ピーナッツくん3rdアルバム『Walk Through the Stars』感想!
2022年6月1日、バーチャルYoutuber/ラッパーのピーナッツくん3rdアルバム『Walk Through the Stars(ウォーク・スルー・ザ・スターズ)』(略して 「ウォクスタ」)がリリースされました。
このアルバムが結構よくて自分は興奮しているので、感想を書きます。
作品情報
ピーナッツくん『Walk Through the Stars』2022年6月1日00:00リリース
製作スタッフ
歌と作詞:ピーナッツくん @osyarenuts
All Prod.(全作曲):nerdwitchkomugichan(ナードウィッチコムギチャン) @7010AgeFactory
Mix&mastering(何か音を調整する重要な役):玉田デニーロ @anyotmd
Support&Guitar(一部楽曲のギター):コイデシュンペイ @koide123456
Art(アルバムジャケットイラスト):プリフランボワーズ @pre_framboise
収録曲
↓ピーナッツくん『Walk Through the Stars』YouTube自動生成再生リスト
↓ここから全曲の歌詞を確認できます。
『Walk Through the Stars』全曲感想
本当に自由に感想を言わせてもらおうと思います。
音楽に詳しくはありませんが、私なりに感じたことをまっすぐに表現します。
01. Roomrunner!
イントロからインパクトがありますよね。こっちのテンションも弾けちゃいます。
2022年3月29日開催の『Heavenly X』では一曲目に選ばれていました。これを聞きまくったおかげで自然と「行くぞー!」って声が聞こえてくるんですよね。
ヒップホップフェスティバル『POP YOURS』の大舞台でも1曲目は「Roomrunner!」でしたね。
ライブにせよアルバムにせよ、「こっから始まるぞー!」って感じの楽曲なので幕開けには持ってこいだなと思います。
思えばピーナッツくんのルームランナーはこの企画で紹介されていましたね。まさか曲になるとは~。
02. Fulltracker
タイトル「Fulltracker(フルトラッカー)」はおそらく、3Dアバターを動かす技術であるフルトラッキングをやっている人、ということなのでしょう。
歌詞については、「ゲーミングチェアに座って、ガチャガチャした機材たちに囲まれながらGANTZみたいな黒スーツ着て活動してるんだな~」と思いました。Vtuberらしい体験を歌にしてくれるのは一般人としては楽しいです。
音楽としては落ち着いててオシャレですね。この音楽結構いいですよね。
また、大変崩した発音でラップしているのは、これが噂に聞く「マンブルラップ」というやつなのでしょうか?
ピーナッツくんの好きなTohji(トージ)も結構マンブルラップをやる人のはずなので、「ピーナッツくんはやっぱりTohjiに憧れてるのかな?」って自分は考えちゃいます。
(私はピーナッツくんからTohjiを知って両方とも大好きになったので、ピーナッツくんの楽曲を聞く際にTohjiの影響ばかり考えてしまうんですよね。これがどれくらい問題ないことなのか、少し気になっています。あえて意地悪な言い方をするならば、私にはピーナッツくんが「(部分的には)Tohjiの後追いをしている人」に見えているということです。どなたか音楽に詳しい方がいたら妥当な見解をご教授願います)。
「マンブルラップ」と言えば、2ndアルバム『Tele倶楽部』収録の「SuperChat」では次のように歌われていました。
私はこの歌詞を「イケてるマンブルラップなんかより、Vtuberたちの適当な(発音の崩れたわけわからない)雑談で億千万稼いじゃってるんだもんな」という皮肉だと思っています。
たぶんピーナッツくんはマンブルラップをリスペクトしているんだろうなと思います。
(全部マンブルラップじゃなかったらすみません)
03. Makeup
