2022年9月上旬に読んだ本の感想を書く

三体Ⅲの上巻

2巻でもう決着ついたと思いきやまたまた主人公変わって新展開となる感じの内容。三体特有のダイナミックでスピーディーな展開は面白いけど正直もうお腹いっぱいという感じで下巻を読むのが億劫になっている。ここまで読んできたからには最後まで読もうと思うけどなかなか足が向かないと言ったところ(もちろん面白くはあるが……)。

三体を読んでいると高橋邦子を思い出す。

高橋邦子とはRPGツクールで作った自作ゲームのプレイ動画をニコニコ動画に投稿していた人物である。どの作品でもやたらと奇抜な展開が続き、最終的に社会派な結論で締めるという狂気的な作風の御仁だ。

三体も高橋邦子作品に負けてないんじゃないかというくらい超展開が続く。高橋邦子はギャグテイストだが、三体は真面目なノリで高橋邦子作品をやってる感じがする。フォーマットは近いものだと思うのでどちらか見てない人は両方とも見てみることをお勧めする。

罪と罰

以前から何度も読み直して途中で挫折していたがこの度ようやく最後まで読み通すことができた。さらに言えば今回は話の内容やそれぞれの登場人物の内面描写もそれなりに理解でき、今までは冗長だと思っていたシーンも面白く読むことができた。だからこそ言うけどこの作品は名作。だけど名作だからこそ子の良さというものを上手く言語化できないというのもある。下巻からは特にその良さが心に沁みるな~と思ったシーンが多かったのでそのうち読み直して、そのうえでまた感想を書きたい感じ。1回読み切っただけでは味わいつくせなかったという作品。

1つだけ書いておくと自分の中のマゾ理論とつながった。

これを掘り下げて書くと文章量がやたらと多くなってしまうので要点だけ書くと『僕は天使じゃないよ』というR18ゲーとつながったということである。他者奉仕をしたり苦痛を受けることによって罪意識を紛れさせるというのが似ている。このつながりはそのうち書こうと思う。ただ『罪と罰』はそれだけではないとも思っているのでやっぱり味わい深い作品だと思う。


ライティングの哲学

「アウトライナーの使い方ばっか書いてあるじゃん!」
「それならタイトルにアウトライナーって入れとけよ!」

と最初はキレ気味で読み始めた。なぜならアウトライナーを知らなかったからである。ただ知らないなりに「workflowy」というアウトライナーを使って見たらやたらと使いやすかった。なので今では様々なメモや文章を書くために使っている。そのためアウトライナーを教えてくれたこの本にはとても感謝している。

中盤から後半にかけての著者それぞれの文章も苦しんで本を書いてる感じが良い。文章術の本とかは「こう書け!」みたいな上から目線の先生的立ち位置で指導してくる本が多い。

だけどこの本は「自分たちも書くの苦労してるんですわ……」という悲壮感が伝わってくる。

だからと言って参考にならないわけではなく、逆にその苦労を見せられることによって「そういうやりかたもあるのね~」という発見が結構ある。何気にこういう本は珍しいんじゃないかと思う。普通にオススメ。

医者が教える疲れない人の脳

疲れない体になりたい気持ちはある。だからこそこの本を読んだ。だが結局、運動という強固な壁が立ちはだかる。運動は有効だとわかってても「ダルいものはダルいんだよ!」と言いたくなる。

他にもメラトニンがどうとかセロトニンがどうとか言ってた気もするけど細けぇことは忘れてしまった……でも結局「そういう運動によって脳内物質をうまく活性化させていきましょう!」というノリの本だったと思うのでやっぱり運動するしかないのである……(無理)

塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い

甘々な恋愛ラノベ。作業中に読んだことのある軽いラノベを流しておくと結構集中できることに気づいたのでとりあえずkindleのアンリミで見つけた軽そうなラノベを読んでみることに。読んでみると実際に軽く読めた。男女の視点が交互に入り乱れ相思相愛の中、紆余曲折あり結局最後は結ばれるという話。1巻で結ばれるって今後の話どうするんだろうかという事で続きも興味はあったりする。

最初の方で結ばれる作品なんて『School Days』しか知らないぞ……

流石にないだろうけどここから何人もヒロインが登場し怒涛の愛憎劇に変化する……?軽いラノベだということで読み始めたのに胃痛展開きたら流石につらい。次巻も甘いままのかるーい読み味になっていることを祈る。

日本人のしつけは衰退したか

「日本のしつけって昔に比べると衰退してませんか?」とかいういかにもよくありそうな批判に対してデータで反論する感じの本。

この本の初版が1999年なので昔との比較対象である現在というのがすでに23年前となっておりその時とはまた変わってきている気もする。

ざっくり内容をまとめると「時代じゃなくて家庭環境や階層によっては昔もそんなよくないのでは……?」という感じのノリでこの本は進む。現代を憂うために過去を美化して「あの頃と比べて今は~」としてしまうことはあるが、過去もそんなよかったとは限らないのでは?ということがデータで示されてて面白かった。

小説版のリコリスリコイル

今放送中のアニメ『リコリスリコイル』の小説版。

読書メーターにも書いたけど、やっぱりこの小説は雑さを感じる。あとがきに締め切りまでが短かったと書いてあったけど、それゆえに推敲をそんなにしてないので細かな展開が急だったり、セリフが洗練されてない感じがした。具体的に言うとセリフの言葉選びが微妙でいつもよりキャラに粗雑さを感じた(土井さんへの扱い流石に辛辣すぎないか……あとカナちゃんの事件にしても妙な生々しさが作風違いすぎて違和感あった)。

それぞれの話のモチーフは悪くなかったと思うのでしっかり書けてればこういう違和感は感じなかったのではないかと思う。やっぱり「アニメ放送中に発売したほうが売れるっしょ!」と言うスケベ心を出したのがいけなかったのかもしれない。そういうスケベ心でこの時期発売にしたというのはあくまでも自分の推測に過ぎないが……

良かった点を挙げると、たきなの時折見せる千束への心理描写は良かった。もちろんゾンビ映画のくだりも雑な展開ではあるんだけど、心理描写はそれでもとてもいいと思った。変な事件を主題にするよりもこういうところを前面に持ってきてくれた方が原作ファンとしては嬉しかったかもしれない。人によるかもしれないが個人的に見たいのはたきなと千束の信頼関係なわけでローカルな事件ではないという感じ。

まとめ

最近は調子がいいわけでもないけどなぜか本を大量に読めている。今後もペースが維持できれば中旬・下旬という風に書いていこうと思う。まぁここから急に読書ペースが落ちることもあるし実際に書けるかはわからんけど……気分次第……

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