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『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』5巻の感想

※『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』5巻までのネタバレがあるので注意!

久々によう実を読み進め2年生編の5巻を読み切ったので感想を書いていこうと思う。

毎度のことながら「なんでそんな試験するの?」と感じるような教育効果として疑問に思うレベルの試験が繰り広げられる。このあたりのエンタメ極振りな感じが逆に良い。この作品をもし評論家の人が読んだら「昨今の教育意識を反映していて云々」みたいな感じで苦言を呈すかもしれないけどエンタメ作品にそんな面倒くさい理屈は不要なのである。

この巻では意外な人物が退学することになってしまう。今までにも退学者はいたが、ほとんどサブキャラのような立ち位置でぶっちゃけ退学になろうともそこまで物語には影響がない人物だった。しかし今回はヒロイン候補の1人ともいえるような愛里が退学することになってしまう。

これはとても衝撃的な展開なんだけど、実はこの巻を読む前からネタバレを踏んでしまったので知っていた。これは本当に悔やまれるなと思う。ネタバレを知らなければ退学するのは完全に櫛田だろうという線で物語を読み進めていたと思う。ネタバレなしで最後の衝撃を体験したかったと強く思った。

でも堀北さんの櫛田を残すという選択ってどうなのかなと思った。裏切っている人物を退学させるためにクラスメイト達を賛成で統一させたのに、それを覆して落ちこぼれの愛里を退学に追い込むという判断。明らかにクラスメイトの間に不和が生まれるし、そもそも櫛田自体が協力してくれるのかもわからないあの状況で櫛田を守るという判断をしたのはちょっと不可解に思えてしまった。

正直このあたりは櫛田をあえて残したほうが衝撃度が増すからという物語的な理由ゆえという風に感じた。確かに展開としてはこの方が面白いけど堀北さんにさせる判断としては明らかに不合理に見えてしまう。今後このあたりに堀北さんなりの理由が補強されれば納得できるけど、やはり物語を盛り上げるために無理やり方向性を捻じ曲げたという印象がぬぐえない気はする。

ただそうは言いつつもこの展開が面白いのは事実だと思う。綾小路の非情さも際立ったし、感情は揺さぶられる。愛里を含む綾小路グループは好きだったからそのコミュニティが崩壊するのは残念ではあるけどより先の展開が気になる。

あと、愛里の退学によって波瑠加からの恨みを買うというのも今後に繋がっていきそうな感じがする。読者の間でささやかれている綾小路が今後別のクラスに移動するんじゃないかという説があるけど、恨まれることで波瑠加も積極的に敵として綾小路を追い詰めてくる展開になる可能性はある。

この作品は今回の愛里も含めて退学者が出まくってるけど、もしかすると退学者は別のところに行って続けて教育を受けている可能性もあるんじゃないかと思う。3年生編の最終盤あたりで山内くんが出てきたらアツい。ホワイトルーム的な特殊教育機関で思想改造された山内がラスボスという展開も面白いと思う。おそらく山内がそうなるのはないけど退学者が再登場するのはやってほしい気がする。

前に2年生編の4.5巻を読んだときはまだ5巻までしか出てなかった気がするけど、もう9.5巻まで出ていて時の流れの速さを実感する。とりあえず最新刊まで一気に読みたいと思いつつもなかなか時間的に全部読むのは難しい。でも面白いしちょっとずつ読んでいこうと思う。

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