大手ゲームメーカーは社内スタッフを使ってインディーズゲームもどんどん作るべきである

以前

という記事で、「今後はスクエニはグラフィック素材を一つのゲームで使い捨てするのではなく、複数のプロジェクトで流用して制作コストをおさえていくべき」という案を提示した。

今回はまたそれとは並行すべき別のスクエニ立て直し案で、それは「一プロジェクトあたり5000万円から1億円くらいのインディーズソフトの企画を毎年20本以上ずつ社内で通していく」と言う案。
社内スタッフの育成もかねて社内で結構な数のインディーズ作品を作っていくという話。
ダンジョンエンカウンターズみたいな低予算インディーズゲームを色々作るみたいな。

インディーズゲームは予算はゲームごとにかなり異なっていて、3000万円以下で作っている個人制作者はものすごい多いし、複数人チーム制作でもなんとか1億円以内におさめているゲームもわりとある。

グラフィックとかに凝り出すと簡単に数億円まで膨らむ事もあるものの、だいたい5000万円から1億円を一プロジェクトの予算として設定すると、まぁほとんどのタイプのインディーズゲームが作れる事になる。
ちなみにPS1時代のシンプル1500シリーズなどは一ゲーム予算200万円以下のもわりと多かったと聞く。

こういう5000万円から1億円くらいの低予算プロジェクトを「スクウェアエニックスインディーズ」という枠組みで、毎年20本以上企画を通して社内スタッフで作っていき、完成次第リリースしていくという感じ。
それぞれのソフトは少人数で一年から長いのでも2,3年で完成させる事になる。

ゲームは売れ行き増やすためにswitch次世代機、PS5、XBOX、PCなどマルチでリリースする。

社内で毎年20本以上のインディーズゲームの企画を通していくという事は、社内スタッフの育成になる。
今の予算が大きくなったゲーム制作はかなり保守的になってしまって、結果として「新人や経験の浅い人物にゲームのディレクターをさせて育てる」という事があまり軽々しくできなくなっている。
でもこの「スクウェアエニックスインディーズ」枠を使えばそういう新人や経験の浅い人物に小規模予算でゲーム制作をさせて育てていく事ができる。

1本あたり5000万円から1億円で20本だと予算的には毎年10億円から20億円くらいの範囲でこの枠で消費していく事になる。
社内スタッフの育成になるし、20本の中にはそこそこヒットする物も出てくるだろうから、ある程度予算は回収していくのではと思う。

小規模タイトルだからこその新しいゲームアイデアなども生まれ、それを自社IPへ取り込み新しいゲーム性の追加やマンネリ化を防ぐ事にもなる。

<社内でインディーズゲームを作る事のその他の利点>

大手ゲーム会社が社内で小規模なインディーズゲームを毎年結構な数作っていく事は他にも利点がある。

・社内スタッフによる開発中のインディーズゲームのクオリティチェックやアドバイスが可能に

社内で抱えている色々なクリエイターのアドバイスなども取り込んでインディーズゲームをブラッシュアップしていける。

・自社が保有しているグラフィック素材や音楽素材の流用

スクエニ社内でインディーズゲームを多数作っていく事になるが、その際「会社が保有する色々なゲームのグラフィック素材や音楽素材はこのスクウェアエニックスインディーズのゲームでも自由に流用しても良い物とする」みたいにすべき。

FFシリーズとかフォースポークン、その他色々なゲームのグラフィック素材や音楽素材を使って作れるという風に。

聖剣伝説の新作のグラフィック素材だったり、サービス終了したスマホゲームのグラフィック素材とか音楽素材、そういう色々な社内保有素材を流用する事で、よりリッチなグラフィックのインディーズゲームがコストを抑えて作る事ができるようになる。

何度も作り直しているという噂のドラクエ12も、そのグラフィック素材を過去廃棄分も含めてこちらで使えるようにしたり。


・大手メーカーのブランドで売れ行きアップ

普通にインディーズゲームを出すだけよりも、「スクウェアエニックスインディーズ」みたいな枠組みで出して宣伝していくと一般的な他のインディーズゲームよりは知名度アップになり売れ行きも増えやすい。


今回はスクエニで話をしたが、「社内で小規模タイトルを何十本も毎年企画を通してインディーズ枠で作っていく」という事はカプコンやコナミ、コーエーテクモやバンダイナムコなどもやっていくべきだと思う。
社内スタッフの育成になるし、意外なアイデアの作品も誕生し、そのゲームを自社がIPとして保有する事は色んな点でメーカーにとって利点が多い。

「インディーズ作家の作品を自社がパブリッシャーとして出す」ではなく、「社内スタッフにインディーズゲームを作らせる」なのでお間違いないよう。

決算的に大手ゲームメーカーは最近は好調な業績を叩きだしているが、そのうちの数十億円は「スクウェアエニックスインディーズ」とか「カプコンインディーズ」「コナミインディーズ」「コーエーテクモインディーズ」「バンダイナムコインディーズ」みたいなブランドを作って小規模タイトル開発に毎年投資していくべきだと思う。

AAAタイトルも作りつつ、こういう先祖帰りみたいな昔のゲーム作りに近い事もしてスタッフ育成をしていくべきではないだろうか。