見出し画像

不動産オーナー探訪記 第9話 井門

いもん、井門です。不動産界隈でもファンが多いのですが、実はあまり詳しくなかったのが井門です。

特徴的なIMONというビル看板など印象に深いのですがどういう会社?というのがピタッとこなかったので調べてみました。日本全国にオフィスビルあるんですよね。ビッグオーナーです

シリーズ連載

特徴的なロゴと数多くのオフィス

画像1

井門といえばコレという特徴的なロゴのオフィス。都内郊外、地方、関西とオフィスビルのみならず店舗ビルも複数所有しています。不動産管理および関連会社も複数あります。


ハウジングいもん、井門リアルエステート、井門不動産、井門土地。その統括をしているものが「井門エンタープライズ」になり本社も自社ビルです。本社所在地、東京都品川区東大井5-15-3 井門大井町ビル

年商 7.9億(グループ全体 110億円)業種 不動産管理業という渋い概要、井門企業グループの保有している、 全国250の不動産の管理及び有効活用

井門の成り立ち

さて、そんな井門ですが、企業沿革から成り立ちはみてとれます。
1921年 1月 井門富士逸が屋号「大丸商会」と称し月賦販売業を東京都品川区で開業。これが発端です。

さてここでわかりにくいのが「月賦販売業」です。井門はこの月賦販売業で一躍業態を伸ばしていったのです。

戦前に盛んな商法でしたが商業統制になり一旦は無くなります。その後、1947年大丸百貨店大井店として商売を再開。戦後のインフレ、統制が一段落するのにあわせて活況となっていきます。そして昭和40年代には絶頂期を迎える事になります。

さて今では見慣れない月賦百貨店ですが、一般的な百貨店とは業態そのものが異なります。

補足説明
月賦百貨店とは、「高価な物は欲しいけれど一括で買えるほど現金はない」という庶民に支持され、活況を呈した

最盛期には丸井、緑屋、丸興、大丸百貨店*と名を連ねるのですが、クレジットカードの台頭により業態変更を余儀なくされていきます。

*大丸百貨店(一般的な百貨店である大丸「下村大丸」とは異なるのが注意点)

この業態変更の中で、各社業態の維持や業績が厳しくなっていきます。井門も同様に生き残りをかけた戦略が必要になっていきます。

1982年に大丸百貨店はラオックスと提携することによって一部店舗を家電量販店業態に転換、後に社名を変更し専門店をグループ(井門グループ)として営業という形に・・・

こうして、月賦百貨店という業態は時代の流れとともに衰退してしまうのです。

現在の井門グループと業態

この時期は苦境でしたがは紳士服チェーンの坂善商事とも業務提携を行い、蒲田店を「坂善大丸 蒲田店」としてオープンするなど生き残りをかけた戦いをしていきますが、坂善大丸との業務契約が終わることとなるのですが、貸しビル(ビル賃貸業)として活路を見出します。

蒲田店は坂善が直営化したうえで建物を賃貸する形とした。こういったビル活用ノウハウを活か・・

拝啓 井門義博です より以下引用 2013/5/4

昭和50年代までは 大丸百貨店蒲田店でした。(㈱大丸百貨店は現㈱井門エンタープライズ)、昭和50年頃から月賦百貨店が斜陽になり、同業の緑屋(→クレディセゾン)や丸興(→ダイエーオーエムシーカード)が大資本の傘下クレジット会社に転じる中、大丸百貨店はラオックスとの提携で専門店化を図りました。しかし大丸百貨店の店舗は3000㎡前後(大規模小売店第一種と第二種の境界線)と中途半端に大きすぎて電器店ラオックスだけでは使いきれませんでした。
そこで仕方なく“インテリア井門”“ジュエリー井門”との複合専門店としましたが、効率は良くありませんでした。

その後同社は2000年以降、不動産業を主軸として活動を行っていきます。

ビル運営以外の経営方針として特徴高いのが、収益性が高いと見込まれるジュエリー部門である「ジュエリー井門」とニッチな層を取り込む専門小売店である鉄道模型の専門店「Models IMON」に絞って店舗展開していきます。

スタート時は自社の井門ビルのの中で展開

井門グループ店舗展開案内

画像2

その他関連会社ではボーリング場の運営や料理店運営も行っていますがやはり、ビル経営が主軸となっている点は否めません。

井門グループのオフィスについて

日本各地に井門の名を冠するビルがあります。井門瓦町ビル、井門大井町ビル、井門道玄坂ビル、井門札幌ビル、井門神戸ビル、井門名古屋ビル、井門岩本町ビル、井門明治安田生命(明治安田生命と共有持ち分60%).....etc

2019年以降もビルの購入をしており、複数のビルを所有運営する企業となっています。2019年、九段北1丁目の新光ビルを購入や銀座の香蘭社ビルの購入などその勢いは変わることが無いです。

その他、井門グループには名を連ねていないが親族*として運営されている「VENTURE MAFIA」というシェアオフィスコワーキングサービスも五反田の1号店として展開されています。

*こちらはあくまでも親族者が立ち上げたサービス

VENTURE MAFIA
株式会社VENTURE MAFIA.
設立, 2018年11月.
代表者, 井門 裕貴

インタビュー記事

井門グループやその親族によって着実に広域なビジネス展開されている模様でした。

企業概要

企業名: 井門グループ(株式会社井門コーポレーション他)
創立 :1935年 5月 (株式会社大丸百貨店と改称)
所在地 :東京都品川区東大井5-15-3 井門大井町
代表者 :井門義博
業種  :小売販売業および不動産の賃貸とその関連事業

主な賃貸オフィス:井門明治安田生命ビル、井門四条ビル、井門神戸ビル、井門岩本町ビル、井門札幌S109ビル、他多数

シリーズ連載




主にオフィスに関する不動産知識や趣味で短文小説を書いています。第1作目のツボ売り、それ以外も不動産界隈の話を書いていければ良いなと思っています。 サポート貰えると記事を書いてる励みになります。いいねをしてくれるだけでも読者がいる実感が持ててやる気が出ます