音楽としてはとてもしっとりしていて、これまたオシャレですよね。
「make up」というのは、ピーナッツくんのアバターの姿に変化することを歌っているのかなと思います。
ズレたことを言いますが、ピーナッツくんがあまりに「Make up♪ Make up♪」って歌うものだから、私は「そういえばメイカって名前のVtuberがいたな~」ってことを思っちゃいました。一度そう思うとしばらくこの考えから逃れられません。
04. KidsRoomMan
この曲大好きです! 現時点でピーナッツくん全曲の中で最もいい曲だと思っています。トラックもフロウもリリックもいいからです。言い換えると、伴奏も歌い方も歌詞もいいからです。
音楽がめっちゃいいですよね。すごい癒されるんですよ。寝つきがよくなりそうです。
歌詞の解釈としては、基本的には「かかってくる電話」に象徴される”外界”を拒絶して、部屋や自分の殻に閉じこもって、音楽作ってお金稼ぎまくってくよ、みたいなことが歌われているのかなと思っています。
私は最後の歌詞でいつも胸が熱くなります。ていうかちょっと泣いてます。
”あの子よくわからんって 言ってるmy friend”について言えば、「自分って世間からしたらちょっと変な子なのかな」っていう気持ちを私自身抱いたことがある気がしますし、おそらく私の友人たちにもそういうことで悩んだり、変な子だと思われてきた人たちが少なからずいた気がするので、妙に共感してしまいます。
しかし、”ほんと手に負えなくて やれやれなんです”という言葉は、もはやそうした疎外感・劣等感に対していくらか整理をつけた人間にしか言えない言葉だと思います。「やれやれ」というのは、嘆くべき状況に対して諦観すると同時に、いくらか堂々とした態度で受け止めてもいるからです。ピーナッツくんのそうした心境を思うと私は本当に胸が熱くなります。
(勝手な持論を語りますが)、自分自身のことを「やれやれ」と引き受けたうえで、さてどう生きていくか、ということがきっと大事ですよね。自暴自棄になることなく、適切な程度の開き直りに至ることこそが自分にできる範囲で幸福に生きるための方策ですよ。そう思っています。
「子ども部屋おじさん」というのは、「大人になっても実家暮らし」という状況をいくらか情けないものとして表現するために用いられることが多い言葉かなと思います。しかし、ピーナッツくんは
と歌ってみせます。
確かに、自分に対して「あの子よくわからん」って言ってきたmy friendたちは実家を出てしっかり働いているのかもしれません。しかし、ピーナッツくんだって、実家に居ながらも、(また内向的に自分の殻に閉じこもりつつも)、「バーチャルYouTuber & ゆるキャラグランプリ王者 & ラッパー」として他には真似できない仕方でしっかりお金を稼ぎ、兄妹で支え合って生きているのです。
自分自身の生き様についての誇りを歌い上げるのはヒップホップらしいよなと思いますし、同時に少ししんみりしているからこそ何だか胸が熱くもなります。
そして最後は”See you next time Alright Kids room man”でさっぱりと締めるんです。痺れますよ。
最高にクール~!
KidsRoomManやっぱり抜群にいい曲~!
05. KFC
ケンタッキー・フライド・チキンのことを礼賛する歌です。
第二の「グミ超うめぇ」という感じがしますね。
「グミ超うめぇ」では、「ぐるナイとかにも出てくるべきだろグミ」という歌詞がありましたが、「KFC」では
と歌われています。そんなにぐるナイに認めてほしいの??笑
サビの「ケンタッキー↑↑↑↑」では、うますぎるケンタッキーを右手に掲げて堂々と誇っているような様が思い浮かびます。
おそらく多くの人が笑ったことだと思いますが、2番の"指を吸う~ するとまだ味がするむっちゃ(ムッチャ)”はなんであんなにセクシーなんですか笑
ピーナッツくんが超ジューシーなチキンを食べているテレビCMの映像が思い浮かびました。
聞いているといつの間にか脂っこいものを食べたような気になる満腹感ある楽曲です。
