男二人で奈良へ旅に出たらカップルに間違えられた話
大学生の時分は暇と金があれば本を読むか酒を飲むか、旅をしていた。
余裕があるときなんかは、それを全て堪能するという全部乗せをしていた。
どういうことかというとつまり、青春18切符を用いて鈍行列車に揺られ、酒を少々嗜みつつ、目的地に着くまで本を読むというような旅に出ることだ。
結婚し子どもが生まれこのような旅をすることもなくなったのだが、自分にとってこれに勝る娯楽を今でもなかなか見つけられないでいる。
10年以上前、2月のある日のことだ。
大学は春休みに入っており時間は十分に