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乳がん治療にまつわるお金の話

会社のアドベントカレンダーで、乳がん治療しながら仕事している話を書くことになったので、ついでに乳がん治療にまつわる経験を残しておこうと思います。

全部で3つの記事になる予定です。

  1. 乳がん治療と副作用の体験記

  2. 乳がん治療にまつわるお金の話(この記事)

  3. 乳がん治療しながら働くデザイナーの話

今回は、前回紹介した治療にかかった治療費や社会保険の制度、保険、給与などの治療にまつわるお金について紹介します。

治療費

治療費は、結婚を機に医療費の積立をしていたので、そこからやりくりすればいいやと高をくくってました。

が、ある日の会計が約10万円で、目ン玉飛び出ました。

目ン玉飛び出た会計の領収書

注射の項目が32,164点。1点10円だそうなので、32万円の高級な液体を体内に入れたようです。別の抗がん剤(パクリタキセル)と吐き気止めだけのときの支払いは、8,500円くらいなので、ハーセプチン・パージェタという薬が高級なようです。このほか、1万円超えは、好中球の減少を抑えるジーラスタという注射も約3万円手術・入院で約20万円のお支払いでした。
また、休職等による収入低下も心配でした。

しかし結論からいうと、標準医療の範囲なら社会保険を使うことで自己負担を抑えることができ、私の場合は収入も大きく下がりませんでした。

自己負担額は9ヶ月間の治療※で約60万円でした。(交通費含まず)、
※術2回(軽手術と乳房部分切除手術 & 入院計12日間 & 化学治療3種合計20回 & 検査や診療

健康のままであれば不要な支払いですが、お酒も旅行も今はできないし、生きるための治療だと思えば高くないかな…と気持ちに折り合いをつけています。
なお、この後も抗がん剤治療や放射線治療、ホルモン治療が続くので、合計がおいくらになるかはわかりません

高額療養費制度

高額療養費制度で、高額な医療費を支払ったときは高額療養費で払い戻しが受けられます。上限は所得や年齢によって異なりますが、例えば年収約370〜約770万円の場合は80,100円+(医療費-267,000円)×1%が自己負担の上限になります。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/

さらに、過去12か月以内に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から「多数回」該当とな り、上限額が下がります。

高額療養費制度があることを最初は知らなくてびびってたので、日本の社会保険まじありがてぇ!と実感しています。

手続きも、事前に申請して限度額適用認定証を発行してもらっておけば、後は病院と健康保険がうまいことやってくれます。

傷病手当

休職すると収入がなくなるので、なるべく休みたくないなーと思ってましたが、病気休業なら約2/3の給与分の傷病手当が支給されます
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31710/1950-271/

安心してがっつり休みましょう。
ただし、休職期間の上限は会社の就業規則によって異なりますのでご確認を。

医療控除

確定申告はこれからなので、まだちゃんと計算してませんが、調べると計算式は以下でした。

<医療費控除の計算式>
医療費控除額(最高200万円)=その年に支払った医療費の総額 - 保険金などで補てんされる金額 - 10万円※

<医療費控除の還付金の計算式>
還付金 =医療費控除額10万円※ × 所得税率

※総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%

保険・共済

私は乳がん家系でがんリスクが高かったので、共済と積立生命保険に女性疾病特約をつけていました。私が加入していた共済・保険の特徴は以下のとおりです。

積立生命保険のがん保障オプション

  • がんになったらもれなく請求できる(ステージ0だと請求対象にならない)

  • 一度請求したら無効になるので、治療が長期化しても再発しても再請求はできない

  • 請求後は、保険料の支払いが安くなる

共済

  • 入院手術したら請求できる

  • 治療の入院・手術は1回とは限らない(私は今のところ2回)ので、何回も請求できる

  • 共済金が安い

おかげで医療費は保険でカバーできています。医療費は積立貯蓄しているし、発病するかわからない病気に対して医療保険は不要派でした。
しかし、いざ病気になると保険金は経済面だけでなく精神的にもありがたかったです。

ちなみに、保険金が医療控除から差し引かれるのは盲点でした…

給与

治療初期の頃は、治療や副作用に不安があって、週4勤務にするなど勤務時間を減らす検討をしていました。また、仕事もこれまで通りできなくなるので、評価や給与も下がるのではと思ってました。
が、今のところ、週5フルタイム勤務でも、同僚たちの協力もあり何とかなってます。(と、思ってる)
また、仕事の評価は治療を加味してくれていて、結果的に給与は下がらずに、治療しながら仕事も楽しくやってます。

治療しながらの仕事の様子は、次の記事で詳しく紹介しようと思います。


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