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何回も言いたいハッピーバースデー

明日は友達の誕生日だ。
高校生の時からの友達なので、おめでとうを言うのは何回目だろうか。
もう20回以上言っている。
そんなにときが経ったのだ。

去年のわたしの誕生日にはその子がおめでとうと言ってくれた。
何十年も覚えててくれてありがとうと言うと、
「何十年って言うと途端に重みが増すね」と笑っていた。
“友達”はワインみたいに時間が経つと熟成するだろうか。

最近は半年に一回ぐらいしか連絡をとっていない。
彼女は埼玉にいてわたしは福岡にいるのでなかなか会えない。
前回会ったのはいつだったろうか。
だけど電話で話すと、いつも話しているかのように話せる。
一時間ぐらいすぐ経ってしまう。

彼女は同級生なのにお姉さんと呼びたくなってしまう人だ。
何事も彼女なりに分析して実際やってみて答えを出す、みたいなところがあり言葉に説得力がある。
なので、婚活パーティいいよ!と言われたときも、不妊の検査したがいいよ!と言われたときも彼女が言うならそうだろう、と素直に思えたので実行した。

あれ?もしかして、わたしが結婚したり息子に会えたのは彼女のおかげなのかも。
すごい影響力だ。


いつだったか、彼女の家に泊まったときに隣に布団を敷いて並んで寝た。
おしゃべりがひと段落して、彼女が鼻歌をうたう。
わたしは目を閉じてやさしい声を聴いている。
そのひとときがなんだかとても好きだった。

言いにくいこともさらりと言ってくれて、こうしたがいいよ、とすすめるけれども押しつけることはなく、もちろんほかの選択肢もあるんだよ、それもいいよね、と言ってくれる人だ。

だから、包み込んでくれるようなお姉さんのような雰囲気がある。
遠くにいても心で頼りにしている。

明日はおめでとうって言うけど、おめでとうっていうかありがとうって言いたい。

毎年、あと何十回も言いたい。

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