見出し画像

【アークナイツ】『理想都市-エンドレスカーニバル-』の感想

アークナイツのイベントコミュである『理想都市-エンドレスカーニバル-』を読んだのでその感想を書いていこうと思う。

このイベントでは地下にあるゼルウェルツァという都市を舞台にそこに住むドゥリンという種族とそこに訪れたロドスやアカフラといった面々の交流が描かれるイベントとなっている。ゼルウェルツァ自体は存在すら知らなかったのでまた新たに設定を知ったという感じがあった。ドゥリンという種族も初めて知った。地上に住む人たちとはまた違う精神構造をしているようでその差異も面白いと思う。

ゼルウェルツァのモデルとしてはなんとなくヴェネツィアとフィレンツェなのかなと思った。スディチの師匠の名前もレオナルドダ・ヴィンチモデルと思われるヴィンチだし、水の都+設計コンペもあるので少なくともイタリアの都市をモデルにしているのではないかと思う。だからと言って何がどうというわけでもないのだが、ゼルウェルツァという名前的にも2つの都市を掛け合わせたようなネーミングなのでそう思ったという話。

本シナリオは前半と後半で雰囲気が違うという感じがする。物語の前半はゼルウェルツァに暮らすドゥリンの呑気な様子が描かれていたが、物語の中盤ではもうすぐ爆発しそうな源石鉱脈が見つかり急にシリアスになるという展開だった。この温度差には驚いたけど前半が少し呑気すぎるなと思っていたので後半の若干シリアスな展開は面白く読めたという感じがある。

個人的に良いなと思ったのはスディチが逃げたときの周りの反応である。キャッチはエリジウムに促され自らが旅立ちスディチに役目を任せるという強硬手段をとるけど、デカルチャーは逃げるのも選択肢の一つだと逃げるのを助ける行動をとる。この1つの行動が正解じゃないという描き方が良いなと思った。デカルチャーにも人間味を感じるしこのシーンは好きだ。エリジウムのセリフも良かったしアークナイツはこういった部分でのセリフがとても繊細な感情を拾ってくれているようで個人的にはその雰囲気がとても好みである。

ドゥリンたちを地上に送るということを本当に実行するのかと問われたときにガヴィルが悩むというシーンも良かった。密林イベントでガヴィルの奔放さを知っているからこそガヴィルでも悩むということで重大さが伝わってきた気がする。こういった点を物語的なノリでないがしろにしないからアークナイツは信用できる。

パゼオンカも典型的なポンコツお嬢様で良かった。ガヴィルとパゼオンカの絡みも良かったのでまた見たい組み合わせだ。地上に大量のドゥリンを送った以上、この後に何が起こるかという話も描かれると思うのでとても気になる。数十万のドゥリンが地上に来たら流石にサルゴンが黙っていないというようなセリフもあったように記憶しているので、もしかするとサルゴン政府が関わる大規模な話に繋がるのかもしれない。非常に面白くなっていきそうなので期待大である。

アークナイツ世界全体においての伏線はそんなになかったかなと思ったのでそういった観点で語るべきところはなかったと思うけど個人的にはとても良いシナリオだと思った。次回は『翠玉の夢』を読もうと思う。『樹影にて眠る』はすでに読んでいるので近いうちに感想などを書こうかなと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?