思い出②

小学6年生の時にバンドを組む。
私は家にドラムがあったので、ドラムを担当する事に。
姉が主催するエレクトーン教室の発表会に出させてもらう事になり、同級生3人でのバンドで「Let it be」を披露した。
鍵盤、ギター、ドラムという構成のバンドだ。

本番直前にギターのチューニングが狂っている事に気付き、大きな不安を持ちつつ舞台に上がる。
やはり鍵盤から奏でられた音とギターの音が合っておらず、絶望的な立ち上がりをみせた我々のライブは、始終気持ちの悪い旋律を奏で、一度たりとも誰かの心を掴まずして終えた。

ドラムの子はというと、お気に入りのサッカーブラジル代表のユニフォームを着て、緑色の帽子を目深に被り、Let it beのあの緩やかなビートの節目節目に、これでもかと主張の強いフィルインをぶち込み、この気持ちの悪い旋律に強烈なスパイスを与えていた。

Let it be、悪い意味で、なるようになってしまったライブであった。

このバンドは後に「ごはん2V」(ごはんつーぶい)として活動して自然消滅してしまった。

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