アニメ業界の状況を改善する新しい取り組みの話

今回取り上げるのは「アニメ業界の人手不足の解消」と「日本のアニメーターの技術力を底上げする」というのが主眼となっていて、個々のアニメーターの収入アップについては以前書いた以下の記事を後で読んで参考にしていただきたい。

アニメーターの収入を増やす方法(作画系)
https://note.com/tokumeinanasi/n/n2751e78287bc

アニメーターの給料がかなり安いのは今さらの話ですが、おかげでなかなか人が集まらずに色々なスタジオが人手不足となっています。
「給料安くてもアニメ制作に携わりたい」という事で入ってくる人も毎年いるでしょうが。

今回提案する新しい取り組みは、「アニメ業界の人手不足を多少は緩和する事になる」という効果があるのと同時に「アニメーターの作画技術力を向上させる」という効果もあります。
またアニメーター全体の作画技術が向上するとリテイクなどの回数も減り、現場スタッフの負担減にもなるでしょう。

それでは具体的に何をやったらいいかと言うと、「スタジオの垣根を越えて作画技術を高めるためのノウハウをライブラリ化し、それをアニメーターは好きな時にPCやスマホなどで閲覧する事ができるようにする」という事。

アニメのスタジオでは技術力のある人に作画に関する色々なノウハウを叩きこまれる事になりますが、基本的にその都度「ここはこういう風に直した方が良い」という感じで指導を受ける感じです。
その時その時に一人ずつに教えていく(実際に描いたり、参考メモを描く)という感じで効率が悪いというか。
その指導の時に伝えた作画のノウハウをどんどんライブラリ化していき、アニメーターなら誰でも好きな時に閲覧できるようにしたらどうかと思うのです。

個々のスタジオ単位でやるより、アニメ業界で手を組んでこの取り組みのための資金を用意し、配信サーバーなどを構築してノウハウのサーバーへの投稿などを行えるようにして一元化し、どの日本のスタジオでも所属しているならアニメーターはログインIDやパスワードを取得してアクセスできるようにします。

このように「自分のペースで好きな時に膨大な数の作画技術向上のノウハウを見る事ができる」ようになると、個々のアニメーターのレベルもアップしやすくなり、また現場にとっても「クオリティが低いからリテイク」や「その都度細かく教える」というのを幾分か減らしていけるという効果もあります。
かつかつだった現場も多少は時間的な余裕が増える事に。

また、「アニメーターになれば、アニメ業界で培ってきた膨大な作画に関するノウハウを学ぶ事ができる」という事になると、これは絵を仕事にしたい人にとってはずいぶんと魅力的な話です。
これを目当てに「給料安くても自分の作画力をアップできるなら」という事で腰かけ的に数年アニメーターをやろうという人もわりと出てくるでしょう。
「腰掛的に数年だけアニメーターをやられてはたまらない」という意見の人もいれば、「いや今のアニメスタジオは人材不足がひどいから、腰かけ的に少しの期間でも在籍してくれる人が増えるのは本当にありがたい」という意見の人もいるでしょう。
腰かけ的に数年いるつもりだったのが、やがてアニメ制作の魅力にはまり、そのままアニメ業界を選ぶという人も。

元アニメーターで漫画家やイラストレーターになった人もわりといますが、やはり作画に関するノウハウをしっかり叩きこまれた人は画力のかなり高い作画をしています。
漫画家のアシスタントをするとどちらかというと背景の作画を鍛えられる事になりますが、アニメーターの場合は人物表現の鍛錬が多い。
「将来漫画家やイラストレーターとして成功したい」という人は「数年アニメーターをやって作画に関する技術をどん欲に学びまくる」という事をやる人も今回の新しい取り組みをやり出すとそこそこ増えてくると思います。

「給料安いけど、給料もらえる上に作画に関する技術を鍛えられるし、膨大な数の作画ノウハウを好きな時にPCやスマホで閲覧できる」となると、毎年そこそこ多くの人がアニメーターを選択肢として選ぶという事にも。

アニメーターは待ち時間などが不規則に発生すると思いますが、ある程度作画の技術力がある人がその待ち時間に作画に関するノウハウをサーバーにどんどん投稿したり、その見返りとしていくらかスタジオやこの仕組みを取り仕切る団体から褒賞を得られるようにしたらどうかと思うのです。
(後述するように国がこの取り組みにそこそこ予算を出すと良い)

日本のアニメ業界は給料の安さが問題の上、「外国のアニメのクオリティがかなり高くなってきている」という事で昔よりもっと競争力を求められているようになっています。
今回提案した取り組みは、日本のアニメーターの全体の作画技術を向上させる事にもなるので、よりクオリティが高い作品を生み出す事ができるようになって国際的にも日本のアニメの競争力が増すのではないかと思います。

この取り組みにはある程度金がかかりますが、アニメ業界だけで運営費を用意するのではなく、国が支援金をそれなりに拠出するというのが良いでしょう。

アニメ業界関係者の方は是非この提案を真面目に検討されてみてください。
「なかなか面白い提案だった」と思った人は、X(twitter)でこの記事を紹介してみてください。


こっちの記事も良かったらどうぞ。
switch2(次世代switch)の値段をそこそこ下げる画期的な方法
https://note.com/tokumeinanasi/n/n953f0d24fee2