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07 夢/GReeeeN

 そもそも目的が違うと思いますよ。彼らは自分の身は隠して、その上で覗き行為をしている訳でしょう。むしろ私は隠れたくないんです、隠れてこそ満たされる彼らとはやはり相容れないと思いますね。

 そうです、床として認識されたいという事です。ですから踏んでもらって全然構いませんし、普段通りに過ごしてもらいたいという事です。

 いえ、完全にいないものとして振る舞われるとそれはそれで私の希望とは違ってしまいます。私という人間はどこかで意識していて欲しいんです。私という人間がいる、私という人間が床として認識されたいと願っている、床として認識されたいと願っている私という人間が床としてそこにいるが床なので人として意識する必要はない、そんな感じでしょうか。

 違います、それはですから付随的な、言わばハプニングとでも言いましょうか。

 そうですね、それで腑に落ちるというならもうその言葉でいきましょう、ラッキースケベ。

 やっぱり踏まれると反応してしまうんですよ、私も男ですから。下着が見えると嬉しいんですよ、普段は隠れているものですから。

 なるほど。同意を得た上での覗き行為。言い得て妙ですね。

 ただやっぱり付随的なものでいいんですよそれらは、私が床だからこそ起こるハプニング、その段階に留めておきたいんです。

 根本にある思いがやはり、床になりたいという願いですからね。

 私は床であり人ではない、床になりたいと願う私が床としてあるだけなので人がいるものとして振る舞う必要はない。そういう事なんです。

 無論踏まれたいです。それはだって、嬉しいものですからね。

 では場所はカラオケボックス、お二人は放課後に制服のまま遊びに来た女子高生という設定でお願いします。

                              ('22.6.27)

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