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漫画を描く人達はメンタルダウンをどう予防すべきか?(趣味でも商業でも)

記事の見出し画像はみんなのフォトギャラリーから、自分防衛軍さんの画像を使用させていただきました。


文章量のかなり多い記事のため、時間がある時にゆっくりと読んでください。


<メンタルダウンは作品の質も売れ行きもかなり低下させてしまう>

漫画に限らずゲームや小説、音楽、映像とかの他のコンテンツ制作でもそうですが、

『メンタルが悪化した状態で物作りをしてしまうと良い物が作れない』

というのがあります。
メンタルダウン状態で作った物は大抵作品の完成度も低くなってしまい、当然の低評価、売れ行き低下を招いてしまいます。

逆にやる気に満ち溢れている状態ではより作品制作に力が入り、作品の完成度を高めて売れ行きも増やしてくれます。

趣味でも仕事でも創作活動を続けるには「自分のメンタルダウンをどうしっかり予防していくか」「やる気がきちんとある状態にするか」というのは本当に大事です。

今回の記事では、「趣味や商業で漫画を描いている人達はどうやってメンタルダウンを防ぐか?」について書いてみたいと思います。

メンタルダウンについては、「気持ちの落ち込み」や「やる気の低下」だけでなく、「集中力低下」「思考力低下」など、脳のパフォーマンス低下も含みます。


<脳が疲労した状態では必ずメンタルが悪化するし、頭もきちんと働かなくなってしまう>

脳が疲労した状態になると、必ずメンタルが悪化します。
感情面の悪化だけでなく集中力や思考力の低下も起きてしまい、良い漫画作りができなくなってしまいます。

脳疲労により脳内物質の分泌量が低下する事による感情の悪化、さらに脳疲労は頭の働きもかなり悪化させてしまいます。

特に気を付けないといけないのは脳疲労が溜まりやすくなる40代からで、以前書いた以下の記事のように生活で色々な事に注意して脳疲労を軽減していかないといけません。

40代から漫画家や小説家がスランプに陥りやすくなるのはこれもあるでしょう。

20代、30代はまだ脳疲労の回復が早いですが、それでも頭を使いすぎの生活というのは脳疲労を溜める事になり漫画作りに影響が出てくるので、若い人も脳を疲れさせる行為はほどほどに。

スマホの触りすぎ」「興奮する事が多い」「甘い物の飲食しすぎ(血糖値をよく上げてしまう)」はいずれも脳をずいぶんと疲れさせます。

また趣味で漫画を描いている人で普段の仕事はデスクワークで頭をかなり使う場合、「漫画制作以外の趣味では頭を使う事は減らした方が良い」という事になります。
漫画制作自体がかなり頭を使うため、他の事で脳を疲れさせる事はできるだけ減らすように。


仕事で漫画を描いている人達は「脳をしっかり休ませる時間を必ずこまめに設ける」というのは大事です。
休憩をあまり入れず脳疲労のまま漫画制作をするより、休憩を合間に入れて脳の疲労を減らしながらやった方が良い漫画を作りやすくなります。

休憩と言っても、休憩中にスマホを触っては全く脳の休憩にならないので注意を。

<適度に体を動かすと脳の調子も良くなりやすい>

軽い運動は脳の調子を良くする効果があるのが色々な研究で分かっています。
運動と脳の関係についての本も色々出ています。

日課として屋外をゆっくり散歩したり、室内で軽く体を動かす体操をやってみるのをおすすめします。

仕事も座りっぱなしではなく時々立って軽く全身体操をしましょう。
頭を空っぽにして数分間ゆっくり色々なポーズをする時間を時々入れると、良い感じで脳も体もリフレッシュできます。


<作品が低評価された時は>

自分が公開した作品が低評価される事は良くあるでしょう。

低評価の割合がかなり多い場合は、「自分の作品にはまだまだ未熟な点が多かった」や「受けが悪かった理由が何かある」と反省して、よりよい作品作りのために作画や内容のクオリティアップ、己のスキル向上、どう一般受けを狙うかなどに力を入れていくべきだと思います。

未熟な作品が評価が低くなるのは当然で、「己のスキルをもっと磨いていけば良いだけ」と考えて落ち込む必要はありません。

むしろ「自分の駄目な部分を見つける事ができた。これでまたスキルアップができる」と前向きに考えるとメンタルダウンを回避できるでしょう。
成長の糧を得る事ができたと喜ぶべき。

