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<知っておくべき>家庭における火事対策 第三十回 互換バッテリーや中古品が引き起こす火事

家庭での火事を予防するためのシリーズ第三十回。
今回は「互換バッテリーや中古品が引き起こす火事」の話です。


先日ANNチャンネルでアップロードされた、非純正バッテリー(互換バッテリー)による火災の映像です。


「純正品より価格がかなり安い」「古い製品では純正バッテリーが入手できない」などの理由で、非純正の互換バッテリーを使うという人は多いです。

しかし、互換バッテリーは純正品ほど安全性に気を付けて作られていないのも多く存在し、製造コストを抑えるために本来リチウムバッテリーでは備えていないといけない出火対策の機構がきちんと組み込まれていない粗悪な物もあります。

偽のPSEマークを付けて売っているのもあり、「PSEマークが付いているなら安心」でもありません。

また、以下の小寺信良さんの記事でも解説されている通り、

互換バッテリーは互換バッテリー用の充電器で充電しないと出火する事がある」というのを知らず、純正バッテリー用の充電器で互換バッテリーを充電してしまい火事を起こす人もいます。

互換バッテリー品については専用の充電器が付いていなく別売りになっていたり、専用の充電器が別売りすらされていないのもあります。

このように互換バッテリーは純正バッテリーほど安全性は高くないため、可能なら互換ではなく純正バッテリーを購入・使用するのが推奨されます。
しかし古い製品は純正バッテリーの製造が終了しているのも多くあり、互換バッテリーに頼らざるをえないというケースもあります。

また、純正品であっても古いバッテリーはバッテリーの膨張が起きてしまい、ショートによる出火リスクがあるというのも気を付けておくべきです。


互換バッテリーや古い純正バッテリーを使用する時や、バッテリーが内蔵された古い製品の取り扱いについては

・バッテリー充電の際はそれぞれ専用のバッテリー充電器を必ず使用する事
・万一充電中に出火する事があるので、絨毯や畳、布団の上で充電するのではなく、あまり物を置いていない大きな机の上(可能なら木製以外の素材の机)で充電するのが住宅火災予防として望ましい
・出火すると爆発して火がちらばる事もあるので、大きな机の上の中央で充電するのが良い(コードをつぶさないよう気を付けつつ金属などで蓋をできたらなお良い)
・充電の際には起きている人が近くにいるのが望ましい
・睡眠中の充電はあまり推奨できない(出火した場合そのまま火や煙に巻き込まれて自分や家族が死亡する)
・充電する部屋には天井などに火災報知器を設置していると火に気づきやすくなる

など注意しましょう。


また、充電中以外にも互換バッテリーや古いバッテリー搭載製品は突然出火してしまう事もあります。

以前の

でも解説したように、

使用していないリチウムバッテリー搭載製品は、突然出火しても火が周辺に燃え広がらないようにロック機能が付いた金属ケースの中にしまっておく(機器使用後は金属製のアタッシュケースや金属製の工具箱の中へ入れる習慣にする)
・その金属ケースも絨毯や畳の上に置くのではなく、内部が高温化した時もケースが熱くなって周辺の物が燃え出さないよう、ケースの設置場所を考える

という対策で家庭での火災リスクを減らすのを強くおすすめします。


ゲーム機のnintendo switchはリチウムバッテリーを搭載している製品ですが、購入からすでに5年以上経過している家庭も多く、ヘビーに使用されて中には内部でバッテリーがそこそこ膨らんでしまっているのもわりとあるでしょう。

switchは基本的にドックに挿して外に出しておく事が多いですが、その本体(ドック)の設置個所にも今後は一応注意しておくべきだと思います。

長く使用してきたバッテリーは外見では問題なく見えても内部でバッテリーがそこそこ膨らんでいる事があり、その状態では充電中や使用中、何も無い時に突然出火する事もあります。

一応純正バッテリーは火災リスクを減らすための安全機構が何重も仕込まれてそうそう出火はしないのですが、古くなった製品のバッテリーはそれでも出火してしまう事もあります。

今後登場するswitchの後継機を購入したら古い製品は廃棄する事を検討するのはもちろん、今switchのドックを設置している場所は「突然出火しても周辺に火が広まりにくい場所にする」という風にしてみましょう。

金属ケースにしまえる物はともかくswitchみたいにずっと出しっぱなしになってしまう製品の場合は火災リスクを減らすためにこのような工夫が必要だと思います。

またswitchではなくswitch liteの方は使用後は金属ケースの中にしまっておけば火災リスクを減らせるでしょう。

色々なゲーム機の無線コントローラーもリチウムバッテリーが搭載されていますが、外に出しっぱなしの人もいます。
粗悪なバッテリーを搭載している製品も多く、また純正コントローラーでも古い物は内部でバッテリー膨張が起きているのは出火リスクがあります。

そのため無線コントローラーは使用後は工具箱などの金属ケースの中にしまうのをおすすめします。

ゲームクリエイターの桜井政博さんやゲームコレクターの方達もリチウムバッテリー搭載のゲームコントローラーの収納方法については考えておかないと、しまっていたコントローラーから出火して大事なゲームコレクションを火事で一気に失ってしまう事がありますので注意しましょう。
(コレクションだけでなく他の大切な物や自分の命も失う事も)

  

家庭における火事対策シリーズの第一回目はこちら
自分の大切な物や家、自分や家族の命を守るために一回目から順番に読んでいきましょう。

<知っておくべき>家庭における火事対策 第一回 序章

次回は「漏電ブレーカーで火災リスクを減らす」です。