円安で大きく膨らむ国の歳出。年間140兆円以上必要にも

数年前に通常は年5兆円くらいだった防衛費を5年で43兆円と大幅に増額した事で賛否ありました。
この増やした軍事費は1ドル108円換算で物資の購入調達を予定していたようですが、最近の大幅に進んだ円安のせいで43兆円に増額した時より3割ほど物質が調達できなくなるという試算が出てきたようです。

もし1ドル155円以上の円安で再計算すると、必要な軍事費は43兆円ではなく50兆円以上に膨らむのではないでしょうか。

行き過ぎた円安で膨らむのは軍事費以外も同様で、国の歳出は最近は110兆円を超えていますが、この予算は円安のことをきちんと考慮して設定はしていません。
そのためサービスや建築系の補修や建て替え費用が今の予算では大きく不足しています。

数年前の1ドル110円前後の時代に100兆円を超えていた歳出を、今1ドル155円より安い円安で計算すると本来必要な歳出はもっと膨らむはずです。
物価高はもちろん物価に合わせて人件費も上げないとダメなので、国の歳出は140兆円以上に設定するのが本来の正しい予算設定ではないでしょうか?

110兆円の歳出で70兆円の歳入だと40兆円の不足になりますが、歳出が円安のせいで140兆円以上に膨らむと、歳入が多少増えても不足額は60兆円を超えてしまいます。
国の借金がますます加速して増えていき、将来世代に重い負担を残します。

行き過ぎた円安を放置する事がいかに大きな経済ダメージを国に与えるか、政府も日銀もそろそろまともに意識すべきではないでしょうか?
多少の利上げで受ける経済損失より円安で受ける経済損失の方がはるかにひどいダメージを国に与えているということを。

「利上げすると借金の利払いが増えるので企業の投資や店の開業が減る」という事で反対論がありますが、そもそも「大幅な円安を放置すると当たり前のように工場やマンションの建築コストや物資の購入コスト、店の開業コストも大幅に膨らんで企業の投資や店の開業熱を大きく冷やす」という視点が欠如しているように思います。

また今現在すでに開業済みの店や内需向けの企業も大幅な円安のせいで利益がかなり減らされて、利上げされた時に増える借金の利払いの増加よりも大きい損失を受けてるところも多い状態です。
今後経営が悪化して倒産する内需系の会社や廃業するお店も増えますが、それは国や日銀の間違った経済政策による物としか言えません。