kindle unlimitedでの利益を増やすためにコマ数を減らした漫画も検討してみるべき
以前にも同じような話をしたと思いますが、出版社を介さず自分で漫画をkindleで有料で出し、kindle unlimitedでも読ませて儲けを増やそうとしている人は、
・一ページあたりのコマ数を従来の漫画よりは少し減らし、その分ページ数を増やす事で一冊読み終えた時のkindle unlimitedでの儲けを増やす
という事も検討してみてはどうでしょうか。
<kindle unlimitedはページ数が多いほど利益が増える>
紙の本を出す場合はページ数は無駄に増やせない一方、自分で電子書籍のみ出す場合はページ数はいくらでも増やせます。
また、kindle unlimitedは今現在のレートでは一ページあたり読まれると0.5円が入ってくるという感じになっているようです。
これは漫画も小説も雑誌も同じような感じに設定されています。
「同じ内容の本でもページ数が増えるほど一冊読まれた時の利益が増える」という事で、元からkindle unlimitedで読ませるつもりの文章本の中には「レイアウトを固定にして文字をかなり大きく表示してページ数を膨らます」みたいな事をしている本も最近はわりと見かけるようになりました。
テキスト形式ではなく画像形式で文字の本を作って。
個人出版の本ではこういうのが今はそこそこあります。
通常の文字サイズだと20ページも無いような内容の本が、文字サイズをかなり大きくして50ページ以上に水増しし、kindle unlimitedで一冊読み切られた時の儲けを元の10円以下から25円以上へと、2倍以上に増やしているのです。
<漫画もkindle unlimitedを想定したコマ割りで作ってみるという手も>
漫画の場合はコマ割りは作者の判断にゆだねられています。
アクション系の漫画の場合は絵を大きく見せるために一ページあたり1から3コマというシーンもわりとあります。
逆に一ページ内のコマ数が6コマから8コマくらいと多い漫画もあります。
細野不二彦さんや手塚治虫さんは一話完結型の話が多く、話を濃密にするために一ページに7,8コマやもっと使う事もわりとありますね。
通常の漫画の場合はきちんと想定したページ数内におさまるようコマ割りして作っていく必要がある一方、電子書籍で自分で漫画を出していく場合は一話一話のページ数は厳密に設定する必要はないと思います。
「一ページあたりのコマ数を減らし、その分総ページ数を増やす」という事が電子書籍オンリーで出す漫画の場合は可能で、そういうページ数を増やした漫画はkindle unlimitedで一冊読まれた時の利益も1.5から2倍くらいに増えるという事になります。
<コマを大きくする事には他の利点もある>
一ページあたりのコマ数を減らすとコマが大きくなり、絵がより大きくダイナミックに表示されるという利点もあります。
また、電子書籍の漫画はipadなどの大きいタブレットで読むならともかく、スマホで読むと小さいコマは絵も文字も読みにくくなったり細部がよく表示されないという事もあります。
タブレットでしか自分の漫画をチェックしていない人は画面の小さいスマホでも時々チェックする習慣をつけるのをおすすめします。
一ページあたりのコマ数を減らしてコマサイズを大きくすると、「スマホでも読みやすい」という漫画になります。
fliptoonなどの縦読み漫画はだいたい一ページ一コマから三コマくらいで構成されているのも多いですが、これは「小さいスマホでも大きく絵も文字も表示されて読みやすい」という利点があり、縦読み漫画が一定の人気を博している要因の一つではないでしょうか。
kindle unlimitedで読ますつもりの漫画の場合、縦読み漫画と普通の漫画の中間的な「一ページあたり1から4コマ程度で構成する」みたいな事も考えてはどうかと思うのです。
その分一冊の総ページ数を増やして。
最初から一ページ3コマや4コマで表現している漫画も今はわりとあり、そういうのはそこからコマ数を減らすのは厳しいでしょう。
でも一ページで5コマ、6コマ使っていた漫画の場合は少しコマ数を減らしてページ数を増やす事が可能でしょう。
<四コマ漫画はどうページ数を増やすか?>
四コマ漫画の場合も同様にページ数を増やす事も考えてはどうでしょうか。
一般的に出版社から出す四コマコミックの場合、「一ページあたり二本の四コマを乗せる」という風のが多いです。(計8コマ掲載)
これもやはりスマホで読もうとすると各コマが小さく読みにくい。
最近は「一ページに四コマを1本だけ載せる」という形式の漫画もありますが、縦に並べて4つのコマを表示する方式だとコマサイズはどうしても小さくなってしまいます。
コマを大きく見せる意味も込めて、「四コマを一ページ1本掲載ではなく、2コマずつにわけて表示していく」みたいなのも検討してはどうかと思います。
kindleインディーズ漫画ではすでにこれをやっている作品もいくつかありました。
最初の2コマは「その話のタイトル+最初の2コマ」という感じで表示し、次のページで落ちとなる残り2コマを表示するというスタイルです。
話ごとにタイトル表記がないとどのページが最初の2コマかわからなくなる場合があるため、各四コマは毎回タイトル表記は必須でしょう。
2コマずつ掲載は一ページ4コマ一気に載せる方式よりページ数が二倍に膨らむため、kindle unlimitedでも一冊読み切られた時の儲けは二倍に増えるでしょう。
たとえば普通の掲載形式で100ページの四コマコミックも、200ページに膨らむわけです。
また一気に4つのコマを表示する形式だと「ページをめくった時にオチが目に入ってしまう」という事がわりとありますが、2コマずつ表示すると良い感じでオチは次のページをめくるまでわからないので、四コマ漫画をより面白く感じさせる効果もあります。
<デメリットは無いのか?>
ページあたりのコマ数を減らしてコマサイズを大きくすると、「コマが小さい時よりは絵をしっかり描かないといけない場合もある」というデメリットもあるでしょう。
小さいコマではキャラの顔の作画が簡略化できたり背景もわりと手抜きできたのが、大きいコマだともう少しきっちり描かないと駄目になったり。
こういう感じで、元から電子書籍でしか出さず、kindle unlimitedでも読ませて儲けを増やそうとしている漫画の場合、「一ページあたりのコマ数を従来漫画よりは少し減らし、その分総ページ数を増やす」という事も考えてはどうかと思います。
「将来紙のコミックも出す」という場合はページ数が増えて紙のコミックの価格が上がって売れなくなってしまいますが。
縦読み漫画のように一ページ一コマとかだと漫画として違和感がありますが、一ページ基本的に1から4コマくらいの間で作っていくみたいな。
今の漫画は一ページ3,4コマで構成されているのもわりとあり、そういう漫画ももう読者は結構慣れていると思います。
より印象的にしたいシーンでは一ページ1,2コマとなったりも。
今現在「一ページ5、6コマで作っている事がわりとある」という人はkindle unlimitedでも読ませるつもりの漫画は今回提示したように作り方を変えるのを検討してみてください。
今後は団塊Jr世代もどんどん50歳を超えて老眼になる人が増えていき、そういう数が多い人達にもこういう「一コマ一コマが比較的大きく表示される漫画」というのは文字や絵が読みやすくなるので、受けやすくなるのではないでしょうか。