またそこそこ良い評価が多く、たまに低評価が付く場合は、「この作品はその人にあわなかっただけ」であり、これも自分の気持ちを落ち込ませる必要はありません。

他にも今は作品叩きで憂さ晴らしをしている人も多く、そういう人のレビューで落ち込むのは損なだけです。

「一般受けしにくいだろうが自分はこれが描きたかった」という場合も、当初から一般受けしにくい事は自分でも理解しているはずで、これで評価が悪くてもあまり気にしないように。
「一般受けしなくても誰かに突き刺されば良い」という作品もあります。


<自分の作品がなかなか読まれない場合は>

自分では良い作品を作ったはずなのに、SNSや投稿サイトで公開後になかなか読まれないという事はあるでしょう。
商業連載で漫画アプリ連載でも、お気に入りの登録人数やPV数が増えないという事で落ち込む人もいるでしょう。


趣味でSNSや投稿サイトで漫画を公開している人の場合は、「もっと他のところでもその漫画を公開したり、漫画を宣伝する事に力を入れる」という風に考えてみましょう。

実際に漫画の公開場所によって受ける漫画がずいぶん異なり、閲覧数がかなり違ってきます。
noteでもそういう報告をされている方をよく見かけます。

また、「多くの作品は作品公開後からいきなりヒットするわけではない」というのを意識し、もっと長いスパンで閲覧数が増えていくのをのんびり待つようにしてみたりも。
ゆっくりじわじわ閲覧数が増えていき、ある日インフルエンサーが紹介して一気に増えるという事もあります。

ゲームの場合ですがswitchのスイカゲームはリリースから二年くらいは鳴かず飛ばずの空気みたいな存在でした。
今は1000万以上売れた化け物ゲームであっても、二年くらいは低空飛行でひどい売れ行きだったようです。

このようにエンターテインメントの世界では「評価されるまでかなり時間がかかる」という事はよくあります。

死後はともかく、「自分の生きているうちにきちんと評価されたりそれなりの売れ行きに達したら良い」と考えてはどうでしょうか。



ただ、雑誌や漫画アプリでの連載の場合は人気が無いと打ち切りを食らう事になるのでのんびりできません。

商業連載の場合はSNSなどで今連載中の漫画のキャラのラフイラストやミニ漫画を描いて時々公開する事でその漫画に興味を持ってもらって読む人を増やしていけます。

またSNSで話題になりそうなシーンを作中に入れたり、テコ入れ的により魅力のあるキャラを複数投入したりも。

人気が無かった作品が新キャラの登場や新展開で話題になって人気が出てくるという事は時々あります。

という記事も良かったら参考に。


<お金や評価以外にも何か得る物があると感じ方もずいぶん変わってくる>

作品が多く売れたり、評価が多く付くという事は嬉しい事ではありますが、それにのみ価値を求めてしまうと思ったように売れなかったり評価が少ない時は心理的なダメージが大きくなります。

しかし「今回の漫画では色々学ぶ事が多かった」とか「自分のスキルアップにつながった」、「ずっと描きたかった物を形にできた」「自分の作品をまた一つ増やせた」など、何らかの得る物がきちんと別にあった場合は、売れ行きや評価にそこまで価値を求めず心理的にも多少楽になると思います。

noteやXで連載漫画を公開している人も、まとめたのをkindleインディーズで出すつもりなら、「kindleインディーズ用の漫画のページがまた少し増えた」という満足感が毎回生まれて、noteでのスキの数はそこまで気にしないのではないでしょうか。

noteやXで評価数が少なくてもkindleインディーズで後からだいぶ経ってダウンロード数が増えていくという事もあります。


<「どうせ頑張ってもまた売れない」と思ってしまったら>

商業で漫画を描いてきた人は、何らかの作品でヒットが出たら良いのですが、ずっとヒット作品が出ないという事もあるでしょう。

その場合に心理的に陥りやすいのが「どうせまたこの作品も売れないのだろう」という、自分で自分のメンタルを大きく悪化させる考え方。

「どうせ売れないのだろう」という気持ちで漫画作りをしても、当たり前のようにやる気が無くなって作品の質をかなり低下させ、売れなくさせてしまいます。

「今度こそは売れる!」「もっと読者を楽しませる!!」と意欲たっぷりな状態で漫画作りをした方が、より作品作りに力が入り完成度や作品の魅力を高め売れ行きを増やします。
「自分でも納得の内容なので、急には売れなくてもこの作品は将来きちんと評価される日が来るだろう」と考えたりも。


雑誌や漫画アプリ連載中の作品でコミック一巻が出たら売れ行きが悪くて、そこで心がへし折られそうになる事もあると思います。
でも、「ここからどう立て直すか?」と考え、その立て直しのための策を色々やってみる事をゲームのように楽しんでみてください。

悲観したらそこで終了です。でも楽しみながら窮地を乗り越えてみませんか?