06. PEEPEE
たぶん、ピーナッツくんが自分自身のことを何にも知らない「ペーペー」だとして歌った楽曲。どういう文脈なんですかね。
最初はよくわからない音楽だと思いましたが、いつの間にか結構繰り返し聞きたくなる曲になっていました。
イントロは『Heavenly X』で演じられていた着ぐるみの動きがめっちゃハマってます。ゆっくりとこちらを向いてくる着ぐるみピーナッツくんです。いつもこの動きをイメージしながら聞いちゃいます。
07. TotaKK
突然のとたけけリスペクト。
ビートでどうぶつの森っぽさが表現されてて結構おもしろいです。
ピーナッツくんでどうぶつの森と言えば、ピーナッツくんアニメの第24話「あぶない!どうぶつの森」は外せません。ファンたちの間でも人気の回で、私も大好きです。バックで流れる「けけアイドル」にも注目。
私はキチたぬさんの「マキナ 吸ウィド これは上質な毒林檎」みたいに聞こえるどう森発音が癖になっています。
08. Tamiflu
いい曲ですね。MVすごいっす。
09. respawn
どうやらrespawnは「再び発生する」みたいなニュアンスの英語っぽいですね。
私はこの曲が発表当初からかなり好きで、何度も聞いていました。結構特殊な音楽だという気がしますが、繰り返し聞いているうちによく身体に馴染むようになっていました。
この曲は歌の入りが最高です。イントロからの"yeah~適当なラクガキからびっくりするよなコンビ~"。ここの気持ちよさが完璧すぎてこれだけで内心拍手喝采です。
さらに、ここでの「コンビ」とはぽんぽこさんとピーナッツくんのことだと私は思っています。ピーナッツくんがぽんぽこさんのことを歌うのはそう多くないと思いますし、私はぽこピーたちが兄妹二人で支え合って生きているという彼らの人生のストーリーがかなり好きなので、そういうことを歌われるととても嬉しいです。
全体としては、主に「生みの苦しみ」とでも言うべき迷いや葛藤が歌われているように思います。また、どこか子どものころの景色が歌われているような感じもあります。誰もいない場所で一人だけ転んで困っているような孤独が伝わってくるのです。
最後の盛り上がりは「Kids Room Man」のラストと同じくらい大好きです。
ついでに言うと、序盤の”ぼくらロックマンエグゼのように”という歌詞に触発されて、最近ロックマンエグゼ1,2,3を中古で購入してプレイしました。めっちゃおもしろかったです。前々からやりたいと思ってて、いいきっかけになりました。ありがとうピーナッツくん。
10. Youngpixar
このアルバムを歌詞見ながら順番に聞いてたら、急に兄ぽこ(=ぽんぽこさんの実兄でピーナッツくんの生みの親。ピーナッツくんの声を出している人)が歌い始めるし、歌詞もすごく切実な感じがして、引き込まれるようにして曲に聞き入りました。
タイトルや歌詞の解釈が難しくて、どう聞けばいいかよくわかっていません。
歌声としては、私には兄ぽこ×チャンチョに聞こえます。
という歌詞はとても印象的ですが、果たしてどういうことを歌っているんでしょうね。気になりますね。
というわけで、音楽としては残すところあと2曲ですが、ここから世界が変わります。
11. PetbottleRocket
めっちゃいい曲だなと思います。
ビートがよすぎて思わず乗っちゃいますよね。
あと、ピーナッツくんめっちゃかっこいいですよね。
ここの解放感がやばくて、「え、ピーナッツくん、音楽でこんな解放感与えてくれるんだ」と思いました。
”ここはopen world”のところで私は雰囲気から何となくlivetuneの「Tell Your World」を思い出しました。
「PetbottleRocket」からはとても大きな可能性の拡がりを感じさせてもらえました。
ピーナッツくん、これからも私たちをどこかへ連れて行ってください。楽しみにしています。
12. Walk Through the Stars
ギターがめちゃくちゃいいですね!
