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<知っておくべき>家庭における火事対策 第十六回 収斂火災

家庭での火事を予防するためのシリーズ第十六回。
今回は「収斂火災(しゅうれんかさい)」の解説です。

小学校の理科の実験でもあったように虫メガネなどで太陽光を集めるとピンポイントで温度が高くなり収斂火災を発生させます。

収斂火災は窓際に光を収斂させる物を置いていた場合に起きやすいです。
昔は水の入った金魚鉢で火災事故が発生しましたし、液体の入ったペットボトル、インテリアの卓上照明やインテリアオブジェクトの一部にレンズ効果のあるパーツがあってそれを窓際などの光が差し込む場所に置いていたという事でも火災発生の原因になってしまいます。
窓が透明でそれなりの光が差し込む場所には光を集める物を置かないように気を付けてください。

収斂火災は車の中でも起きる事があり、これも液体の入ったペットボトルをダッシュボードの上に放置していたという事や、ガラス玉が車内に転がっていた、透明の吸盤がついたアクセサリーをフロントガラスに貼り付けていたなどでも太陽光が収斂して車内を燃やし出す事があります。

レンズでの収斂効果ばかりがよく取り上げられますが、レンズは屈折性の収斂となっています。
それ以外にも反射性の収斂もあります。
金属的な物で光をよく反射する物が良い感じで湾曲している事でも太陽光を収斂した形で反射させ強い熱を発生させて物を燃やし出します。
この原理を利用したキャンプ用の火を一切使わない太陽光式加熱調理器もあります。

屋外に置いていた金属製のボールが良い感じで太陽光を集めてしまい、それが壁や軒下の天井などに太陽光を一点集中させて燃やし出すという事にも気を付けましょう。
光がピンポイントに集まらなければそこまで温度は上がりません。

  

家庭における火事対策シリーズの第一回目はこちら
一回目から順番に読んでいきましょう。

<知っておくべき>家庭における火事対策 第一回 序章


次回:「仏壇火災をどう無くすか?」