠が文体という状況証拠しかない。にもかかわらずその状況証拠だけで「絶対に女性である!」と断定している人が多いのは情報リテラシーの欠如を感じてしまう。

そもそも文体や内容だけで男女が判定できるというのも怪しいと思っている。以前自分は『推しの子』の作画担当である横槍メンゴ先生のツイートを見て、なんとなく「男性かな?」と思っていたが、実際は女性らしいので文体からの性別予測は間違う場合も普通にある。Twitter(X)を見ていても横槍メンゴ先生のことを男性だと勘違いしていたツイートがいくつか見られるので自分だけの間違いでもなく複数が同じ判断ミスを犯す可能性も実際にあるわけだ。メンゴ先生の場合は『君は淫らな僕の女王』という漫画の内容で男性だと思った面もあるけど、どちらにしろ文体だけでの男女判定はそこまであてにならないと思う。

確かにnote記事にあるようにはてなダイアリーの文体は女性っぽい感じはする。それ自体はわからなくもないし実際その可能性もあるだろう。ただ結局は状況証拠にすぎないので断定はできない。なので「絶対に女性である」というような反応がされている一部Twitter(X)の現状を見るとあまりにも「信じたいものを信じすぎではないか……?」と思ってしまう。

今回の出来事に関していえば、はてなダイアリーの筆者の性別をどう判断しようが、何がどうなるわけでもないので正直どうでもいいというのはある。ただ、断定的なレトリックだけの記事という胡乱な情報源から正しいと思い込むという人がそれなりにいるという現状を考えると、もっと重要な問題でその「信じたいものを信じる」という精神が発揮されてしまう可能性もあるのでヤバいんじゃないかと思う面はある。持っている情報では判断がつかないことを自分の好きなように断定したくなる気持ちはわからなくもないが、判断保留した方が良い場面は多々あると思う(不確定なことを根拠なく確定させないのは重要だと思う)。

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