大抵の成功というのは、足掻きもがき勝ち取る物です。
その足掻く事・もがく事を楽しめるようになると、作品作りの感じ方も変わってきますし、それを楽しめる人はやはり最終的にはいずれかの連載でしっかり成功を掴む事ができるでしょう。

「捨てる神あれば拾う神あり」のごとく、もし打ち切りが確定しても最後まで足掻いた人というのは他の出版社の人の目に留まり、また新たな作品制作に関われるというのもあります。


<「何十年後も、もっと先も読まれる作品を作れる」という喜び>

漫画に限らず他のコンテンツもそうですが、良い物を生み出すと何十年先も、そこからもっと先の作者の死後も楽しまれ続ける事になります。

きちんと良い物を作れば、ずっと先の未来の多くの人達に楽しまれ続ける」と考えるとずいぶんと作品作りに力が入りませんか?


<楽しませる事を楽しんでみる>

ユーザーは作品で楽しみ、作り手は「ユーザーを楽しませる事を楽しむ」みたいに考えると、毎回の話作りでは「どうやってユーザーをもっと楽しませるか?」と考えるようになり、やる気を出しやすくなります。

締め切りを乗り越えるのでいっぱいいっぱいで「ユーザーを楽しませる」という気持ちが薄い漫画は、残念ながらユーザー受けも悪くなりコミックもあまり売れません。

エンターテインメントの世界は「ユーザーをより強く楽しませる作品ほど売れやすい」というのがあります。


<自分の原点にまた触れてみる>

自分が漫画を描くようになった原点のような作品」というのは各々あるでしょう。

子供の頃に大好きだった色々な漫画作品をまた読み返してみると、創作活動を続けるための心のエネルギーを補給できると思います。


<「嬉しかった事」は繰り返ししゃぶってみる>

紙や電子メールのファンレターだったり、書籍販売サイトでの自分の作品の高評価レビューなど、読んで嬉しくなる事はまとめておき、何度も見返して意欲を回復させる事が可能です。

気分が落ち込んだ時は、そういう「いくらでも自分を奮い立たせてくれる物」にまた触れてやる気を喚起してみましょう。


<他のジャンルの良い作品に触れてみる>

漫画制作をしている人は、音楽だったり映画、絵画や本その他の創作物にも触れてみると、他の分野の人達が生み出した素晴らしい作品に触れる事でやる気がアップしたりインスピレーションがわく事があります。

名作というのは他の分野の人にも強い影響を与えてくれるものです。


<「誰もが苦しんでいる」という事を考えてみる>

ヒットしない人はもちろん、ヒットしている人もそのヒットに至るまでに膨大な積み重ねや苦労をしています。

ヒットの部分だけを見てしまうと「こいつは売れていて羨ましいな」と妬みの気持ちを抱き、売れていない自分のメンタルをダウンさせてしまいます。

でも、「この人もヒットに至るまでに本当に色々な苦労をしたんだろう」と思うと妬みの気持ちは消えるでしょう。
苦労は成功のために必須の事であり、「自分ももっと頑張ろう」という気持ちになったり、「この苦労は将来成功につながる」と考えられるようになるとその苦労の感じ方も軽減されるでしょう。

一つ一つの苦労をマゾ的に楽しめるようになる人はかなり強いですよね。

「若い頃の苦労は買ってでもしろ」という言葉があります。
若い頃に苦労の果てに成功を体験すると、「苦労する事は成功につながる」というのを身をもって知る事になり、個々の苦労の感じ方が変わるというのがあります。


<作品の競争力を低下させないために>

エンターテインメントの世界は、残念ながら「頑張れば誰でも売れる」という甘い物ではありません。
作品数があまりにも増えすぎたため、生き残りが凄まじい感じになっています。

ただでさえ厳しい状況なのにメンタルダウンで自分の作品の質を低下させる事は、その作品の競争力を大きく低下させて売れ行きを減らす事になります。

創作活動においてはメンタルのケアをしっかり行い、やる気を高め、また脳の疲労を溜めず頭がきちんと働く状態にして作品作りに取り組んでいくべきではないでしょうか。