私は、「余計な雑音を排して、君と本当に話したいことを話したい」といったことが歌われているように思います。
「君」というのが、恋する相手なのかな、と思わせる歌詞もあれば、友だちなのかな、と思わせる歌詞もあって、解釈が一つに収まらないですね。
ここの気持ちよさやばいですね。
そして、最も感情豊かに歌い上げられているのが次の箇所です。
ここはすごく胸にグッときました。
もしかするとちょっと痛いファンの反応かもしれませんが、私は「俺でよければ友だちになろう!?」ってめっちゃ思いました。
そして何といってもサビのこの箇所がマジでいいですよね。
恋愛のことを歌っている気もしますが、友だちがほしいという歌にも依然として解釈できなくはないと私は思います。
13. DR_0000_0212.wav
録音された音声です。
聞いていると、ピーナッツくん(兄ぽこ)が伝えようとしている思いを何とかして理解してあげたいという気持ちにさせられます。
もしここで伝えようとしている思いが兄ぽこの現実の恋心なら、「何でそれを俺たちに聞かせるんだ?」と私は戸惑います。
そして、もしここで伝えようとしている思いが、”ぼくが音楽を続ける本当の意味”とか、”くだらないこと”とか、”ほんとのことを話したいよ”といった思いならば、私は「いつでも聞かせてほしい」という気持ちになります。
また、私は「Walk Through the Stars」を聴くと「ぽこピー批評」のことを思い出します。兄ぽこがほんとに話したいことを言おうとしている企画なのかなって感じがしますし。
ピーナッツくんに対するファン感情としての「友達になりたい」
ちょっと話が長くなるかもしれませんが、ピーナッツくんに対する私の気持ちを語りたいです。個人的に思い入れのある次の動画を紹介させてください。
ぽんぽこさんの「今までで一番活動しててよかったなって思うことは?」という質問に対するピーナッツくんの回答。
そして、ぽんぽこさんが「みんなはぐれ者じゃないよ。ピーナッツくんだけだよ、はぐれ者は」と言ったところ、ピーナッツくんは、
と反論しています。
私はこの動画を宝物のように感じているのです。
ピーナッツくんって、私たち視聴者のことを「周りにいっぱいいてくれてる」ような存在として感じてくれているんだ…!
ピーナッツくんと視聴者との関係について、「はぐれ者同士仲良くなれる」と思ってくれているんだ…!
そう思いました。
そして「はぐれ者には”はぐれ者”って言ってあげろよ」という言葉に込められた愛情…。
元々周囲に馴染むのが難しい人にとって、無理して周囲に合わせようとするのは場合によってはとても苦しいことです。しかし、はぐれ者であることを修正しようとするのではなく、はぐれ者なりのよい人生を模索するという道だってあるはずなのです。自分が”はぐれ者”だということを真正面から毅然とした態度で受け止めた上で、そこから始まる自分なりのよい人生というのがあるはずだと私は信じています。だから、悪意ではなく愛情をもって「はぐれ者にははぐれ者だと言ってあげる」というのは、何か言いたいことがよくわかる気がするんですよね…。
私は勝手にこういうことを考えていたので、ピーナッツくんの「本音」がすごく心に響きました。
この言葉が心に響いてしまったので、私がファンとしてピーナッツくんに対して向けている感情は「友達になりたい」なのです。はぐれ者同士、近くにいたいからです。
(ただ、私自身は友だちがそこそこいる方だと思っているので、たとえ気持ちでは強く共感していたとしても、私はフェイクの"似非はぐれ者"にすぎないのかもしれません)
(また、私は実際に何かピーナッツくんに対して友だちになるためのアクションを起こすつもりはありませんし、実際に友だちになれるともめったに思っていません。しかし、向けている感情は「友だちになりたい」という感情なのです。このスタンスで今後とも真っ直ぐにぽこピーを愛していきます)。
まとめ
ピーナッツくん3rdアルバム『Walk Through the Stars』は順番もよく考えられていて、通しで聞くのもすごくよいです。
ループ再生にしていると「13. DR_0000_0212.wav」→「01. Roomrunner!」という流れになるのですが、これがまたかなりいいんですよね。だからアルバムを何周でもできちゃいます。
ピーナッツくんの音楽の虜になった私たちが、星みたいにキラキラ輝く楽曲たちを次々に渡り歩く様はまさに「Walk Through the Stars」(=星々の間を歩く)といったところですね☆彡
関係者のみなさん、素敵なアルバムをありがとうございます。
これから発表されていくだろうMV、そして単独ライブも楽しみです。
ピーナッツくん、これからも応援しています!
おわり
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